
40代 男性のご相談
尖圭コンジローマってどんな病気?

医師の回答
尖圭コンジローマは、性感染症の一種です。 主な原因は、陰部におけるヒトパピローマウイルス(6型、11型)の感染によるもので、性行為によってうつります。
〜性器まわりにできる、小さなイボ…もしかしてHPVのしわざかも!?〜 尖圭コンジローマは、性感染症の一種です。
主な原因は、陰部におけるヒトパピローマウイルス(6型、11型)の感染によるもので、性行為によってうつります。
ウイルスに感染してから症状があらわれるまでの期間は2~3ヵ月です。鶏のとさかのような紅色~褐色の「いぼ」が、
性器や肛門の周りなどにあらわれます。表面が盛り上がり悪臭を伴う場合があります。
尖圭コンジローマとは、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染によって性器や肛門まわりに小さなイボを生じる性感染症の総称です。感染後は数週間から数か月の潜伏期間を経て、やわらかい突起が出現し、放置すると数が増えたり広がることがあります。多くは痛みがありませんが、かゆみや軽い出血、違和感を伴うこともあります。
たとえば男性では陰茎や陰嚢、尿道口まわり、女性では外陰部や膣口、肛門まわりや子宮頸部に発生します。肛門周囲や口腔内に出現することもあります。外見は単発の小さな隆起から、集合してカリフラワー状になるタイプまでさまざまです。
【主な原因】
HPV6型や11型への感染が主因
性交・オーラル・アナルセックスによる皮膚・粘膜接触
パートナーが無症状でもウイルスを保持している場合
まれにタオルなどを介した間接的感染の可能性
好発部位は性器・肛門まわりで、男女ともに性経験のある人にみられます。複数のパートナーとの性交渉や、免疫力の低下(風邪、疲労、妊娠など)によって発症しやすく、妊婦では出産時に新生児へ感染が及ぶリスクがあります。
経過としては、最初は目立たない小さな突起が、掻破や摩擦などで増殖しやすくなり、広がると治療が難しくなることがあります。再発を繰り返す傾向があり、慢性化すると生活の質を損ねます。早期に皮膚科や婦人科で治療することで、拡大やパートナーへの感染リスクを抑えることができます。

✅ 尖圭コンジローマの治療薬・処置法
❗ HPVウイルスを完全に除去する治療薬は存在せず、イボ(病変)そのものの除去が治療の中心です。
◆ ①【外用薬(セルフ塗布)】
イミキモド外用薬 ベセルナクリーム 5% 週3回就寝前に塗布 → 翌朝洗浄(最大16週)
免疫応答を高めてウイルスに対抗する外用薬
自己塗布可能・保険適用あり
※副作用 赤み、びらん、かゆみ、刺激感など。ひどい場合は休薬で対応
◆ ②【局所治療(医師による処置)】
冷凍凝固療法 液体窒素で患部を凍結壊死 比較的簡便。繰り返し必要なことが多い
電気焼灼(高周波) 局所麻酔下で焼灼・除去 痛みはあるが即効性が高い
炭酸ガスレーザー レーザーで焼灼・蒸散 専門施設に限るが整容性が高い
外科的切除 切除縫合または自然閉鎖 大きな病変や再発例で検討される
◆ ③【その他の治療・補助薬】
抗炎症薬・鎮痛薬 アセトアミノフェンなど 処置後の痛みが強い場合に
抗菌薬 二次感染がある場合に使用 イボがびらん化・化膿した際など
免疫調整薬(試験的) シメチジン内服など(根拠は限定的) 通常治療には含まれないが試みられることあり
◆ 病院で何を調べるの?
- 視診・触診:皮膚科医が大きさや硬さ、動きやすさを確認し、脂肪腫や粉瘤など他の腫瘍との鑑別を行います。外見や触感だけでもある程度の診断が可能です。
- 超音波検査(エコー):皮下腫瘍の内部構造を確認し、石灰化の有無や大きさを把握します。痛みがなく短時間で実施できる検査です。
- X線検査:しこりの内部にカルシウムが沈着している場合、白く写ることで特徴的な所見が得られます。特に硬い腫瘤が疑われるときに有用です。
- 皮膚生検・切除後病理検査:局所麻酔下で腫瘍を部分的に、あるいは全体を切除し、顕微鏡で確認します。良性か悪性かを確定する唯一の方法であり、診断と治療を兼ねることもあります。
- 細菌培養検査:腫瘍に炎症や膿がみられる場合に行い、細菌感染の有無や菌種を確認します。抗菌薬の選択に役立ちます。
🔍 尖圭コンジローマと間違えやすい病気(類似疾患)
性器ヘルペス
⇒水ぶくれ→びらん/ピリピリ痛み強め 水ぶくれあり/痛み+発熱・再発あり
フォアダイス斑(皮脂腺過形成)
⇒陰茎・小陰唇などに見られる白っぽい粒状の斑点 正常な皮膚変化で無害/痛み・かゆみなし
伝染性軟属腫(みずいぼ)
⇒中心がくぼんだつるんとしたいぼ/子どもに多い 皮膚色でやわらかい/性器以外にも出る
毛嚢炎(せつ・よう)
⇒毛穴に沿って赤く腫れる/膿が出る 細菌性/押すと痛い・膿がある/毛穴中心に出る
梅毒(硬性下疳・扁平コンジローマ)
⇒潰瘍・ただれ/または平べったいイボ状(第2期) 無痛のしこり・リンパ節腫大あり/梅毒血液検査で診断
基底細胞癌・ボーエン病などの皮膚がん
⇒盛り上がる赤い病変/じくじく出血あり 長期続く/急激に拡大・治らない・色が濃いものは要注意
皮膚の色素性母斑(ほくろ)や軟性線維腫
⇒生まれつき or 加齢に伴う隆起/やわらかい 増殖スピードが遅い/ウイルス感染ではない
予防のポイント
気になるしこりは放置せず早めに皮膚科を受診する
不要な刺激や自己処置(つぶす・押す)を避ける
衣服やアクセサリーで繰り返し摩擦を与えないようにする
全身のスキンケアで乾燥や炎症を防ぐ
小さな外傷や虫刺されの後は清潔を保つ
手術後は医師の指示どおり創部を管理する
定期的に自己観察し、サイズや色の変化に注意する
<参考資料>
新潟薬科大学卒業。筑波大学大学院 公衆衛生学学位プログラム修了(修士)
ウエルシア薬局にて在宅医療マネージャーとして従事し、薬剤師教育のほか、医師やケアマネジャーなど多職種との連携支援に注力。在宅医療の現場における実践的な薬学支援体制の構築をリード。2023年より株式会社アスト執行役員に就任。薬剤師業務に加え、管理業務、人材採用、営業企画、経営企画まで幅広い領域を担当し、事業の成長と組織づくりに貢献している。さらに、株式会社Genonの医療チームメンバーとして、オンライン服薬指導の提供とその品質改善にも取り組むとともに、医療・薬学領域のコンテンツ制作において専門的なアドバイスを行っている。経済産業省主催「始動 Next Innovator 2022」採択、Knot Program 2022 最優秀賞を受賞。
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