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10代 男性のご相談

アトピー性皮膚炎ってどんな病気?
症状チェックと対処法を皮膚科医が解説

⚠️まずは緊急度をチェック

◻︎ 湿疹が左右で違う場所に出る
◻︎ ステロイドや保湿剤がまったく効かない
◻︎ 発熱・だるさなど全身症状がある
◻︎ 家族や同居者にもかゆみがうつっている(疥癬の可能性)
◻︎ 赤ちゃんが全身ほぼ真っ赤になっている

▶︎ 1つでも当てはまれば受診/オンライン相談

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医師の回答

アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹を主な症状とする慢性的な皮膚の炎症です。皮膚が乾燥して赤くなり、ブツブツができたり、皮がむけたり、ジュクジュクとただれることもあります。 慢性化すると、肌がゴワゴワと硬くなったり、色素沈着によって黒ずんだりすることもあります。

かゆみが止まらない…
それ、アトピーかも?

アトピー性皮膚炎は、もともとアレルギーを起こしやすい体質の人や皮膚のバリア機能が弱い人(乾燥肌)に多くみられる皮膚のかゆみと炎症を伴う病気です。 主な症状は「湿疹(赤いブツブツ)」と「かゆみ」です。皮膚がカサカサして赤みをおび、皮がむけたり、じゅくじゅくとただれることもあります。症状は良くなったり悪くなったりを繰り返し、経過が長期にわたることが特徴です。慢性化するとゴワゴワ盛り上がったり黒ずんだりすることもあります。 湿疹は左右対称にできることが多く、おでこ、目や口のまわり、耳のまわり、首、わき、膝や肘の内側などによくみられます。

K.Tさん

小さい頃から冬になると肘の内側が赤くかゆく、最近は首まで広がって授業に集中できませんでした。保湿だけでは追いつかず、寝ている間に掻いてしまい、朝は白い粉のように皮がむけていました。良くなったり悪くなったりを繰り返すのも不安でした。

オンラインで相談し、保湿のタイミングや量、入浴後の拭き方、衣類の選び方を具体的に教わりました。指示どおりの塗り薬と保湿を続けると、夜のかゆみが落ち着き、掻き壊しも減少。悪化の前ぶれに気づけるようになり、早めに対処できるようになりました。

30秒セルフチェック/診断チャート

01

症状の出方・強さ

強いかゆみを伴う赤いブツブツ/皮むけ/ジュクジュク

皮膚がゴワゴワ硬くなったり、黒ずみが出てきた

左右対称に、首・肘膝の内側・顔などに出やすい

02

経過・持続

良くなったり悪くなったりを長期間くり返す

季節の変わり目や気温・湿度の急変で悪化しやすい

03

随伴症状・背景

乾燥肌でバリア機能が低下している

アレルギー体質や外的刺激(汗・摩擦)で悪化しやすい

睡眠不足やストレスで増悪することがある

結論

該当が多い:要受診
該当が少ない:迷う場合も早めに相談

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アトピー性皮膚炎とは?

症状は良くなったり悪くなったりを繰り返すのが特徴で、長期間にわたり経過するケースが多く、慢性化すると皮膚が硬くゴワゴワしたり、黒ずんだりすることもあります。湿疹は左右対称に現れることが多く、特におでこ、目や口のまわり、耳のまわり、首、わき、肘や膝の内側などに多く見られます。

皮膚のバリア機能が低下しているため、肌は乾燥しやすく、少しの刺激でも赤みやかゆみを引き起こしやすくなっています。症状はいったん改善しても再発しやすく、乳児から高齢者まで幅広い年齢層で見られます。原因は一つではなく、アレルギー体質や遺伝的な要因、皮膚の乾燥、外部からの刺激、ハウスダストや花粉、汗、衣類の摩擦、ストレス、睡眠不足、特定の食べ物など、複数の要因が重なって発症・悪化します。

赤ちゃんではほっぺや肘、膝の裏に、子どもや大人では首やわき、肘・膝の内側、顔、体などに症状がよく出ます。季節の変わり目や、気温・湿度の急な変化も悪化のきっかけとなりやすいため、日常的なスキンケアと環境への配慮が大切です。

治療の基本は、毎日の保湿によるスキンケアと、症状に応じた薬の使用です。
外用薬としてはステロイドや非ステロイド薬、かゆみを抑える抗ヒスタミン薬などがあり、症状が中等度以上の場合には内服薬や注射薬(たとえばデュピクセント)などを使うこともあります。あわせて、掻かない工夫や、こまめな保湿、刺激の少ない衣類選び、汗をかいた後のケア、ストレスや睡眠の管理など、生活習慣の見直しも重要です。

応急処置(今日できること)

  • 入浴後すぐの保湿(こまめに・十分量)

  • 掻かない工夫(爪を短く/就寝時の肌当たりの良い衣類)

  • 汗をかいたら早めに拭き取り・着替え

  • 刺激の少ない衣類・素材を選ぶ

  • 生活リズムを整え、睡眠とストレス管理を意識する

一般的なアトピー性皮膚炎治療に使われる薬

① 外用薬(塗り薬)
▶ ステロイド外用薬(炎症を抑える)
重症度に応じて5段階の強さがあり、部位や年齢により使い分けます。
強さ 主な薬剤名 商品名(例)
Very Strong モメタゾンフランカルボン酸 フルメタ など
Strong ベタメタゾン吉草酸エステル リンデロン-VG など
Medium ヒドロコルチゾン酪酸エステル ロコイドなど
Weak プレドニゾロン プレドニン軟膏など
※長期使用時は副作用に注意(皮膚萎縮、毛細血管拡張など)

▶ タクロリムス軟膏(非ステロイド・免疫抑制剤)
プロトピック軟膏:
顔・首などのステロイドを避けたい部位に使用されやすい
初期に「ヒリヒリ感」「ほてり感」がでることも

▶ JAK阻害薬外用
コレクチム軟膏(デルゴシチニブ)
小児にも使用可能な新しいタイプの非ステロイド薬

軽~中等症
▶ 保湿剤(第一選択)
ヘパリン類似物質(ヒルドイドなど)
ワセリン
尿素含有製剤(ただし刺激あり注意)

② 内服薬(飲み薬)
▶ 抗ヒスタミン薬(かゆみ止め)
ポララミン

▶ 抗アレルギー薬(かゆみ止め)
セチリジン(ジルテック)
フェキソフェナジン(アレグラ)
オロパタジン(アレロック)など

▶ ステロイド内服(重症例の一時的使用)
プレドニゾロンなど(短期限定で使用)

▶ 免疫抑制剤(中等症~重症例)
シクロスポリン(ネオーラル)など

③ 注射薬(重症例・新しい選択肢)
▶ デュピクセント(デュピルマブ)
IL-4/IL-13阻害抗体による生物学的製剤

中等症~重症の患者に使用され、非常に効果的

▶ ミチーガ(ネモリズマブ)
かゆみに特化したIL-31受容体阻害薬

「アトピー性皮膚炎」と似ている症状の病気(鑑別疾患)

接触皮膚炎(かぶれ)

金属や化粧品などに触れて赤くなる。触れた部分だけに出ることが多いよ。

皮脂欠乏性湿疹

乾燥による湿疹。特に冬にスネなどにカサカサが出ることが多い!

手湿疹(手あれ)

手をよく洗う人・水仕事が多い人に。アトピーと勘違いされがち。あせも 暑い時に出るぶつぶつ。汗のかきすぎが原因。

貨幣状湿疹

丸くて赤い湿疹ができる。水虫とそっくりなこともあるので注意!

乾癬(かんせん)

赤くてカサカサ、白い粉がふいたような湿疹が出る。アトピーより皮膚が厚くてかゆみが少なめなのが特徴です。薬が効かないときは、乾癬の可能性もチェック!

白癬(はくせん)水虫

丸く広がる赤みはアトピーと間違えられがち!

疥癬(かいせん)

ダニが原因で、夜にかゆみが強くなる。家族にもうつりますとびひ かいた所からばい菌が入って広がる。黄色いかさぶたがヒント!

免疫の病気

皮膚だけじゃなく、熱や下痢など体調全体に影響が出ます。

アトピー性皮膚炎の特徴をチェック!

◻︎ 湿疹が左右で違う場所に出る
◻︎ ステロイドや保湿剤がまったく効かない
◻︎ 発熱・だるさなど全身症状がある
◻︎ 家族や同居者にもかゆみがうつっている(疥癬の可能性)
◻︎ 赤ちゃんが全身ほぼ真っ赤になっている

▶︎ これらに当てはまれば、「アトピー性皮膚炎」や関連する疾患の可能性があります

⚠️緊急度をチェック!

◻︎ 湿疹が左右で違う場所に出る
◻︎ ステロイドや保湿剤がまったく効かない
◻︎ 発熱・だるさなど全身症状がある
◻︎ 家族にもうつっている
◻︎ 赤ちゃんが全身真っ赤
 

▶︎ 1つでも当てはまれば受診/オンライン相談を

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受診の目安(タイムライン)

当日〜翌日:上記の赤旗に当てはまる/急に広がる/強いかゆみで眠れない

早めに受診:市販薬で改善しない/再発をくり返す/生活に支障が出ている

様子見可:本文に具体的基準の記載はありません。迷う場合も早めに相談してください。

予防のポイント

  • 入浴後すぐの保湿を毎日継続

  • 汗・摩擦・化学的刺激の少ない環境と衣類選び

  • 汗をかいたら早めに拭き取り・着替え

  • 睡眠とストレス管理を意識する

FAQ

Q1. 市販の保湿だけで治せますか?

保湿は基本ですが、症状に応じ薬が必要になることがあります。改善しない・悪化する場合は医師に相談してください。

Q2. ステロイド外用薬の副作用が心配です。

強さと部位・年齢に応じて使い分け、長期使用時は萎縮などに注意します。自己判断での継続は避け、医師と調整しましょう。

Q3. タクロリムスはヒリヒリしますか?

開始初期にヒリヒリ・ほてり感が出ることがあります。使い方や塗る量は医師の指示に従ってください。

Q4. 注射薬(デュピルマブ・ネモリズマブ)は誰が対象ですか?

中等症〜重症で、外用や内服で不十分な場合の選択肢です。適応と投与計画は医師判断になります。

監修薬剤師/公衆衛生学修士

畔原 篤 Atsushi Azehara

新潟薬科大学卒業。筑波大学大学院 公衆衛生学学位プログラム修了(修士)
ウエルシア薬局にて在宅医療マネージャーとして従事し、薬剤師教育のほか、医師やケアマネジャーなど多職種との連携支援に注力。在宅医療の現場における実践的な薬学支援体制の構築をリード。2023年より株式会社アスト執行役員に就任。薬剤師業務に加え、管理業務、人材採用、営業企画、経営企画まで幅広い領域を担当し、事業の成長と組織づくりに貢献している。さらに、株式会社Genonの医療チームメンバーとして、オンライン服薬指導の提供とその品質改善にも取り組むとともに、医療・薬学領域のコンテンツ制作において専門的なアドバイスを行っている。経済産業省主催「始動 Next Innovator 2022」採択、Knot Program 2022 最優秀賞を受賞。

執筆者

ヒフメドの編集チームは、皮膚疾患で悩む方に向けて専門的かつ最新の情報を分かりやすく届けることを目指しています。アトピーや皮膚感染症といった疾患の基礎知識から、治療・生活管理の実用的なコツ、最新の治療事情まで幅広くカバー。読者が記事を読むことで「すぐに役立てられる」情報提供を心がけています。