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40代 男性のご相談

毛孔性苔癬ってどんな病気?
症状チェックと対処法を皮膚科医が解説

⚠️まずは緊急度をチェック

◻︎ 典型でない見た目・分布で迷う(診断がはっきりしない)
◻︎ 痛み・強いかゆみ・膿がある(毛のう炎など他疾患の可能性)
◻︎ 全身に広がり、赤みや落屑が目立つ(別疾患の可能性)

▶︎ 1つでも当てはまれば受診/オンライン相談

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医師の回答

毛孔性苔癬は、皮膚の毛穴に角質が詰まってできる、ザラザラとした小さなブツブツが特徴の皮膚疾患です。

二の腕や太ももの「ぶつぶつ」、
実はよくある皮膚の状態です

毛孔性苔癬とは、皮膚の毛穴に角質(古い角質)がたまって盛り上がり、小さなぶつぶつやざらつきが目立つ皮膚の状態です。 特に二の腕の外側や太もも・おしり・背中にできやすく、思春期から若い世代に多く見られます。

A.Kさん

二の腕のざらつきが気になり、夏場は特に目立つのが悩みでした。かゆみは少ないのに、赤みやポツポツが写真に写るのがつらく、自己流でスクラブを強く使って悪化させてしまいました。

オンラインで相談し、こすらない入浴と保湿を徹底。尿素配合クリームの使い方も教わりました。数週間で触り心地がなめらかに。日焼け対策の大切さも学び、色残りが目立ちにくくなったのが一番の収穫でした。

30秒セルフチェック/診断チャート

01

症状の出方・強さ

二の腕外側・太もも・おしり・背中に小さなブツブツ

ざらつくが、痛みや強いかゆみは乏しい

赤みや茶色みを帯びることがある

02

経過・持続

思春期〜若年に多く、持続しやすい

乾燥・摩擦・日焼けで目立ちやすい

03

随伴症状・背景

家族にも似た症状がある(遺伝要素)

乾燥肌・アトピー素因で出やすい

掻く・紫外線で色素沈着が残ることがある

結論

該当が多い:要受診
該当が少ない:迷う場合も早めに相談

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毛孔性苔癬とは?

毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)とは、毛穴に角質がたまって盛り上がり、小さなぶつぶつやざらつきを引き起こす皮膚の良性変化の総称です。特に二の腕の外側や太もも・おしり・背中に出やすく、思春期から若年成人に多い傾向があります。かゆみや痛みはほとんどなく、健康に大きな影響は与えませんが、見た目が気になり相談される方が少なくありません。遺伝的な要因が関係することが多く、不潔さが原因ではない点が特徴です。

たとえば、二の腕の外側に出る赤みを帯びた小さなぶつぶつ、太ももやおしりにみられる茶色みを帯びたざらつき、背中に広がる細かな丘疹などが代表的です。これらは毛穴の角質が厚くなる角化異常に関連して起こります。

主な原因
  • 毛穴に角質がたまりやすい体質(角化異常)

  • 乾燥肌やアトピー体質による皮膚バリアの弱さ

  • 遺伝的要素(家族に同様の症状があることが多い)

好発部位は二の腕・太もも・おしり・背中などで、特に10代から30代の女性に多くみられます。乾燥肌の方やアトピー素因を持つ方では出やすい傾向があります。

経過としては、初期は赤みを伴う細かな丘疹がみられ、悪化するとざらつきが強くなり、掻いたり紫外線を受けたりすると色素沈着として跡が残ることがあります。長期化すると皮膚が硬くみえる苔癬化〔たいせんか〕を伴う場合もあります。乾燥や摩擦、日焼けは悪化因子となりやすいため注意が必要です。早期に保湿や皮膚科での外用治療を始めることで、見た目の改善や色素沈着の予防につながります。

応急処置(今日できること)

応急対応は疾患により異なります。自己判断での処置は避け、症状が強い/拡大する/痛む場合は医師に相談してください。

一般的な毛孔性苔癬治療に使われる薬

命に関わる疾患ではなく、美容的な理由で治療希望されることが多いです。
根治は難しいですが、スキンケア+角質ケア+保湿でかなり改善可能です。

◆ 外用治療(第一選択)
薬剤        作用        備考

尿素配合クリーム(ウレパール®, パスタロン®など)        角質軟化・保湿        最も基本的な外用剤/広範囲にも使いやすい
サリチル酸ワセリン        角質溶解        医療機関で処方/刺激が出ることもあるので注意
ヘパリン類似物質外用薬(ヒルドイド®など)        保湿・血行促進        乾燥対策として併用されることが多い
トレチノイン外用(ビタミンA誘導体)        角質ターンオーバー促進        自費処方(刺激感や赤みあり)/医師管理下で使用
アダパレンゲル(ディフェリン®)        毛穴詰まりの改善        ニキビ治療薬/オフラベルで使われることも

病院で何を調べるの?

  • 視診・触診:皮膚の色調やぶつぶつの分布を観察します。典型的な部位に一致していれば診断の参考になります。痛みやかゆみの有無も確認されます。

  • 問診:発症時期や家族歴、乾燥肌やアトピー体質の有無を確認します。生活習慣やスキンケア方法も把握することで原因特定に役立ちます。

  • ダーモスコピー(皮膚鏡検査):毛穴の角栓や丘疹の詳細を拡大して観察します。ニキビや毛包炎との鑑別に有効です。

  • 皮膚生検(必要時):典型的でない場合や他の角化異常症が疑われるときに行います。局所麻酔下で皮膚の一部を採取し、病理組織学的に確認します。小さな瘢痕が残る可能性があります。

  • 血液検査(補助的):直接診断には用いませんが、合併するアトピー性皮膚炎やアレルギー体質の有無を確認するために行うことがあります。IgE値や炎症マーカーを調べることがあります。

「毛孔性苔癬」と似ている症状の病気(鑑別疾患)

尋常性ざ瘡(ニキビ)

白ニキビ・赤ニキビ・膿をもつことも 痛みやかゆみがある/顔・胸・背中にできやすい

脂漏性湿疹

かさかさ+赤み/皮脂の多い部位に多い 頭皮・耳まわり・鼻・胸元にできる/かゆみあり

毛のう炎(毛包炎)

毛穴の感染による赤いぷつぷつ ふれると痛い/膿がたまる/バリア低下後に発生

汗疱(あせも)

皮膚の下に小さな水ぶくれ/かゆみあり 透明でつるっとした粒/手足・汗の多い部位に出やすい

毛孔性紅色粃糠疹(こうしょくひこうしん)

毛穴周囲に赤み+皮むけ 全身に広がる/かさかさ・落屑が目立つ

魚鱗癬(ぎょりんせん)

遺伝性の皮膚がかさかさして厚くなる病気 全身に乾燥・うろこ状/幼少期から明らか

毛孔性苔癬の特徴をチェック!

◻︎ 典型でない見た目・分布で迷う(診断がはっきりしない)
◻︎ 痛み・強いかゆみ・膿がある(毛のう炎など他疾患の可能性)
◻︎ 全身に広がり、赤みや落屑が目立つ(別疾患の可能性)

▶︎ これらに当てはまれば、「毛孔性苔癬」や関連する疾患の可能性があります

⚠️緊急度をチェック!

◻︎ 顔の赤み・ヒリヒリが数週間以上続く
◻︎ ステロイド中止後に急に悪化した
◻︎ 市販薬やスキンケアで改善しない/悪化する
 

▶︎ 1つでも当てはまれば受診/オンライン相談を

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受診の目安(タイムライン)

当日〜翌日:痛み・膿がある、全身に広がる/落屑が強い(鑑別が必要)

早めに受診:見た目が気になる、色素沈着が目立つ、典型でない・自己ケアで改善しない

様子見可:典型的で軽症。こすらず保湿・紫外線対策を継続

予防のポイント

  • 入浴時にナイロンタオルで強くこすらない

  • 毎日保湿し乾燥を防ぐ(尿素やヘパリン類似物質入りを適切に使用)

  • 紫外線対策で色素沈着を予防

  • スクラブやピーリングの過度使用を避ける

  • 掻かない、規則正しい生活を心がける

FAQ

Q1. 不潔にしていたから起こるのですか?

不潔さが原因ではありません。毛穴の角化がたまりやすい体質や乾燥・遺伝的要素が関わります。

Q2. 完全に治るのでしょうか?

根治は難しいものの、保湿と外用治療、悪化因子(乾燥・摩擦・日焼け)への対策で見た目の改善が期待できます。

Q3. どんな外用治療がありますか?

尿素配合クリーム、サリチル酸ワセリン、ヘパリン類似物質、トレチノイン、アダパレンなどが用いられます。刺激が強い場合は使用を調整します。

Q4. 日焼けは関係しますか?

日焼けは悪化因子で、掻破や紫外線後に色素沈着が残ることがあります。紫外線対策を心がけましょう。

監修薬剤師/公衆衛生学修士

畔原 篤 Atsushi Azehara

新潟薬科大学卒業。筑波大学大学院 公衆衛生学学位プログラム修了(修士)
ウエルシア薬局にて在宅医療マネージャーとして従事し、薬剤師教育のほか、医師やケアマネジャーなど多職種との連携支援に注力。在宅医療の現場における実践的な薬学支援体制の構築をリード。2023年より株式会社アスト執行役員に就任。薬剤師業務に加え、管理業務、人材採用、営業企画、経営企画まで幅広い領域を担当し、事業の成長と組織づくりに貢献している。さらに、株式会社Genonの医療チームメンバーとして、オンライン服薬指導の提供とその品質改善にも取り組むとともに、医療・薬学領域のコンテンツ制作において専門的なアドバイスを行っている。経済産業省主催「始動 Next Innovator 2022」採択、Knot Program 2022 最優秀賞を受賞。

執筆者

ヒフメドの編集チームは、皮膚疾患で悩む方に向けて専門的かつ最新の情報を分かりやすく届けることを目指しています。アトピーや皮膚感染症といった疾患の基礎知識から、治療・生活管理の実用的なコツ、最新の治療事情まで幅広くカバー。読者が記事を読むことで「すぐに役立てられる」情報提供を心がけています。