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20代 女性のご相談

口唇炎、口角炎ってどんな病気?
症状チェックと対処法を皮膚科医が解説

⚠️まずは緊急度をチェック

◻︎ ひび割れや出血が続く、または悪化している
◻︎ 膿やただれを伴っている
◻︎ 白い付着物が見える、難治性で繰り返す(カンジダが疑わしい)
◻︎ 痛み・かゆみが強く、会話や食事に支障がある
◻︎ 範囲が広がる、長引いている

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医師の回答

口唇炎、口角炎は、唇や口角に炎症が起きる疾患です。口唇炎は唇全体に、口角炎は口角(唇の両端)に症状が現れます。

くちびるや口の端がカサカサ・ピリピリする…
それ、炎症かもしれません

口唇炎(こうしんえん)とは、は、くちびるが赤くなったり、乾燥して皮がむけたり、ひび割れて痛くなる状態です。 口角炎(こうかくえん)は、口の端(口角)に赤み・ただれ・ひび割れが起こる炎症です。

C.Fさん

冬から唇の皮むけが続き、口角が裂けて食事のたびにしみました。市販リップを替えても良くならず、マスクの擦れで赤みが増す日も。鏡を見るのがつらく、話すのも笑うのも痛い時期がありました。

オンラインで相談し、低刺激の保湿と刺激回避を徹底。使っていた化粧品の成分も見直し、食後は口まわりをやさしく拭く習慣をつけたところ、少しずつ落ち着きました。原因を整理できたのが一番の学びでした。

30秒セルフチェック/診断チャート

01

症状の出方・強さ

唇の赤み・乾燥・ひび割れ・皮むけがある

口角の赤み・ただれ・裂けがある

痛みやかゆみで会話や食事に支障がある

02

経過・持続

乾燥や摩擦、舐め癖で悪化しやすい

長引くと出血や厚み(苔癬化)を生じることがある

03

随伴症状・背景

化粧品やリップで悪化する(接触皮膚炎が疑わしい)

白い付着物や難治性(カンジダが疑わしい)

義歯・マスクの擦れ、アトピー体質、栄養不良が背景にある

結論

該当が多い:要受診
該当が少ない:迷う場合も早めに相談

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口唇炎、口角炎とは?

口唇炎(こうしんえん)とは、くちびるに赤みや乾燥、ひび割れ、皮むけなどの症状を引き起こす炎症性の皮膚疾患です。口角炎(こうかくえん)は口の端に赤みやただれ、裂けやすさが出る状態を指し、いずれも痛みやかゆみを伴うことがあります。日常生活では会話や食事に支障をきたすこともあり、見た目の不快感だけでなく生活の質にも影響する病気です。発症は子どもから高齢者まで幅広くみられ、乾燥や刺激、感染など多様な要因が関与します。

たとえば、単純な乾燥による口唇炎、化粧品やリップ製品による接触皮膚炎、唇を舐めるクセによる刺激性口唇炎、また口角炎ではカンジダや細菌感染、義歯やマスク摩擦による炎症などが代表的なタイプです。

主な原因
  • 乾燥・寒風・紫外線などの外的刺激

  • リップクリームや口紅による接触皮膚炎

  • 舐めグセや唾液による刺激

  • ビタミンB群や鉄分不足などの栄養不良

  • カンジダや細菌の感染

好発部位は唇全体や口角で、とくに皮脂腺が少なく乾燥しやすい部分に出やすい傾向があります。なりやすい人はアトピー性皮膚炎やアレルギー体質の方、義歯を使用している高齢者、唇をよく舐める子ども、また疲労や免疫力低下のある人です。

経過としては、初期には軽度の赤みや乾燥から始まり、悪化するとひび割れや出血を伴い、さらに慢性化すると皮膚が厚く硬くなる苔癬化〔たいせんか〕に至ることもあります。悪化因子としては乾燥、摩擦、唾液、紫外線、マスクなどがあり、長引く場合は感染を合併することもあります。早めに皮膚科を受診し、適切な治療やスキンケアを行うことで再発予防や生活の質の改善につながります。

応急処置(今日できること)

  • 低刺激のリップやワセリンでこまめに保湿・保護する

  • 唇を舐めたり噛んだりするクセを避ける

  • 食後は口まわりを清潔にし、唾液をやさしく拭き取る

  • マスクや義歯の摩擦を減らすよう調整する

  • 日中はUVカットリップで紫外線対策をする

一般的な口唇炎、口角炎治療に使われる薬

✅ 1. 口唇炎(こうしんえん)
✅ 治療に使われるお薬
分類        代表薬        用途

ステロイド外用薬        ロコイド®・キンダベート®など        炎症・赤み・かゆみを抑える(短期間)
保湿剤        ワセリン・ヒルドイド®など        乾燥・刺激を防ぐ/リップ代用としても
タクロリムス軟膏(プロトピック®)        ステロイド非依存の免疫抑制剤        アトピー性口唇炎などで使用/まぶたや口にも使える
抗真菌薬外用        ニゾラール®・ルリコン®など        カンジダ感染が疑われる場合
抗ウイルス薬        アラセナ-A®・ゾビラックス®軟膏        ヘルペスが原因の場合
内服抗アレルギー薬        アレグラ®・アレジオン® など        痒み・アレルギー反応の抑制に補助的に使うことも

✅ 2. 口角炎(こうかくえん)
✅ 治療に使われるお薬
分類        代表薬        内容

抗真菌薬外用        ニゾラール®クリームなど        カンジダ感染が疑われるとき(白い付着物・難治性など)
ステロイド外用薬(弱め)        ロコイド®・キンダベート®など        炎症・赤み・かゆみに短期間使用
抗菌薬外用        ゲンタシン®軟膏など        細菌感染があるとき(膿やただれ)
保湿剤        ワセリンなど        刺激保護/乾燥防止に
ビタミン剤内服        B2・B6・鉄・亜鉛など        繰り返す口角炎では補助的に使用されることがある

病院で何を調べるの?

  • 視診・問診:症状の範囲や経過、生活習慣や使用している化粧品・薬剤の確認を行い、原因を推定します。乾燥や刺激性か、感染かを大まかに判断する第一歩です。
  • パッチテスト:化粧品やリップクリームなどによる接触皮膚炎が疑われる場合に行います。48〜72時間後に判定し、使用を控えるべき成分の特定につながります。

  • 真菌鏡検(KOH検査):口角炎でカンジダ感染が疑われる場合に行います。皮膚の一部を採取して顕微鏡で真菌の有無を確認します。短時間で結果が得られるのが特徴です。

  • 細菌培養検査:膿やただれを伴う場合に行い、原因菌を同定します。適切な抗菌薬の選択に役立ちます。結果が出るまで数日かかることがあります。

  • 血液検査:ビタミンB2、B6、鉄分など栄養状態や、アレルギー体質の有無を確認します。慢性的に繰り返す場合や治りにくい例では、全身の健康状態を把握する手がかりになります。

「口唇炎、口角炎」と似ている症状の病気(鑑別疾患)

口唇ヘルペス

水ぶくれ→ただれ/ピリピリする/単純ヘルペスウイルスが原因 再発しやすい/水ぶくれ→かさぶたが特徴/抗ウイルス薬で改善

アレルギー性接触皮膚炎

リップ・歯磨き粉・食べ物などに反応 使ったあとに悪化/リップや口紅を変えた?がヒントに

よだれかぶれ(乳児)

赤ちゃんのよだれ・哺乳びんの刺激でくちまわりが赤くなる 乳児期に多い/食事・よだれの頻度と関係

カンジダ性口角炎

真菌(カンジダ)による感染/赤くただれてジュクジュク なかなか治らない/白い苔が見えることも/抗真菌薬が必要

アトピー性皮膚炎

口のまわりに湿疹が出る/冬に悪化 他の部位にも湿疹あり/繰り返しやすい/乾燥肌がベース

光線性口唇炎(日焼けによる)

強い紫外線でくちびるが赤く腫れたり皮むけ 野外活動後に悪化/上下の唇全体が赤い・ヒリヒリ

口唇炎、口角炎の特徴をチェック!

◻︎ ひび割れや出血が続く、または悪化している
◻︎ 膿やただれを伴っている
◻︎ 白い付着物が見える、難治性で繰り返す(カンジダが疑わしい)
◻︎ 痛み・かゆみが強く、会話や食事に支障がある
◻︎ 範囲が広がる、長引いている

▶︎ これらに当てはまれば、「口唇炎、口角炎」や関連する疾患の可能性があります

⚠️緊急度をチェック!

◻︎ ひび割れや出血が続く、または悪化している
◻︎ 膿やただれを伴っている
◻︎ 白い付着物が見える、難治性で繰り返す(カンジダが疑わしい)
◻︎ 痛み・かゆみが強く、会話や食事に支障がある
 

▶︎ 1つでも当てはまれば受診/オンライン相談を

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受診の目安(タイムライン)

当日〜翌日:膿やただれ、白い付着物がある/強い痛み・出血で生活に支障がある

早めに受診:長引く・繰り返す、原因が分からない、広がっている

様子見可:軽い乾燥や刺激で悪化が明らかな場合は、保湿・刺激回避で経過観察。ただし改善が乏しければ相談を

予防のポイント

  • 低刺激のリップやワセリンでこまめに保湿する

  • 唇を舐めたり噛んだりするクセを避ける

  • 食後は口まわりを清潔にし、唾液を拭き取る

  • マスクや義歯の摩擦を減らす/刺激を最小限に

  • UVカットリップで紫外線対策

  • 栄養バランスを整え、B群・鉄を意識

  • ストレスや疲労をためない生活を心がける

FAQ

Q1. 検査は何をしますか?

まず視診・問診で経過や使用製品を確認し、必要に応じてパッチテスト真菌鏡検、培養、血液検査で原因を評価します。

Q2. 市販のリップで治りますか?

低刺激のリップやワセリンでの保湿と、舐め癖・摩擦・紫外線などの刺激回避が基本です。改善が乏しければ受診してください。

Q3. いつ受診すべきですか?

白い付着物膿・ただれがある、長引く・繰り返す、強い痛みや出血で支障がある場合は受診を検討します。

Q4. 原因になりやすいものは?

乾燥・寒風・紫外線、舐め癖、化粧品による接触皮膚炎、栄養不良、真菌や細菌、ヘルペスなどが挙げられます。状況に応じて対策を組み合わせます。

監修薬剤師/公衆衛生学修士

畔原 篤 Atsushi Azehara

新潟薬科大学卒業。筑波大学大学院 公衆衛生学学位プログラム修了(修士)
ウエルシア薬局にて在宅医療マネージャーとして従事し、薬剤師教育のほか、医師やケアマネジャーなど多職種との連携支援に注力。在宅医療の現場における実践的な薬学支援体制の構築をリード。2023年より株式会社アスト執行役員に就任。薬剤師業務に加え、管理業務、人材採用、営業企画、経営企画まで幅広い領域を担当し、事業の成長と組織づくりに貢献している。さらに、株式会社Genonの医療チームメンバーとして、オンライン服薬指導の提供とその品質改善にも取り組むとともに、医療・薬学領域のコンテンツ制作において専門的なアドバイスを行っている。経済産業省主催「始動 Next Innovator 2022」採択、Knot Program 2022 最優秀賞を受賞。

執筆者

ヒフメドの編集チームは、皮膚疾患で悩む方に向けて専門的かつ最新の情報を分かりやすく届けることを目指しています。アトピーや皮膚感染症といった疾患の基礎知識から、治療・生活管理の実用的なコツ、最新の治療事情まで幅広くカバー。読者が記事を読むことで「すぐに役立てられる」情報提供を心がけています。