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50代 男性のご相談

老人性血管腫ってどんな病気?

医師の回答

老人性血管腫は、血管が異常増殖することによってできる良性の腫瘍です。

〜赤くて小さいポツポツ、実はよくある良性の血管の変化です〜
老人性血管腫は、血管が異常増殖することによってできる良性の腫瘍です。
光沢があり、点状で紅色のブツブツしたもの[丘疹(きゅうしん)]が、からだに多くみられます。
20歳代からみられ、加齢とともに増加します。

老人性血管腫(ろうじんせいけっかんしゅ)とは、皮膚に小さな赤色や紫色の点状のふくらみが現れる良性の血管性腫瘍(できもの)の総称です。正式には「チェリー血管腫」と呼ばれ、数ミリ程度の大きさで平らなものから少し盛り上がるものまであります。多くは胸や腹、背中、腕などの体幹部にでき、30〜40代以降に徐々に増えていく傾向がみられます。基本的に痛みやかゆみなどの自覚症状はなく、日常生活に支障をきたすことは少ないとされています。

たとえば、体幹に出やすい小型の点状の血管腫や、やや盛り上がった赤紫色の結節などがあります。まれに衣服に引っかかって出血することもありますが、ほとんどは治療不要で良性の変化にとどまります。鑑別としてはほくろや他の皮膚腫瘍との区別が必要な場合もあります。

【主な原因】

  • 加齢に伴う皮膚の毛細血管の増殖

  • 紫外線による皮膚老化の影響

  • 遺伝的な体質の関与

  • ホルモンや一部の内服薬の影響が関係する場合

好発部位は胸やお腹、背中などの体幹部で、腕や肩にもみられることがあります。年齢とともに発症が増加し、中高年以降に多発する傾向があります。男女差は大きくなく、家族内に多い場合も報告されています。

経過としては、初期には小さな赤点として現れ、徐々に数や大きさが増すことがあります。摩擦や外傷によって出血しやすくなることもあり、慢性化するとやや色調が濃くなることがあります。紫外線や皮膚老化が悪化因子となりやすく、「急に増えた」「出血した」「形が不整になった」場合は、他の疾患との鑑別のため皮膚科受診が推奨されます。早期に確認することで不要な不安を避けられ、適切な治療方針を選びやすくなります。

✅ 治療法

通常は 治療不要。
ただし、美容目的・出血しやすい・目立つ部位にある場合は除去可能。

◆ 治療の選択肢
方法        内容・備考

炭酸ガスレーザー(CO₂レーザー)        血管腫を蒸散して除去/跡が残りにくい/自費治療が多い
色素レーザー(Vビーム®など)        小さな病変に適応/赤みを選択的に除去/痛みやダウンタイム少ない
電気焼灼(高周波)        処置後かさぶたになり、1~2週間で自然脱落
冷凍凝固(液体窒素)        保険適用あり/水ぶくれ→かさぶた→自然剥離(色素沈着の可能性あり)
外科的切除        大きな病変/繰り返し出血する部位などに稀に選択される

 

 ◆ 病院で何を調べるの?

  • 視診・触診:皮膚科医が赤色の小結節を肉眼で確認し、大きさ・色調・数を観察します。基本的には診断可能ですが、他の腫瘍との鑑別が必要な場合があります。

  • ダーモスコピー(皮膚鏡検査):拡大鏡を用いて血管構造や表面の特徴を詳細に観察します。チェリー血管腫では特有の赤い小斑点状の像が見られ、診断補助となります。

  • 皮膚生検:出血や形態の異常がある場合に組織を採取し、顕微鏡で確認します。局所麻酔下で行い、数日後に病理診断が得られます。小さな瘢痕を残す可能性があります。

  • 血液検査:一般には不要ですが、急激に多発した場合に内科的背景(ホルモン異常や薬剤影響など)を調べる目的で行われることがあります。炎症や腫瘍マーカーを併せて確認することもあります。

  • 他の皮膚腫瘍との鑑別検査:悪性黒色腫や血管肉腫などが疑われる場合には、追加の画像検査や病理診断が必要になることがあります。これはまれですが安全のため重要です。

🔍 老人性血管腫と間違えやすい疾患(類似疾患)

血管拡張性母斑(赤アザ)
⇒ 生まれつきの赤いあざ/広範囲に広がる 出生時からあり、色が均一で平らなことが多い

血管肉腫(皮膚のがん)
⇒ 高齢者の頭や顔にできやすい悪性腫瘍 急激に大きくなり、出血・ただれが目立つ/生検が必要

基底細胞癌
⇒ 黒っぽく光沢のある皮膚がん 色が黒に近く、盛り上がり/かさぶたが取れにくい

色素性母斑(ホクロ)
⇒ 茶色〜黒色の小さな盛り上がり 色が赤ではなく、出血しにくい/形が左右対称なら良性が多い

出血斑・紫斑
⇒ 血がにじんだような赤紫色の斑点 数日〜1週間で自然に消える/加齢や内出血が原因のことも

被角血管腫
⇒ 盛り上がり+かさぶた状の表面 ケガに似た見た目/高齢者に多い/経過で区別が必要

予防のポイント
紫外線を避けるため日焼け止めを使用する
長時間の直射日光を控える
肌を強くこすらない
衣類で繰り返し擦れる部位を保護する
皮膚を乾燥させないよう保湿を心がける
出血しやすい場合は自己処置を避け医師に相談する
急な増加や形の変化を見たら早めに皮膚科を受診する

<参考資料>

新潟薬科大学卒業。筑波大学大学院 公衆衛生学学位プログラム修了(修士)
ウエルシア薬局にて在宅医療マネージャーとして従事し、薬剤師教育のほか、医師やケアマネジャーなど多職種との連携支援に注力。在宅医療の現場における実践的な薬学支援体制の構築をリード。2023年より株式会社アスト執行役員に就任。薬剤師業務に加え、管理業務、人材採用、営業企画、経営企画まで幅広い領域を担当し、事業の成長と組織づくりに貢献している。さらに、株式会社Genonの医療チームメンバーとして、オンライン服薬指導の提供とその品質改善にも取り組むとともに、医療・薬学領域のコンテンツ制作において専門的なアドバイスを行っている。経済産業省主催「始動 Next Innovator 2022」採択、Knot Program 2022 最優秀賞を受賞。

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