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40代 男性のご相談

梅毒(硬性下疳)ってどんな病気?
症状チェックと対処法を皮膚科医が解説

⚠️まずは緊急度をチェック

◻︎ 性器・口・肛門などに、痛みのない硬いしこり/潰瘍(硬性下疳)がある
◻︎ 手のひら・足の裏・粘膜に発疹や白斑が出た、発熱・倦怠感を伴う
◻︎ 股のリンパ節が腫れている
◻︎ 妊娠中で皮膚・粘膜の異常がある、または梅毒が心配
◻︎ パートナーが梅毒と診断された/流行地域・集団で接触があった

▶︎ 1つでも当てはまれば受診/オンライン相談

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医師の回答

酒さ様皮膚炎は、ステロイドなどの抗炎症外用薬を長期にわたり使用することが原因で、薬剤を塗っている部分に赤み(紅斑)やニキビのようなブツブツ(丘疹)があらわれる病気です。

性感染症のひとつです。
早期発見・早期治療が大切です!

梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌に感染することによって引き起こされる病気です。 主な感染経路は性行為とされていますが、感染者の体液や血液に触れることで皮膚の傷口などから感染する場合もあります。 梅毒の病気の進行は第Ⅰ期~第Ⅲ期の3段階で表され、発症してから時間の経過に伴いさまざまな症状があらわれるのが特徴です。 第Ⅰ期梅毒では、感染した約3週間後に感染部位の粘膜や皮膚に硬い小さめのブツブツ[小丘疹(しょうきゅうしん)]があらわれ、その後、細菌が入った部分に硬いしこりができ、次第に潰瘍化[(初期硬結(しょきこうけつ)や硬性下疳]が起こります。 多くは目につきにくい外陰部にでき、痛みがないため、症状に気がつかないまま約3週間で自然になくなります。

H.Tさん

陰部に小さな硬いしこりが出ましたが痛みがなく、そのまま様子を見ていたら消えました。数か月後、手のひらに発疹が出て不安になり、記事で読んだ症状に近いと思い相談しました。

オンラインで医師に相談すると、血液検査を勧められ、結果に応じて抗菌薬の内服を開始。症状がなくても進行する可能性を知り、早めに受診してよかったと感じました。検査と治療の計画がはっきりして安心できました。

30秒セルフチェック/診断チャート

01

症状の出方・強さ

性器・口・肛門などに痛みのない硬いしこり/潰瘍

股のリンパ節が腫れる

全身に赤い発疹(バラ疹)、手のひら・足の裏・粘膜の変化

02

経過・持続

接触から約3週間で出現し、数週間で自然に消えることがある

数か月後に全身症状(発疹・倦怠感・発熱など)へ移行することがある

03

随伴症状・背景

性行為による感染機会があった/病変に接触した

パートナーの診断が判明した

妊娠中で先天梅毒が心配

結論

該当が多い:要受診
該当が少ない:迷う場合も早めに相談

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梅毒(硬性下疳)とは?

梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌によって引き起こされる性感染症です。感染経路の多くは性行為(膣・肛門・オーラルセックス)を通じたもので、感染した部位の粘膜や皮膚から細菌が侵入します。感染者の病変(しこりや潰瘍)に触れた場合や、妊娠中に母体から胎児に感染するケース(先天梅毒)もあります。

この病気の特徴は、進行段階によって症状が変化し、時に自然に消失するため、気づかないまま進行してしまう点にあります。たとえ症状がなくなっても体内では細菌が活動を続けており、放置すると臓器障害などの重篤な合併症を引き起こします。

◆ 段階ごとの症状と経過

梅毒は第1期から第3・4期まで、時間とともに症状が変化していきます。

第1期(感染から約3週間):感染部位に硬くて痛みのないしこり(硬性下疳)ができ、股のリンパ節が腫れます。これらは数週間で自然に消えますが、治癒したわけではありません。

第2期(感染から約3か月):細菌が全身に広がり、赤い発疹(バラ疹)やリンパ節腫脹、倦怠感、発熱、手のひら・足の裏・粘膜に湿疹や白斑が出現します。

潜伏期〜第3・4期:症状がいったん消える「無症状期」を経たのち、数年単位で進行し、心臓・神経・脳・骨などの臓器障害(神経梅毒など)を引き起こすことがあります。

応急処置(今日できること)

応急対応は疾患により異なります。自己判断での処置は避け、症状が強い/拡大する/痛む場合は医師に相談してください。

一般的な梅毒(硬性下疳)治療に使われる薬

▶ 第一選択薬:ペニシリン系抗菌薬
アモキシシリン サワシリン、パセトシンなど 日本のガイドラインで第1選択(内服)
プロベネシド ベネシッド(併用) アモキシシリンと併用して効果持続を図る(血中濃度を維持)
🔸 用法:
通常、アモキシシリン 1500mg〜3000mg/日(分割)+プロベネシド 500〜1000mg/日を2〜4週間内服
(※病期によって期間は異なります)

▶ ペニシリンアレルギーがある場合の代替薬
ドキシサイクリン ビブラマイシンなど テトラサイクリン系抗菌薬。14日〜28日間の内服
セフトリアキソン ロセフィン(注射) 第三世代セフェム。入院が必要になることも
アジスロマイシン(慎重適用) ジスロマックなど 耐性例が増加しており、第一選択ではない(WHOも非推奨)

✅ 段階別の治療期間の目安(アモキシシリン+プロベネシドの場合)
病期 治療期間の目安
第1期(硬性下疳) 2〜4週間
第2期(バラ疹・発疹) 4週間
晩期潜伏梅毒 4〜8週間(長期)

病院で何を調べるの?

1. 問診と視診

2. 血液検査(梅毒血清反応)

梅毒の診断に最も重要な検査です。以下の2種類があります:

■ 非特異的検査(スクリーニングに使われる)

RPR(Rapid Plasma Reagin)

VDRL(Venereal Disease Research Laboratory)
→ 梅毒に対する抗体の量を測定し、治療経過のモニタリングにも使われます。

■ 特異的検査(確定診断に使われる)

TPHA(梅毒トレポネーマ凝集試験)

FTA-ABS(蛍光抗体吸着試験)
→ 梅毒トレポネーマ自体に対する抗体の有無を確認。感染したことがあるかを調べる目的で使用されます。

両方の検査を併用することで、「現在感染中か」「過去の感染か」の判別がしやすくなります。

3. 病変部の検査(必要に応じて)

性器や口腔などの潰瘍から採取し、梅毒トレポネーマの直接検出(暗視野顕微鏡)を行うことがあります。

PCR検査でトレポネーマのDNAを調べる場合もあります(施設によって対応が異なります)

「梅毒(硬性下疳)」と似ている症状の病気(鑑別疾患)

単純ヘルペス

小さな水ぶくれ・痛みあり 痛みが強く、短期間でかさぶたに

尖圭コンジローマ

イボ状の柔らかい増殖/かゆみあり 見た目は「カリフラワー状」/痛くないが持続的

毛嚢炎・できもの

赤く腫れて押すと痛い 抗菌薬で改善しやすい/進行しない

無症状の梅毒

しこりが出ず進行することも → 血液検査でしかわからないことも

梅毒(硬性下疳)の特徴をチェック!

◻︎ 性器・口・肛門などに、痛みのない硬いしこり/潰瘍(硬性下疳)がある
◻︎ 手のひら・足の裏・粘膜に発疹や白斑が出た、発熱・倦怠感を伴う
◻︎ 股のリンパ節が腫れている
◻︎ 妊娠中で皮膚・粘膜の異常がある、または梅毒が心配
◻︎ パートナーが梅毒と診断された/流行地域・集団で接触があった

▶︎ これらに当てはまれば、「梅毒(硬性下疳)」や関連する疾患の可能性があります

⚠️緊急度をチェック!

◻︎ 顔の赤み・ヒリヒリが数週間以上続く
◻︎ ステロイド中止後に急に悪化した
◻︎ 市販薬やスキンケアで改善しない/悪化する
 

▶︎ 1つでも当てはまれば受診/オンライン相談を

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受診の目安(タイムライン)

当日〜翌日:硬性下疳が疑われる潰瘍・しこり、手足の発疹・発熱・倦怠感、妊娠中で不安がある

早めに受診:パートナーが梅毒と診断/複数パートナー・新たな関係が始まり検査を受けていない

様子見可:症状が不明瞭で迷う場合も、早期の匿名相談・オンライン相談や血液検査を検討

予防のポイント

  • コンドームの使用(完全ではないがリスク低減)

  • 複数パートナーや新たな関係の開始時は定期的な性感染症検査

  • 流行地域・集団への注意、病変への接触回避

  • 皮膚・粘膜の異常を見逃さず早期受診

  • 妊娠中は梅毒検査を必ず受ける

  • 匿名相談・オンライン診療の活用

FAQ

Q1. 硬性下疳は痛みがありますか?

多くは「硬くて痛みが少ないしこり」として現れ、数週間で自然に消えることがありますが、治癒ではありません。検査と治療が必要です。

Q2. 検査は何をしますか?

非特異的検査(RPR/VDRL)と特異的検査(TPHA/FTA-ABS)を併用し、現在感染か過去感染かを評価します。必要に応じ病変からの直接検出やPCRを行います。

Q3. 治療薬と期間の目安は?

第1選択はアモキシシリン+プロベネシドで、病期により2〜8週間程度の目安があります。アレルギー時はドキシサイクリンやセフトリアキソンを検討します。

Q4. 自然に治ったように見える場合は?

症状が消えても細菌は体内に残り進行することがあります。自己判断せず、早期に検査・治療を受けてください。

監修薬剤師/公衆衛生学修士

畔原 篤 Atsushi Azehara

新潟薬科大学卒業。筑波大学大学院 公衆衛生学学位プログラム修了(修士)
ウエルシア薬局にて在宅医療マネージャーとして従事し、薬剤師教育のほか、医師やケアマネジャーなど多職種との連携支援に注力。在宅医療の現場における実践的な薬学支援体制の構築をリード。2023年より株式会社アスト執行役員に就任。薬剤師業務に加え、管理業務、人材採用、営業企画、経営企画まで幅広い領域を担当し、事業の成長と組織づくりに貢献している。さらに、株式会社Genonの医療チームメンバーとして、オンライン服薬指導の提供とその品質改善にも取り組むとともに、医療・薬学領域のコンテンツ制作において専門的なアドバイスを行っている。経済産業省主催「始動 Next Innovator 2022」採択、Knot Program 2022 最優秀賞を受賞。

執筆者

ヒフメドの編集チームは、皮膚疾患で悩む方に向けて専門的かつ最新の情報を分かりやすく届けることを目指しています。アトピーや皮膚感染症といった疾患の基礎知識から、治療・生活管理の実用的なコツ、最新の治療事情まで幅広くカバー。読者が記事を読むことで「すぐに役立てられる」情報提供を心がけています。