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50代 女性のご相談

軟性線維腫(アクロコルドン、スキンタッグ)ってどんな病気?

医師の回答

軟性線維腫は、首やわきの下などにみられる良性のイボ状の突起物 です。

〜首元やわきにポツポツ…。それ、“スキンタッグ”かも!?〜
軟性線維腫は、首やわきの下などにみられる良性のイボ状の突起物 です。 
原因は不明ですが、加齢、紫外線、衣服やアクセサリーとの摩擦などと関連があると考えられています。
大きさは1~3mm程度で、盛り上がってみえます。少しずつ大きくなっていき、皮膚にぶら下がったような
形状に変化する場合もあり、大きくなると摩擦で痛くなる場合があります。
30歳以降の女性や肥満の方に多くみられます。

軟性線維腫(なんせいせんいしゅ)とは、皮膚の一部がやわらかく盛り上がって生じる良性の腫瘍(いぼ)の総称です。「アクロコルドン」や「スキンタッグ」とも呼ばれ、首・わきの下・胸元・まぶた・太ももの付け根など、皮膚がこすれやすい部位に多く見られます。大きさは1〜5mm程度の小さな突起で、肌色からやや茶色を呈し、根元が細くぶら下がる形になることもあります。良性で命に関わることはありませんが、数が増えたり衣類やアクセサリーに引っかかって痛み・出血を伴う場合があります。

たとえば、首やわきの小型の突起は典型的な軟性線維腫であり、胸元やまぶたにも出やすく、脂漏性角化症(老人性いぼ)やウイルス性いぼと似るため、鑑別が必要になることがあります。

【主な原因】

  • 加齢による皮膚の変化

  • 肥満による皮膚同士の摩擦

  • 妊娠・更年期などのホルモン変化

  • 遺伝的な体質

  • ネックレスや下着などによる慢性的な刺激

好発部位は首やわき、胸元、まぶた、鼠径部などの摩擦を受けやすい場所です。中年以降の女性に多く、肥満や糖尿病を有する方、妊娠や更年期でホルモン変化がある方、家族に同様の皮膚変化がある方にも出やすい傾向があります。

経過としては、初めは小さな突起が数個みられる程度ですが、徐々に数や大きさが増えることがあります。摩擦や引っかきで炎症や出血を伴うことがあり、放置すると鑑別困難な皮膚腫瘍と見分けにくくなる場合もあります。乾燥や摩擦などが悪化因子となりやすく、早期に受診・処置を行うことで見た目の不快感や日常生活の支障を減らすことができます。

✅ 治療の基本
❗ 軟性線維腫に対して「薬による治療」は基本的にありません。
治療は 物理的な除去(切除や焼灼) が中心です。

◆ ①【治療方法一覧】
ハサミでの切除(剪除) 小さいものは麻酔なしで切除可 出血少/その場で除去できる
電気焼灼(高周波メス) 焼いて止血しながら除去 痛み・赤みが一時的に出ることあり
炭酸ガスレーザー(CO₂レーザー) 見た目重視・跡を最小限にしたい方に 美容目的では保険適用外になることも
液体窒素(凍結療法) 通常は適応外(効果が不十分/変色のリスク) いぼ(尋常性疣贅)とは異なるため注意

◆ ②【使用されるお薬(補助的)】
局所麻酔薬(リドカインなど) 痛みを抑える目的で切除前に使用
抗生物質軟膏(ゲンタシン®など) 切除後の感染予防に塗布
ステロイド外用薬(まれ) 術後の炎症が強いときに短期間使用されることも
保湿剤 術後の乾燥防止に(ヒルドイドなど)
睡眠導入薬(必要時):痛みで眠れない場合に一時的使用

 ◆ 病院で何を調べるの?

  • 視診・触診:色調や形態、柔らかさを確認し、典型的なスキンタッグかどうかを判断します。老人性いぼやウイルス性いぼとの鑑別に有用です。
  • ダーモスコピー(皮膚鏡検査):皮膚鏡で拡大して内部構造を観察し、血管の走行や表面パターンを確認します。悪性腫瘍との見分けにも役立ちます。
  • 皮膚生検:見た目で鑑別が難しい場合に行われます。局所麻酔下で一部を採取し、病理検査で線維や血管の構造を確認します。数日後に結果が判明します。
  • 血液検査:直接的な診断には用いませんが、糖尿病や内分泌異常などの背景因子を調べる目的で行う場合があります。治療選択や生活指導の参考になります。
  • 鑑別のための真菌鏡検KOH:白癬やその他の感染症が疑われる場合に実施します。皮膚片を採取して顕微鏡で真菌の有無を確認し、誤診を避けます。

🔍 軟性線維腫と間違えやすい疾患(類似疾患)

尋常性疣贅(いぼ)
⇒ ウイルス性の硬いいぼ/手や足に多い 表面がざらざら/押すと痛い/黒い点(毛細血管)がある

脂漏性角化症(老人性いぼ)
⇒ 茶色くてかたい盛り上がり/中高年に多い やや大きめ・表面がカサカサ/色が濃いことも

軟線維腫(大きめタイプ)
⇒ スキンタッグより大きく伸びてぶら下がる 数cm〜のサイズも/やわらかく垂れ下がる

血管腫(ルビー斑)
⇒ 赤い小さなできもの/出血しやすい 色が赤~紫/血管が原因/圧迫しても消えない

基底細胞癌(皮膚がん)
⇒ 表面が光沢・かさぶた/出血を繰り返す 急に大きくなる/光沢+中央にくぼみ/要生検

伝染性軟属腫(みずいぼ)
⇒ 子どもに多い/つるんとした小さなふくらみ 表面が滑らか・中心がくぼむ/ウイルス性/多発する

色素性母斑(ほくろ)
⇒ 小さい黒〜茶のしみ・隆起 境界がはっきり/成長に伴って変化することあり

予防のポイント
低刺激の石けんでやさしく洗う
入浴後は保湿剤を塗って乾燥を防ぐ
首やわきに摩擦を起こす服やアクセサリーを避ける
肥満予防のために体重管理を心がける
糖尿病やホルモンバランスの管理を行う
かゆみや違和感があっても自分で無理に切除しない
気になる突起が増えたら早めに皮膚科を受診する

<参考資料>

新潟薬科大学卒業。筑波大学大学院 公衆衛生学学位プログラム修了(修士)
ウエルシア薬局にて在宅医療マネージャーとして従事し、薬剤師教育のほか、医師やケアマネジャーなど多職種との連携支援に注力。在宅医療の現場における実践的な薬学支援体制の構築をリード。2023年より株式会社アスト執行役員に就任。薬剤師業務に加え、管理業務、人材採用、営業企画、経営企画まで幅広い領域を担当し、事業の成長と組織づくりに貢献している。さらに、株式会社Genonの医療チームメンバーとして、オンライン服薬指導の提供とその品質改善にも取り組むとともに、医療・薬学領域のコンテンツ制作において専門的なアドバイスを行っている。経済産業省主催「始動 Next Innovator 2022」採択、Knot Program 2022 最優秀賞を受賞。

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