【保険適用】ヒフメド|皮フ科専門オンライン診療

20代 男性のご相談

折れ耳ってどんな病気?
症状チェックと対処法を皮膚科医が解説

⚠️まずは緊急度をチェック

◻︎ 耳の穴が見えない、耳が極端に小さい(小耳症が疑われる)
◻︎ 新生児で耳の形が気になり、早期の矯正を希望(生後2週〜2か月が適期)
◻︎ 聴こえが心配、新生児聴覚スクリーニングで要確認と言われた
◻︎ 矯正装具の使用中に皮膚の赤み・かぶれ・ずれが強い
◻︎ 外傷後に耳の変形が出て痛みや腫れがある

▶︎ 1つでも当てはまれば受診/オンライン相談

友達登録は無料

LINE

医師の回答

耳介が途中で折れ曲がった状態の変形です。

生まれたときに耳がくしゃっとしている…
それ、自然に治ることもあります

折れ耳(おれみみ)は、生まれつき耳の軟骨が柔らかく、外側に折れ曲がったり、丸まったりしている状態です。 見た目の形に違いがあるだけで、聞こえに問題があることはほとんどありません。多くの場合は健康に影響しませんが、必要に応じて専用の装具や手術で耳の形を整えることができます。

G.Kさん

生後すぐ、娘の右耳が前に折れて見えました。痛そうではないけれど不安で、小児科で相談。聴こえに問題はなく、折れ耳は見た目の違いが中心だと説明を受けました。早期の矯正が効果的と聞き、装具を検討することに。

矯正装具を2週間続けると、耳の形が少しずつ整ってきました。皮膚のかぶれに注意しつつ写真で変化を記録。最終的に帽子やメガネも気にならなくなり、焦らず早めに相談して良かったと実感しました。

30秒セルフチェック/診断チャート

01

症状の出方・強さ

耳の上部が前に折れて垂れて見える

耳輪が弱く、丸まって見える

左右差があるが、痛みはほぼない

02

経過・持続

生後すぐに目立つことが多い

数週間〜数か月で自然に整うこともある

03

随伴症状・背景

胎内での圧迫や出生後の体位が影響することがある

家族に似た耳の形がある

新生児聴覚スクリーニングは通常どおり受ける

装具を使う場合は皮膚のかぶれ・ずれを確認

結論

該当が多い:要受診
該当が少ない:迷う場合も早めに相談

友達登録は無料

LINE

折れ耳とは?

折れ耳(おれみみ)とは、生まれつき耳介(じかい)の一部が柔らかく折れ曲がっている状態を指します。耳の上部が前方に折れたり丸まったりして見えるのが特徴で、片耳のみ、あるいは両耳ともに起こることがあります。多くは痛みや聴力への影響はなく、先天的な耳介形態異常のひとつとして分類されます。赤ちゃんの耳は生後間もない時期は軟骨が柔らかく変形しやすいため、子宮内での圧迫や出生後の寝る向きなどの影響で折れ耳が目立つことがあります。

たとえば、折れ耳(lop ear)は耳の上部が前に折れたタイプ、スタール耳(Stahl’s ear)は耳の上に余分な軟骨が突起し尖ったように見えるタイプ、たたみ耳・つぶれ耳(cryptotia)は耳が頭に埋もれて見える状態などが代表的です。これらはいずれも耳介の形態のバリエーションであり、命に関わる病気ではありません。

【主な原因】

  • 子宮内での耳への圧迫(胎児の姿勢や骨盤位など)

  • 新生児期の寝る向きや体位の影響

  • 耳介の軟骨が柔らかいため起こる一時的な変形

  • 家族に折れ耳やたたみ耳がある場合の遺伝的要因

折れ耳は新生児や乳児に多く見られ、とくに耳の軟骨が未熟でやわらかい時期に起こりやすいとされます。左右差がある場合もありますが、自然に形が整うことも多いです。家族歴がある場合や、第一子で子宮内の圧迫を受けやすいケースにやや多い傾向が報告されています。

経過としては、生後数か月で軟骨がしっかりしてくると自然に改善することもあります。ただし、成長とともに変形が残る場合もあり、見た目の問題から整容的な対応が希望されることがあります。悪化することは少ないものの、矯正の効果が高いのは生後1〜2か月以内とされるため、早期に相談することで将来の安心につながります。

応急処置(今日できること)

  • 新生児期は同じ向きばかりで寝かせない、耳への圧迫を避ける。

  • 抱っこの際に耳が折れ曲がらないよう注意する。

  • きつい帽子やヘッドバンドは避ける。

  • 装具を使う場合は、皮膚のかぶれ・ずれを定期的にチェックする。

  • メガネや帽子の当たりはパッドや柔らかい素材で調整する。

一般的な折れ耳治療に使われる薬

① 【基本情報と特徴】
▶ 折れ耳は、耳の軟骨が正常に立ち上がらず、耳が前方または内側に折れ曲がっている状態

項目 内容
発症時期 **先天性(生まれつき)**がほとんど。生後すぐに目立つことが多い。
原因 耳介軟骨の発育不全や、子宮内での姿勢・圧迫による形状変形
見た目の特徴 上部が前に折れて垂れている、耳輪が弱い、左右差ありなど
症状 聴力には影響しないことが多いが、見た目の違和感・メガネのかけにくさ・帽子のずれなどを訴えることがある

🔹「立ち耳」「埋没耳」「スタール耳」などと同様に、耳介形態異常の一種に分類される。

② 【新生児期の治療:耳介矯正(装具療法)】
▶ 生後早期(できれば2週以内〜生後2か月以内)であれば、耳の矯正が可能

方法 コメント
耳介矯正具の装着(非観血的治療) 市販または医療用の装具(耳介矯正器具)を連続装着することで軟骨を正しい形に誘導。保険適用外。
装着期間 2〜8週間ほど連続使用。個人差あり。早いほど成功率が高い(90%以上)
費用・入手 一部クリニックで対応。**自費診療(数万円)**になることが多い

🔹 新生児期はエストロゲンの影響で軟骨が柔らかく、**自然矯正力が高い時期の“窓”**とされる。

③ 【幼児期以降の対応:経過観察 or 外科的矯正】
▶ 軟骨が固まる生後3か月以降は、自然矯正は困難

方針 コメント
経過観察・特に治療せず 聴力に影響なく、本人が気にしない場合はそのまま成長を見守るケースも多い
美容形成手術(耳介形成術) 小学校入学以降に検討されることが多い。局所麻酔下の日帰り手術で対応可能なことも
費用 原則美容目的=保険適用外(ただし明らかな機能障害があれば保険適用される場合もあり)

🔹 ご本人や保護者の見た目への関心・希望度合いに応じて選択するのが基本。

④ 【日常ケア・生活上の配慮】

内容 コメント
耳への圧迫を避ける 新生児期の耳介変形予防には、長時間の同一体位(横向きなど)を避けることも大切
メガネや帽子の当たり調整 耳が折れていることで痛みやずれが起きることがあり、耳パッドやソフト素材などで調整可能
保育園・学校への理解 周囲にからかわれることがあれば、園・学校と連携して丁寧な説明と心理的支援を行うことも重要

病院で何を調べるの?

  • 視診・触診:耳の折れ方や左右差、耳介軟骨の硬さを確認します。聴覚への影響がないかも観察し、自然経過か治療介入かの目安を立てます。

  • 問診:妊娠中の胎児の体位、出産時の状況、家族に耳の形の異常があるかを確認します。遺伝的背景や生活習慣との関連を把握する目的があります。

  • 写真記録:生後すぐの耳の形態を写真で記録し、数週間〜数か月後の変化を比較します。矯正装具使用中は効果判定にも有用です。

  • 聴力検査(新生児聴覚スクリーニング):折れ耳自体は聴力に影響しませんが、まれに他の耳の異常と合併していないか確認します。生後早期に行われる一般的な検査です。

  • 形成外科での評価:矯正具の適応や将来的な手術の必要性を判断します。軟骨の硬化度や変形の程度によって方針を決め、必要に応じて経過観察を組み合わせます。

「折れ耳」と似ている症状の病気(鑑別疾患)

小耳症

耳の形成が不十分で耳が小さい・耳の穴がないなど 折れているだけでなく、耳の構造自体が未発達

自然な個人差

軽度な左右差や形のばらつき 折れたり曲がったりせず、くっきりした輪郭は保たれている

外傷性の耳変形

出産後の圧迫・寝癖などによる物理的変形 生後すぐにはなかったが、後天的に曲がった場合もある

折れ耳の特徴をチェック!

◻︎ 耳の穴が見えない、耳が極端に小さい(小耳症が疑われる)
◻︎ 新生児で耳の形が気になり、早期の矯正を希望(生後2週〜2か月が適期)
◻︎ 聴こえが心配、新生児聴覚スクリーニングで要確認と言われた
◻︎ 矯正装具の使用中に皮膚の赤み・かぶれ・ずれが強い
◻︎ 外傷後に耳の変形が出て痛みや腫れがある

▶︎ これらに当てはまれば、「折れ耳」や関連する疾患の可能性があります

⚠️緊急度をチェック!

◻︎ 耳の穴がない、耳が極端に小さい
◻︎ 新生児で矯正を希望(生後2週〜2か月が適期)
◻︎ 聴こえに不安がある/スクリーニングで指摘
◻︎ 装具で皮膚の赤み・かぶれ・ずれが強い
 

▶︎ 1つでも当てはまれば受診/オンライン相談を

友達登録は無料

LINE

受診の目安(タイムライン)

当日〜翌日:耳の穴がない・極端に小さい/聴こえの異常が疑われる/装具で強い皮膚炎や痛み/外傷後の腫れ・痛み。

早めに受診:新生児で形が気になる場合。できれば生後2週〜2か月のうちに相談。

様子見可:痛みがなく、日常生活に支障がない。本人や家族が気にしない場合は経過観察も選択肢。

予防のポイント

  • 長時間の同一体位を避ける。抱っこや寝かせ方で耳に圧をかけない。

  • きつい帽子・ヘッドバンドは避ける。皮膚を清潔に保つ。

  • 装具使用時は定期的に皮膚の状態を確認する。

  • メガネ・帽子の当たりを調整する。

  • 園・学校と連携し、丁寧な説明と心理的支援を行う。

FAQ

Q1. 自然に治ることはありますか?

生後数か月で自然に形が整うこともあります。より確実に整えるには、生後2週〜2か月の早期に矯正装具を検討します。

Q2. 聴力への影響はありますか?

多くは聴力に影響しません。新生児聴覚スクリーニングは通常どおり受け、気になる場合は医師に相談してください。

Q3. 矯正装具は保険適用ですか?期間は?

原則自費での対応になることが多く、2〜8週間の連続装着が目安です。装具の適応や費用は医療機関で確認してください。

Q4. 手術はいつ頃検討しますか?

生後早期を過ぎた後は、学童期以降に美容目的の耳介形成術を検討します。機能障害があれば保険適用となる場合もあります。

監修薬剤師/公衆衛生学修士

畔原 篤 Atsushi Azehara

新潟薬科大学卒業。筑波大学大学院 公衆衛生学学位プログラム修了(修士)
ウエルシア薬局にて在宅医療マネージャーとして従事し、薬剤師教育のほか、医師やケアマネジャーなど多職種との連携支援に注力。在宅医療の現場における実践的な薬学支援体制の構築をリード。2023年より株式会社アスト執行役員に就任。薬剤師業務に加え、管理業務、人材採用、営業企画、経営企画まで幅広い領域を担当し、事業の成長と組織づくりに貢献している。さらに、株式会社Genonの医療チームメンバーとして、オンライン服薬指導の提供とその品質改善にも取り組むとともに、医療・薬学領域のコンテンツ制作において専門的なアドバイスを行っている。経済産業省主催「始動 Next Innovator 2022」採択、Knot Program 2022 最優秀賞を受賞。

執筆者

ヒフメドの編集チームは、皮膚疾患で悩む方に向けて専門的かつ最新の情報を分かりやすく届けることを目指しています。アトピーや皮膚感染症といった疾患の基礎知識から、治療・生活管理の実用的なコツ、最新の治療事情まで幅広くカバー。読者が記事を読むことで「すぐに役立てられる」情報提供を心がけています。