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50代 男性のご相談

頭部白癬【しらくも】ってどんな病気?

医師の回答

頭部白癬は、髪の毛に白癬菌(はくせんきん)というカビ(真菌)が寄生する病気で、一般的に「しらくも」とも呼ばれています。

〜頭に“かさかさ”“かゆみ”“抜け毛”…それ、白癬菌が関係しているかも!?〜
頭部白癬は、髪の毛に白癬菌(はくせんきん)というカビ(真菌)が寄生する病気で、一般的に「しらくも」とも呼ばれています。 
主に白癬菌に感染した自らの足(水虫)や、白癬菌に感染した人や動物などから、皮膚に直接触れることで感染し、フケが大量に出る、
髪の毛が抜けやすくなる、髪の毛が折れやすくなるなどの症状があらわれます。 感染している部位が赤くなることがありますが、
かゆみや痛みなどはあまりみられません。

頭部白癬(とうぶはくせん)は、白癬菌(はくせんきん)というカビが頭皮に感染して起こる皮膚の病気で、一般には「しらくも」と呼ばれます。頭皮に赤み・かさつき・ふけ・かゆみ・脱毛などを引き起こし、見た目が脂漏性皮膚炎や円形脱毛症と似ているため、誤認されやすい点が特徴です。子どもではペットからの感染、大人では足白癬や爪白癬からの自己感染も少なくありません。

病型としては、乾燥やふけが目立つ表層型、毛が短く切れて抜ける小円形型、膿をともなう重症型(ケルスス禿瘡〔とくそう〕)などがあります。いずれも頭皮のかゆみと脱毛を中心とした症状を呈し、円形脱毛症や湿疹と区別が難しい場合があります。

【主な原因】

  • 白癬菌(トリコフィトン属)の感染

  • ペット(猫・犬など)からの人獣共通感染

  • 自己感染(水虫・爪白癬から頭部への波及)

  • 免疫力低下(高齢者・糖尿病・抗がん剤治療中など)

  • 頭皮の湿疹や脂漏性皮膚炎の放置

好発部位は頭皮全体ですが、特に毛の生え際や頭頂部に多く見られます。小児、ペットと接する機会の多い人、自分に水虫や爪白癬がある人、免疫力が低下している人などで発症しやすくなります。

経過としては、初期には軽いかさつきやふけで始まり、進行すると毛が抜けて円形脱毛に似た所見を呈します。悪化すると毛がポキポキ切れる、膿がたまって腫れる、慢性化して瘢痕性脱毛を残すこともあります。乾燥、汗、動物との接触、自己感染が悪化因子となりやすいため、早期に受診して適切な抗真菌治療を行うことが生活の質を守るうえで重要です。

✅ 治療に使われるお薬(保険適用あり)
◆ ①【内服抗真菌薬(基本治療)】
頭部は毛包(毛根)まで菌が入り込むため、外用薬だけでは治癒しません。
✅ 必ず内服治療が必要です。

テルビナフィン ラミシール®錠 1日1回内服(125mg)/12週間程度が目安
イトラコナゾール イトリゾール®カプセル 1日1回内服。

◆ ②【外用抗真菌薬(補助的)】
ルリコナゾール ルリコン®液・クリーム 頭皮病変に塗布(ただし頭髪があると塗布が難しい)
ケトコナゾール含有シャンプー ニゾラール®シャンプーなど(保険外) 頭部全体の清潔保持・再発予防に有効

◆ ③【ステロイド外用薬(炎症が強い場合)】
頭皮に強い炎症・赤み・かゆみ・びらんがあるときには、短期間ステロイド外用薬を併用することもあります(感染が悪化しないよう注意して使用)。

 ◆ 病院で何を調べるの?

  • 問診:頭皮の赤みやふけ、脱毛の様子を確認します。症状の分布や動物との接触歴なども診断の手がかりになります。見た目だけでは脂漏性皮膚炎や円形脱毛症との鑑別が難しい場合があります。

  • 顕微鏡検査(KOH直接鏡検):頭皮のフケや抜け毛を採取し、カビの菌糸や胞子を確認します。比較的短時間で判定可能ですが、採取部位によっては偽陰性に注意が必要です。

  • ウッド灯検査:特殊な紫外線ライトをあて、白癬菌の種類によっては蛍光を発するかを観察します。特に小児の動物由来の菌種で有用です。ただしすべての白癬菌が光るわけではありません。

  • 真菌培養検査:フケや毛を培地に植え、白癬菌の種類を特定します。結果までに1〜3週間ほどかかりますが、再発予防や感染経路把握に役立ちます。

  • 真菌PCR検査:遺伝子を解析して菌種を短期間で同定する方法です。精度が高い一方、施設によっては実施できない場合があります。

  • 必要時の皮膚生検:膿を伴う重症型や診断がつかない例で行われることがあります。局所麻酔で頭皮の一部を切り取り、顕微鏡で観察します。瘢痕のリスクがあるため慎重に適応を判断します。

◇ 頭部白癬と間違えやすい類似疾患

 円形脱毛症

⇒突然円形に髪が抜ける/赤み・かゆみなし 炎症がなく、皮膚はツルツル/真菌検査は陰性

 脂漏性皮膚炎

⇒頭皮にフケ・赤み・かゆみ/びまん性 脱毛は軽度・かゆみが目立つ/真菌は関係ない

 乾癬(かんせん)

⇒厚いフケ状の皮むけ+赤み/頭全体に広がる 炎症が強く、膿疱が出ることも/爪や肘にも症状

 アトピー性皮膚炎

⇒頭皮にもかゆい湿疹が出ることあり 幼少期からの既往・左右対称/カビはなし

 シラミ症(アタマジラミ)

⇒強いかゆみ/虫や卵が髪に付着 フケではなく卵が髪の根元に/虫の確認で診断

 膿皮症(ケルスス禿瘡)

⇒頭皮が腫れて膿をもつ/発熱を伴うことも 急性+強い炎症/重症時は白癬菌感染の一型

 頭皮の皮膚腫瘍(良性・悪性)

⇒しこり・脱毛を伴うことも 進行性・単発/診断に皮膚生検が必要なことも

予防のポイント
ペットの皮膚に脱毛やかさつきがないか定期的にチェックする
家族に水虫や爪白癬があれば同時に治療を行う
帽子や枕カバー、タオルの共有を避ける
使用したブラシや枕はこまめに洗濯・消毒する
頭皮を清潔に保ち、低刺激のシャンプーでやさしく洗う
十分な保湿と紫外線対策で頭皮環境を整える
掻かずに症状を抑えるため、早めに抗真菌薬を使用する
睡眠や食生活を整え、免疫力の低下を防ぐ

<参考資料>

新潟薬科大学卒業。筑波大学大学院 公衆衛生学学位プログラム修了(修士)
ウエルシア薬局にて在宅医療マネージャーとして従事し、薬剤師教育のほか、医師やケアマネジャーなど多職種との連携支援に注力。在宅医療の現場における実践的な薬学支援体制の構築をリード。2023年より株式会社アスト執行役員に就任。薬剤師業務に加え、管理業務、人材採用、営業企画、経営企画まで幅広い領域を担当し、事業の成長と組織づくりに貢献している。さらに、株式会社Genonの医療チームメンバーとして、オンライン服薬指導の提供とその品質改善にも取り組むとともに、医療・薬学領域のコンテンツ制作において専門的なアドバイスを行っている。経済産業省主催「始動 Next Innovator 2022」採択、Knot Program 2022 最優秀賞を受賞。

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