
70代 女性のご相談
老人性白斑ってどんな病気?

医師の回答
老人性白斑は、皮膚に点状で白色の斑点がみられる病気です。

〜ポツポツと広がる白いしみ、加齢による自然な変化です〜 老人性白斑は、メラニン色素を作り出す色素細胞(メラノサイト)の機能が低下することで、メラニン色素が減少し、皮膚の色が白く抜けてしまいます。 手足やからだなどに、直径3~4 mm程度の境界明瞭な白色の斑点があらわれ、加齢とともに増加しますが、自覚症状はありません。 高齢者に多くみられます。
老人性白斑(ろうじんせいはくはん)とは、加齢や紫外線の影響により、皮膚に小さな白い斑点が現れる良性の皮膚変化です。数ミリから1センチ程度の円形〜楕円形の白斑が腕やすね、手の甲などに出やすく、痛みやかゆみなどの自覚症状はありません。日焼けをしてもその部分は色がつかず、白く目立つのが特徴です。健康上の問題はなく、がん化することもありませんが、美容的に気になる方が受診されることがあります。
たとえば、腕や手の甲、すねなど日光の影響を受けやすい部位に多くみられます。皮膚の老化現象のひとつであり、老人性色素斑(しみ)と反対に「白く抜ける」タイプの変化と考えられています。
【主な原因】
加齢によるメラノサイト(色素細胞)の減少や機能低下
長年にわたる紫外線曝露によるメラニン生成の低下
遺伝的な体質が関与する場合もある
ストレスや疲労による免疫低下での再発誘発
好発部位は腕、手の甲、すね、足など日光をよく浴びる部位であり、加齢に伴って数が増える傾向があります。アトピー性皮膚炎や乾燥肌などでバリア機能が低下している人では、白斑が目立ちやすくなることがあります。
経過としては、初期に数個の白斑が現れ、年齢とともに徐々に増えるのが一般的です。悪化因子として紫外線曝露や乾燥が挙げられます。痒みや痛みを伴わないため放置されがちですが、他の皮膚疾患(尋常性白斑など)との鑑別が必要な場合もあります。早期に受診し適切な診断を受けることで、不安の軽減やケアの方向性を確認することができます。
✅ 治療法
良性・無症状・自然消退しないが、治療の必要は基本的にない。
ただし、美容的理由で希望があれば治療の検討も可能です。
◆ 一般的な治療方針
方法 説明
基本的に治療不要 病的意義はなし/転移・悪性化もない
紫外線対策 進行予防のため、日焼け止め・長袖などで光老化を防止
化粧品カバー 白斑部をコンシーラーやファンデーションで隠すことも可能
保湿スキンケア 色素回復は期待できないが、皮膚のバリア維持に役立つ
◆ 希望があれば検討される治療
方法 内容
エキシマライト(紫外線療法) 一部の例で色素回復を試みる治療法だが、効果は限定的/保険適用外
レーザー(炭酸ガス・フラクショナルなど) 表皮刺激による色素沈着促進を狙うが、効果不確実/色素沈着・白斑悪化のリスクあり
◆ 病院で何を調べるの?
視診・問診:斑点の大きさや数、分布、経過を確認し、他の疾患との違いを判断します。日焼けや既往歴も参考にして総合的に診断します。
ダーモスコピー(皮膚鏡検査):皮膚表面を拡大して観察し、白斑の境界や毛細血管の変化を詳細に確認します。色素性疾患や皮膚がんとの鑑別に有用です。
ウッド灯検査:特殊な紫外線を当てることで、白斑部分がより明確に浮かび上がり、尋常性白斑などとの鑑別に役立ちます。外来で簡便に行えます。
血液検査:自己免疫疾患や甲状腺機能異常など、白斑を伴う全身性の疾患が疑われる場合に行います。必要に応じて炎症や自己抗体の有無を調べます。
- 皮膚生検:診断が難しい場合に皮膚の一部を採取し、顕微鏡で組織学的に観察します。メラノサイトの有無や炎症の程度を確認できます。瘢痕が残る可能性があるため慎重に行われます。
🔍 老人性白斑と間違えやすい病気(類似疾患)
尋常性白斑(白なまず)
⇒自己免疫による色素脱失/左右対称が多い 境界がクッキリ/顔・手・目の周囲などにも/年齢に関係なく出現白癬(皮ふカビ)による色素脱失
⇒カビが原因で白くなる/周囲に赤みやかゆみあり かゆみ・ふちが赤く盛り上がる/抗真菌薬で改善炎症後白斑(やけど・湿疹の跡)
⇒皮ふ炎ややけどの治った後に色素が抜ける もとの皮膚病の痕がある/やけど歴などが手がかり汗疱・乾癬の落屑部にできる白斑
⇒皮むけのあとに白く見えることがある 一時的な変化/角質の状態で判断白色粃糠疹(しろいふけのような湿疹)
⇒子どもに多い白っぽい乾燥斑/軽いかゆみあり 若年層に多い/かさつきあり/ステロイドで改善することも
予防のポイント 日焼け止めを毎日使用する 帽子や長袖などで紫外線を避ける 皮膚をこすらずやさしく洗う 保湿剤を用いて乾燥を防ぐ 規則正しい睡眠で皮膚の再生を整える バランスのよい食事を心がける 不安を感じたら早めに皮膚科を受診する
<参考資料>
新潟薬科大学卒業。筑波大学大学院 公衆衛生学学位プログラム修了(修士)
ウエルシア薬局にて在宅医療マネージャーとして従事し、薬剤師教育のほか、医師やケアマネジャーなど多職種との連携支援に注力。在宅医療の現場における実践的な薬学支援体制の構築をリード。2023年より株式会社アスト執行役員に就任。薬剤師業務に加え、管理業務、人材採用、営業企画、経営企画まで幅広い領域を担当し、事業の成長と組織づくりに貢献している。さらに、株式会社Genonの医療チームメンバーとして、オンライン服薬指導の提供とその品質改善にも取り組むとともに、医療・薬学領域のコンテンツ制作において専門的なアドバイスを行っている。経済産業省主催「始動 Next Innovator 2022」採択、Knot Program 2022 最優秀賞を受賞。
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