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40代 男性のご相談

爪甲縦条ってどんな病気?

医師の回答

甲縦条は、爪に縦の線が入る状態をいいます。

〜爪にスジが入ってるけど、これって大丈夫?〜
爪甲縦条は、爪に縦の線が入る状態をいいます。 
乾燥や外傷などの外的刺激が原因となって生じることが多く、老人性変化の一つと考えられています。

爪甲縦条(そうこうじゅうじょう)とは、爪の表面に根元から先端に向かって細い縦方向のスジが現れる状態を指します。多くは年齢や生活習慣による生理的な変化であり、健康な人でもよく見られるため心配のいらない場合がほとんどです。見た目としては、爪に沿って細い線がスーッと走るように現れ、数や太さは個人差があります。とくに親指や人差し指で目立ちやすく、年齢とともに徐々に強くなる傾向があります。

たとえば、加齢による縦スジ、乾燥による凹凸、指先の使用習慣や外的刺激による爪甲縦条が代表的です。ほかにも、マニキュアや除光液の繰り返し使用、軽い外傷後に目立つこともあります。

【主な原因】

  • 加齢に伴う爪母(そうぼ)の代謝変化

  • 爪の乾燥や栄養不足

  • 指先の頻繁な使用(タイピングやスマホ操作など)

  • マニキュアや除光液など外的刺激

  • 爪への軽度外傷や圧迫

爪甲縦条は加齢以降によくみられ、30〜40代以降で目立ち始め、高齢者ではさらに顕著です。男女差は少なく、指先をよく使う職業や趣味を持つ人に多く見られます。

初期は細いスジが目立つ程度ですが、乾燥や摩擦が加わると爪の表面に凹凸を感じやすくなります。慢性的になると割れやすさや変色が伴うこともあります。また、黒色や茶褐色の縦線が急に出現した場合や、1本だけ濃くなる場合は、皮膚がんの一種である爪のメラノーマとの鑑別が重要です。乾燥や外的刺激の回避、適切なケアで見た目の悪化を防ぎつつ、異常な所見があれば早期に皮膚科を受診することが安心につながります。

✅ 治療と対策
🔸 ほとんどの場合、治療は不要です。ただし美容面や乾燥による脆弱化に対してケアを行うことがあります。

◆ 治療が必要ないケース(加齢性・軽度)
爪の保湿 尿素クリームやワセリンを爪と爪周囲に塗布
栄養バランス ビタミン(特にB群・E)、亜鉛、鉄などを意識
ネイルケア見直し 爪やすりの使いすぎ、過度のジェルネイルを控える

◆ 病的な可能性がある場合
明らかに1本のみ、黒褐色の縦線(色素線条) 悪性黒色腫(サブタイプ:爪下黒色腫) 皮膚科受診+ダーモスコピー/生検が必要
凹凸+爪の変形/割れ/厚みの変化を伴う 乾癬、扁平苔癬、円形脱毛症など 基礎疾患の治療が優先される
爪が割れやすい、スジに沿って欠ける 乾燥・鉄欠乏など 栄養補充・保湿・生活指導など

✅ 治療薬(あくまで補助的)
尿素軟膏(ウレパール®など) 爪表面の乾燥・硬化を防ぐ 爪周囲にすり込むように塗布
ビタミン剤(B2・B6・Eなど) 爪の代謝を助ける 保険外対応が多いが補助に使われることも
鉄剤/亜鉛製剤 欠乏がある場合に 血液検査で評価したうえで補充

 ◆ 病院で何を調べるの?

  • 視診・問診:爪の縦線の数や太さ、色調、周囲皮膚の変化を確認します。既往歴や生活習慣も含め、原因が生理的か病的かを判断する第一歩です。
  • ダーモスコピー(皮膚鏡検査):黒色や茶色の縦線がある場合、色素の分布や境界の特徴を拡大観察します。爪メラノーマとの鑑別に重要です。
  • 皮膚生検(爪生検):黒色線が疑わしい場合に行われ、局所麻酔下で一部の爪や組織を採取します。病理診断により腫瘍や炎症の有無が明らかになります。結果が出るまで数日を要し、瘢痕が残る可能性があります。
  • 血液検査:鉄・亜鉛・ビタミンなどの栄養状態を確認します。栄養欠乏が関与する場合の補助的検査で、再発予防や治療方針の参考になります。
  • 真菌鏡検(KOH検査):爪の色調変化や肥厚を伴う場合、爪白癬(爪のカビ感染)を除外するために行われます。爪片を採取し顕微鏡で真菌の有無を確認します。

🔍 爪甲縦条と間違えやすい疾患・似た爪の症状

 爪白癬(つめみずむし)

⇒爪が白く濁る・厚くなる・崩れる 白濁・ボロボロ・においがある/真菌検査で判別

 爪甲色素線条(黒色縦線)

⇒爪に黒い線が縦に入る状態 茶〜黒色/色素性母斑 or メラノーマの可能性あり

 乾癬性爪変形

⇒点状くぼみ・厚み・変形・縦線も伴う 皮膚の乾癬の合併が多い/複数の指に同時に出ることも

 外傷性変化/加圧性変化

⇒爪の根元や先端への圧迫で変形 特定の作業・スポーツ・靴による負荷/左右非対称なことも

 爪母色素沈着症

⇒爪の根元〜先まで薄い茶色や黒の線が伸びてくる 左右差・太さ・変化の速さを確認/皮膚科でダーモスコピー観察が必要

 悪性黒色腫(メラノーマ)

⇒爪の黒い縦線/太く・濃く・だんだん広がる 急に出てきた黒線・色がにじむ・爪が割れる→要受診!

 栄養不良/ビタミン不足

⇒亜鉛・鉄・たんぱく不足でスジや割れが出る 爪以外にも肌荒れ・疲れやすさがあることも

予防のポイント
爪や手指を低刺激の石けんでやさしく洗う
毎日の保湿で乾燥を防ぐ
ネイルオイルやクリームを爪周囲に塗布する
マニキュアや除光液の使用を控えめにする
タイピングやスマホ使用時に爪先へ過度な負担をかけない
栄養バランスの整った食事を心がける
爪を強くぶつけたり圧迫したりしないよう注意する
急な黒色縦線や変色が出た場合は早めに皮膚科を受診する

<参考資料>

新潟薬科大学卒業。筑波大学大学院 公衆衛生学学位プログラム修了(修士)
ウエルシア薬局にて在宅医療マネージャーとして従事し、薬剤師教育のほか、医師やケアマネジャーなど多職種との連携支援に注力。在宅医療の現場における実践的な薬学支援体制の構築をリード。2023年より株式会社アスト執行役員に就任。薬剤師業務に加え、管理業務、人材採用、営業企画、経営企画まで幅広い領域を担当し、事業の成長と組織づくりに貢献している。さらに、株式会社Genonの医療チームメンバーとして、オンライン服薬指導の提供とその品質改善にも取り組むとともに、医療・薬学領域のコンテンツ制作において専門的なアドバイスを行っている。経済産業省主催「始動 Next Innovator 2022」採択、Knot Program 2022 最優秀賞を受賞。

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