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20代 女性のご相談

おむつかぶれってどんな病気?
症状チェックと対処法を皮膚科医が解説

⚠️まずは緊急度をチェック

◻︎ 黄色っぽい浸出液や膿が出ていて、細菌感染が疑われる
◻︎ 鮮紅色で境界がはっきり、小さなブツブツ(衛星病変)や鱗屑があり、カンジダ感染が疑われる
◻︎ びらんやジュクジュクが広範囲に及ぶ、出血や強い痛みがある
◻︎ 清潔・保護をしても赤みや湿疹が長引く/広がる

▶︎ 1つでも当てはまれば受診/オンライン相談

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医師の回答

尿や便に含まれるアンモニアや酵素などに皮膚が刺激され、おむつの当たるところに赤いブツブツやただれが生じます。

赤ちゃんのおしり、
赤くなっていませんか?

尿や便に含まれるアンモニアや酵素などに皮膚が刺激され、おむつの当たるところに赤いブツブツやただれが生じます。 痒みや痛みを伴い、悪化すると血がにじんだりもします。 おむつかぶれの際は洗面器にぬるま湯を張っておしりをよく洗い、亜鉛華軟膏やワセリンを塗ります。 症状がひどいような場合は、弱いステロイド外用剤を塗ったりもします。 おむつに覆われる部分は、カンジダ皮膚炎という、カビによる別の疾患も起こりやすいので、きちんと診断することが重要です。

H.Tさん

おむつ替えのたびに赤みが増し、太ももの付け根まで広がっていました。こすらないようにしたつもりでも、拭くと泣いてかわいそうで焦りました。ぬるま湯で流して乾かし保護する基本を丁寧に続けると、ジュクジュクが少しずつ落ち着いてきました。

オンラインで相談し、ワセリンと亜鉛華を中心に、指示どおり清潔・乾燥を優先。びらんが強い日は短期の外用の使い分けを教わりました。自己流で長引かせず、疑わしい所見があれば受診して診断をつける大切さを実感しました。

30秒セルフチェック/診断チャート

01

症状の出方・強さ

おむつの当たる部位に赤いブツブツ/ただれ/ジュクジュク

かゆみや痛み、時に出血を伴う

鮮紅色で境界明瞭+小さなブツブツ(衛星病変)や鱗屑(カンジダ疑い)

02

経過・持続

おむつ替えの間隔が長いと悪化/離乳食開始や下痢時に増悪

清潔・保護をしても長引く/範囲が広がる

03

随伴症状・背景

おむつ内の高温多湿・皮膚のふやけ

摩擦刺激が続く

下痢や抗生物質使用後に起こりやすい

結論

該当が多い:要受診
該当が少ない:迷う場合も早めに相談

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おむつかぶれとは?

おむつかぶれ(おむつ皮膚炎)とは、おむつで覆われたおしりや股の皮膚に赤み・ただれ・湿疹などを引き起こす皮膚炎の総称です。乳児の皮膚は大人に比べてバリア機能が未熟でデリケートなため、尿や便の刺激や湿度・摩擦といった要因で炎症が起こりやすくなります。多くは軽症で短期間で治りますが、放置すると痛みやかゆみで不機嫌になったり、真菌(カンジダ)や細菌の二次感染を合併することもあります。

たとえば、軽度の赤みやざらつきにとどまる場合もあれば、ジュクジュクした湿疹やかさぶたを伴う重症例、さらにはカンジダ感染を併発して境界がはっきりし小さなブツブツ(衛星病変)が出る病型などもあります。症状の幅は広く、早期の観察と対応が重要です。

【主な原因】

  • 尿や便に含まれるアンモニアや酵素による刺激

  • おむつ内の高温多湿環境による皮膚のふやけ

  • おむつや動作による摩擦

  • おむつ替えの間隔が長いことによる皮膚刺激の蓄積

  • 下痢や抗生物質使用後に起こる腸内細菌バランスの変化

好発部位はおしり全体から股、太ももの付け根、外陰部にかけてであり、特におむつが当たる部分に集中します。乳児期、とくに生後数か月から離乳食開始時期にかけてよく見られ、下痢や体調不良があると悪化しやすくなります。

経過としては、初期には赤みや軽度のかゆみが中心ですが、悪化するとジュクジュクした浸出やびらんが広がり、さらに慢性化すると皮膚が厚く硬くなる苔癬化〔たいせんか〕を来すこともあります。悪化因子には湿潤環境、摩擦、下痢、抗生物質使用、また体調不良や発熱による免疫低下も含まれます。早めに受診し適切な治療を行うことで、赤ちゃんの生活の質やご家族の安心につながります。

応急処置(今日できること)

  • ぬるま湯でやさしく洗浄し、こすらず水分をしっかり除去する

  • ワセリンや亜鉛華軟膏で薄く保護する

  • 通気性の良いおむつを選び、ややゆるめに装着する/時々むらさき外気に当てる(おむつオフ時間を作る)

  • びらんが強い・痛みが目立つ場合は受診を検討する

一般的なおむつかぶれ治療に使われる薬

① 【軽症(赤み・びらんがない)】
▶ 保湿剤・皮膚保護剤(バリア機能回復・予防)
ワセリン系 白色ワセリン、プロペト 刺激が少なく、皮膚を保護する
酸化亜鉛含有軟膏 ポリベビー、ドラッグストアの市販品 皮膚の保護膜形成、抗炎症作用あり
ヘパリン類似物質 ヒルドイド、ビーソフテンなど 乾燥予防(ただしびらん部位は避ける)

🔹 おむつ交換のたびに清潔にし、水分をしっかり除去してから使用。

② 【中等症(赤み+軽いびらんやただれ)】
▶ 外用ステロイド(短期間・必要最小限)
ヒドロコルチゾン酪酸エステル ロコイド軟膏 低〜中等度の炎症に短期間使用
クロベタゾン酪酸エステル キンダベート軟膏 乳児にも比較的安全に使用される

🔹 使用は1日1〜2回、3〜5日間を目安とし、改善すれば保湿剤に切り替える。

③ 【びらんがある・感染が疑われる場合】
▶ 抗菌薬外用 or 抗真菌薬(医師判断)
黄色っぽい浸出液、膿 バクトロバン軟膏(ムピロシン)など 細菌感染が疑われるときに使用(医師の指示)
鮮紅色・境界がはっきり・鱗屑あり カネステンクリーム(クロトリマゾール)など カンジダ感染の可能性、抗真菌薬を使用

🔹 感染が疑われる場合は皮膚科受診を推奨。

④ 【予防・再発防止】
▶ 日常ケアが最重要
おむつ交換はこまめに(1日6~10回程度)
便が付着した場合はぬるま湯でやさしく洗浄
お尻をしっかり乾かしてから保護剤を塗布
通気性の良いおむつを選び、ゆるめに装着

病院で何を調べるの?

  • 視診・問診:皮膚の赤みや湿疹の分布を観察し、症状の経過やおむつ替えの習慣を確認します。典型的な見た目で診断できることが多いです。
  • 真菌鏡検(KOH法):カンジダによる感染が疑われる場合に、皮膚の鱗屑を採取して顕微鏡で確認します。短時間で判定でき、抗真菌薬が必要かどうかを判断できます。
  • 細菌培養検査:ジュクジュクが強く膿を伴う場合に、細菌感染の有無を調べます。結果が出るまで数日かかりますが、適切な抗菌薬選択に役立ちます。
  • パッチテスト:まれにおむつやおしりふきの成分による接触皮膚炎が疑われる場合に実施します。48〜72時間後の判定が必要で、施行前には外用薬を中止しておく注意点があります。
  • 血液検査:重症例や全身症状を伴う場合に、炎症反応やアレルギーの有無を確認します。必要に応じてIgEなどを調べ、皮膚炎の背景因子を把握します。

「おむつかぶれ」と似ている症状の病気(鑑別疾患)

カンジダ性皮膚炎(カンジダ性間擦疹)

赤くてジュクジュク+ふちがギザギザ 白っぽいかさぶた/股のしわの奥まで赤い/抗真菌薬が必要

接触皮膚炎(かぶれ)

おむつの素材や洗剤による刺激 おむつのフチにそって出る/新しい製品に替えた後などがヒント

アトピー性皮膚炎

繰り返す湿疹/かゆみ/乾燥肌 左右対称/おしりよりも顔や首に先に出ることが多い

とびひ(伝染性膿痂疹)

ひっかき傷から広がる黄色いかさぶた 赤くてジュクジュク/広がりやすく、かゆみが強い

疥癬(かいせん)

激しいかゆみ+赤い小さな発疹 大人からうつることも/夜間の強いかゆみが特徴

おむつかぶれの特徴をチェック!

◻︎ 黄色っぽい浸出液や膿が出ていて、細菌感染が疑われる
◻︎ 鮮紅色で境界がはっきり、小さなブツブツ(衛星病変)や鱗屑があり、カンジダ感染が疑われる
◻︎ びらんやジュクジュクが広範囲に及ぶ、出血や強い痛みがある
◻︎ 清潔・保護をしても赤みや湿疹が長引く/広がる

▶︎ これらに当てはまれば、「おむつかぶれ」や関連する疾患の可能性があります

⚠️緊急度をチェック!

◻︎ 膿や黄色い浸出液がある
◻︎ 鮮紅色・境界明瞭・衛星病変などカンジダ疑い
◻︎ 広いびらんや強い痛み、出血がある
◻︎ ケアを続けても長引く/悪化する
 

▶︎ 1つでも当てはまれば受診/オンライン相談を

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受診の目安(タイムライン)

当日〜翌日:膿や強いジュクジュク、広いびらん/鮮紅色で境界明瞭・衛星病変など感染が疑われる

早めに受診:清潔・保護をしても改善しない、繰り返す、範囲が広がる

様子見可:軽い赤みのみで、洗浄・乾燥・保護で速やかに軽快

予防のポイント

  • 2〜3時間ごとにこまめにおむつ交換

  • おしりふきはこすらず押さえるように使う

  • 排便後はぬるま湯で洗って清潔にし、しっかり乾かす

  • ワセリンや亜鉛華軟膏を薄く塗り、バリアを作る

  • 通気性の良いおむつを選び、きつく締めすぎない

  • ときどきおむつをはずして風を当てる時間を作る

  • 下痢や抗生物質使用時は悪化に注意し、観察を強化

  • 赤みや湿疹が長引くときは早めに受診

FAQ

Q1. どのように診断しますか?

視診と問診で分布と経過を確認し、カンジダが疑われるときは 真菌鏡検(KOH法) を行います。膿が強い場合は 細菌培養検査 を検討します。

Q2. 家でできるケアは?

ぬるま湯でやさしく洗い、乾かしてから ワセリンや亜鉛華軟膏 を薄く塗ります。悪化因子(湿気・摩擦)を減らし、こまめに交換します。

Q3. いつ受診すべきですか?

や広いびらん、鮮紅色で境界明瞭・衛星病変(カンジダ疑い)、ケアをしても 長引く/悪化 ときは受診してください。

Q4. 市販の薬は使えますか?

皮膚保護剤は役立ちますが、ステロイドは 短期間・必要最小限 にとどめます。抗真菌薬や抗菌薬は 医師の判断 で使用します。

監修薬剤師/公衆衛生学修士

畔原 篤 Atsushi Azehara

新潟薬科大学卒業。筑波大学大学院 公衆衛生学学位プログラム修了(修士)
ウエルシア薬局にて在宅医療マネージャーとして従事し、薬剤師教育のほか、医師やケアマネジャーなど多職種との連携支援に注力。在宅医療の現場における実践的な薬学支援体制の構築をリード。2023年より株式会社アスト執行役員に就任。薬剤師業務に加え、管理業務、人材採用、営業企画、経営企画まで幅広い領域を担当し、事業の成長と組織づくりに貢献している。さらに、株式会社Genonの医療チームメンバーとして、オンライン服薬指導の提供とその品質改善にも取り組むとともに、医療・薬学領域のコンテンツ制作において専門的なアドバイスを行っている。経済産業省主催「始動 Next Innovator 2022」採択、Knot Program 2022 最優秀賞を受賞。

執筆者

ヒフメドの編集チームは、皮膚疾患で悩む方に向けて専門的かつ最新の情報を分かりやすく届けることを目指しています。アトピーや皮膚感染症といった疾患の基礎知識から、治療・生活管理の実用的なコツ、最新の治療事情まで幅広くカバー。読者が記事を読むことで「すぐに役立てられる」情報提供を心がけています。