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30代 男性のご相談

円形脱毛症ってどんな病気?
症状チェックと対処法を皮膚科医が解説

⚠️まずは緊急度をチェック

◻︎ 脱毛が短期間で広がっている/多発している
◻︎ まゆ毛・まつ毛・体毛まで薄くなってきた(汎発傾向)
◻︎ 脱毛部に赤み・かさぶた・かゆみがある(頭部白癬の可能性)
◻︎ 子どもに突然の脱毛が出た/再発を繰り返している

▶︎ 1つでも当てはまれば受診/オンライン相談

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医師の回答

円形脱毛症は、ある日突然、髪の毛が円形や楕円形にごっそり抜け落ちる脱毛症です。かゆみや痛みがないまま、鏡を見て気づいたり、他人から指摘されて初めて発見されることが多く、大人だけでなく子どもや学生にも見られる疾患です。

突然できた“髪の丸いハゲ”…
それ、病気かもしれません

円形脱毛症は、一部の皮膚範囲において頭髪や体毛がくっきりつるつるに抜ける完全脱毛となる病気です。原因は遺伝的な要因やストレスなどによる免疫の異常により毛を産生する組織が攻撃されるためと考えられています。かゆみや痛みなどを引き起こすことは少なく、毛が突然抜けます。また、円形脱毛症では爪にでこぼこができることがあります。アトピー性皮膚炎や甲状腺の病気などを合併することがあります。 若年者に多くみられます。

T.Gさん

部活の後、友だちに指摘されて側頭部の丸い抜け毛に気づきました。痛みやかゆみはなく、数週間で少し広がった気がして不安に。ネットで調べても情報が多くて迷い、まずは専門医で原因を確かめたいと思いました。

オンラインで相談し、典型的な円形脱毛症と説明を受けました。似た病気との違いや治療の選択肢、日常で避けること(強い洗髪や刺激)を教わり、方針が明確に。自己判断せず相談したのが良かったと感じています。

30秒セルフチェック/診断チャート

01

症状の出方・強さ

円形または楕円形にまとまって髪が抜けている

痛みやかゆみは目立たないことが多い

1か所だけでなく複数・広がりがあることも

02

経過・持続

ある日突然気づくことが多い

再発を繰り返すことがある

03

随伴症状・背景

まゆ毛・まつ毛・体毛まで薄くなる場合がある

赤み・かさぶた・かゆみがあれば頭部白癬などを考える

ストレス、睡眠不足、アレルギー体質、家族歴が誘因になり得る

結論

該当が多い:要受診
該当が少ない:迷う場合も早めに相談

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円形脱毛症とは?

脱毛は頭部に1か所のみ生じることもあれば、複数の脱毛斑が出る「多発型」、頭部全体の毛が抜け落ちる「全頭型」、まゆ毛・まつ毛・体毛まで抜ける「汎発型」など、重症度によって様々なタイプに分類されます。

原因は完全には解明されていませんが、近年では自己免疫反応が主な要因とされており、免疫が本来攻撃すべき外敵ではなく、自身の毛根を誤って攻撃することで脱毛が生じると考えられています。この免疫異常に加え、精神的・身体的ストレス、睡眠不足、ホルモンバランスの乱れ、薬剤、アレルギー体質、そして家族内に同様の病歴があること(遺伝的素因)なども発症の誘因になりうるとされています。

年齢・性別にかかわらず誰でも発症する可能性があり、特にストレスや疲労がたまりやすい人、花粉症やアトピーなどアレルギー体質を持つ人では、注意が必要です。軽度の円形脱毛症であれば自然に治ることもありますが、再発を繰り返したり、脱毛が広がっていく場合は、できるだけ早い段階で治療を始めることが大切です。

治療にはステロイドの塗り薬や局所注射、SADBEやDPCPなどを用いた局所免疫療法、紫外線を使った光線治療、内服薬(抗アレルギー薬やJAK阻害薬)などがあり、症状の範囲や重症度によって組み合わせて行います。JAK阻害薬(例:オルミエント、リットフーロ)は、近年日本でも承認され、特に重症型に対する新しい選択肢として注目されています。小範囲の脱毛にはステロイドの局所注射が有効ですが、皮膚の菲薄化など副作用の管理が必要なため、専門医のもとで行うことが望まれます。

応急処置(今日できること)

  • 頭皮をこすり過ぎない・強い洗髪や過度なパーマ・カラーを避ける

  • 生活整え:十分な睡眠、栄養バランス、ストレス過多を避ける

  • 外見不安にはウィッグや帽子の活用も検討

  • 進行・再発・広範囲化があれば医師に相談

一般的な円形脱毛症治療

① 【外用薬(塗り薬)】
ステロイド外用薬(炎症・免疫抑制)
・デルモベートスカルプローション
・アンテベートローション
・フルメタローション など
※小児では強さに注意して使用します。

局所免疫療法(難治性例に)
・SADBE(ジフェンシプロン)
・DPCP など
※かぶれを人工的に起こして免疫をリセットする方法。皮膚科専門施設で実施。

② 【内服薬】
ステロイド内服(急速に進行する重症例などに短期)
プレドニゾロン ※副作用管理が必要

抗アレルギー薬(かゆみがある場合に補助的に)
アレグラ、アレロックなど

JAK阻害薬(新しい治療選択肢/重症例向け)
・オルミエント(バリシチニブ)
・リットフーロ(リトレシチニブ) ← 2024年に日本でも承認
※特に広範囲型・難治性の円形脱毛症に有望とされます(保険適用)。

③ 【注射療法】
ステロイド局所注射(皮内注射)
トリアムシノロン注射などを患部に直接注射:数ミリ〜数センチの脱毛斑に対して効果的
※皮膚が薄くなる副作用に注意しつつ、専門医で行います。

④ 【その他の治療】
・冷却療法(クライオセラピー)
・紫外線療法(ナローバンドUVB)
・カツラ・ウィッグ・頭皮ケア指導
・心因性への配慮(ストレス管理)

「円形脱毛症」と似ている症状の病気(鑑別疾患)

頭部白癬(とうぶはくせん)

カビ(白癬菌)が原因で起こる脱毛 かさぶた・赤み・かゆみあり/KOH検査で判明

牽引性脱毛症

髪を強く結んでいたことで起きる 生え際に多く/自然な円形ではないことが多い

抜毛症(ばつもうしょう)

自分で髪を無意識に引っ張るクセによる脱毛 髪の長さが不揃い/精神的背景を伴うことも

薬剤性脱毛

抗がん剤などの副作用で毛が抜ける 全体的に抜ける/内服歴の確認が重要

男性型脱毛症(AGA)

思春期以降、ゆっくり進行する薄毛 前頭部や頭頂部から徐々に/丸くは抜けない

脂漏性皮膚炎

頭皮に炎症・フケが出て毛が抜けることも かゆみ・赤みあり/脱毛は不規則

円形脱毛症の特徴をチェック!

◻︎ 脱毛が短期間で広がっている/多発している
◻︎ まゆ毛・まつ毛・体毛まで薄くなってきた(汎発傾向)
◻︎ 脱毛部に赤み・かさぶた・かゆみがある(頭部白癬の可能性)
◻︎ 子どもに突然の脱毛が出た/再発を繰り返している

▶︎ これらに当てはまれば、「円形脱毛症」や関連する疾患の可能性があります

⚠️緊急度をチェック!

◻︎ 脱毛が短期間で広がる/多発している
◻︎ まゆ毛・まつ毛・体毛まで薄くなってきた
◻︎ 赤み・かさぶた・かゆみがある
◻︎ 子どもに突然の脱毛が見られた
 

▶︎ 1つでも当てはまれば受診/オンライン相談を

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受診の目安(タイムライン)

当日〜翌日:脱毛が急速に拡大、全頭・汎発の疑い、まゆ毛・体毛まで及ぶ

早めに受診:多発・再発を繰り返す、子どもに発症、赤み・かさぶた・かゆみがあり頭部白癬が疑われる

様子見可:小範囲で軽症、進行がない

予防のポイント

  • 強い洗髪・頭皮刺激・過度なパーマやカラーを避ける

  • 睡眠・食事・ストレス管理を整える

  • 外見不安にはウィッグや帽子の活用を検討

  • 予防・セルフケアは個人差が大きいため、次回受診時に医師へ相談し指示に従ってください。

FAQ

Q1. 検査は何をしますか?

毛根の状態は ダーモスコピー で観察し、必要に応じて 真菌検査 や血液検査を行います。自己判断は避け、専門医で評価しましょう。

Q2. うつりますか?

円形脱毛症は 感染症ではありません。登校・出勤は可能です。赤み・かさぶた・かゆみがあるときは 頭部白癬を鑑別 します。

Q3. どんな治療がありますか?

症状の範囲と重症度に応じて、ステロイド外用・局所注射・局所免疫療法・光線療法、内服(必要時)を組み合わせます。重症例では JAK阻害薬 も選択肢です。

Q4. 生活で気をつけることは?

頭皮への強い刺激を避け、睡眠とストレス管理 を重視します。過度なパーマやカラーは控え、必要に応じてウィッグ等で外見の不安を和らげます。

Q5. 子どもに出た場合は?

小児でも発症します。小児は外用の強さに注意 しつつ、拡大や多発があれば早めに受診してください。

監修薬剤師/公衆衛生学修士

畔原 篤 Atsushi Azehara

新潟薬科大学卒業。筑波大学大学院 公衆衛生学学位プログラム修了(修士)
ウエルシア薬局にて在宅医療マネージャーとして従事し、薬剤師教育のほか、医師やケアマネジャーなど多職種との連携支援に注力。在宅医療の現場における実践的な薬学支援体制の構築をリード。2023年より株式会社アスト執行役員に就任。薬剤師業務に加え、管理業務、人材採用、営業企画、経営企画まで幅広い領域を担当し、事業の成長と組織づくりに貢献している。さらに、株式会社Genonの医療チームメンバーとして、オンライン服薬指導の提供とその品質改善にも取り組むとともに、医療・薬学領域のコンテンツ制作において専門的なアドバイスを行っている。経済産業省主催「始動 Next Innovator 2022」採択、Knot Program 2022 最優秀賞を受賞。

執筆者

ヒフメドの編集チームは、皮膚疾患で悩む方に向けて専門的かつ最新の情報を分かりやすく届けることを目指しています。アトピーや皮膚感染症といった疾患の基礎知識から、治療・生活管理の実用的なコツ、最新の治療事情まで幅広くカバー。読者が記事を読むことで「すぐに役立てられる」情報提供を心がけています。