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蚊アレルギーってどんな病気?症状チェックと対処法を皮膚科医が解説​

⚠️まずは緊急度をチェック!
◻︎刺された部位が10cm以上に腫れる
◻︎水ぶくれ・じくじく・かさぶたが出る
◻︎2日以上腫れや痛みが続く
◻︎発熱リンパ節の腫れがある
◻︎子どもや毎回強く腫れる体質がある
→ 1つでも当てはまれば受診/オンライン相談を。

30代 女性のご相談

蚊アレルギーってどんな病気?

医師の回答

蚊に刺されることで異常なアレルギー反応を起こす稀な病気で、全身症状として、高熱や肝機能障害、リンパ節の腫れなどが生じます。刺された局所では、水ぶくれ、血ぶくれが生じます。普通の蚊刺されとは全く違う病気です。

〜「刺されたあとがすごく腫れる」「熱や水ぶくれになる」それ、ただの虫刺されじゃないかも〜
蚊アレルギーは、蚊に刺された際に強く腫れたり発熱・水ぶくれが出るアレルギー反応です。
通常の虫刺されとは異なり、数日〜1週間以上続くこともあります。
ひどい症状や毎回強く腫れる場合は、早めに皮膚科で相談・治療を受けましょう。
EB(エプスタイン・バー)ウイルスの持続感染が関与していることがわかっています。

M.Nさん

刺されて半日ほどで赤みが一気に広がり、直径10cm以上に。翌朝には水ぶくれになってズキズキ痛み、腕を上げにくいほどでした。市販薬だけでは不安で、写真を撮って相談しました。

受診で「強く出やすい体質」と言われ、短期間の塗り薬と飲み薬で数日で落ち着きました。毎回長引いていた理由が分かり、腫れが大きい・2日以上続くときは迷わず相談する、という目安ができました。

30秒セルフチェック/診断チャート

  1. 腫れは10cm以上? → Yes
     └ 水ぶくれ/じくじくあり? → Yes:要受診/オンライン相談
     └ Noでも2日以上持続や痛み強い:受診推奨

  2. 発熱・リンパ節が腫れる/全身のだるさ → 当日〜翌日受診

  3. 毎回強く腫れる・子ども・アトピー体質 → 早めに受診

  4. 小さく赤くふくらみ数時間〜1日で軽快 → 軽症セルフケア
    結論: 軽症(セルフケア)/要受診/オンライン相談のいずれかへ。

◇アレルギーとは?虫刺されとの違いを解説

蚊アレルギーとは、蚊に刺された後に異常なアレルギー反応を起こす疾患で、通常の虫刺されとは大きく異なります。数センチ〜10cm以上に腫れ、水ぶくれ・かさぶた・発熱などの症状が数日〜1週間以上続くのが特徴です。

◇ 蚊アレルギーの原因と症状

蚊の唾液に含まれるたんぱく質に対する免疫の過剰反応が原因で、刺された部位が大きく腫れたり、発熱や痛みを伴うことがあります。まれにEBウイルスとの関連で「蚊刺過敏症(重症蚊アレルギー)」を発症し、全身症状が現れることもあります。

◇ どんな人がなりやすい?注意すべき人

– 子ども(特に5~15歳)
– アトピー性皮膚炎などのアレルギー体質の人
– 蚊に刺された後、毎回強く腫れる人

応急処置(今日できること)

  • 早めに抗ヒスタミン外用薬/ステロイド外用を使用(短期間)

  • かきこわしを避ける(とびひ等の二次感染リスク)

  • 症状が強い時は抗ヒスタミン内服、発熱・痛みは解熱鎮痛薬を検討(いずれも用法用量を順守)

  • 悪化サイン:腫れ10cm以上、2日超の持続、水ぶくれ・潰瘍、発熱・リンパ節腫脹 → 受診

✅ 一般的な蚊アレルギーの治療に使われる薬
① 【外用薬(塗り薬)】

ステロイド外用薬 ロコイド、リンデロンV、フルメタなど 炎症・腫れ・かゆみを抑える
抗ヒスタミン外用薬 オイラックス、レスタミン軟膏など 軽症や補助的なかゆみ止め

② 【内服薬(かゆみ・腫れが強いとき)】

抗ヒスタミン薬 ザイザル、アレロック、アレグラ、タリオンなど 全身的なかゆみ・アレルギー反応を抑える
ステロイド内服 プレドニゾロンなど 強い腫れや炎症があるときに短期使用(医師判断)
解熱鎮痛薬 アセトアミノフェン、ロキソプロフェンなど 発熱や痛みの緩和に

✅ 市販薬で使えるもの(軽症の場合)

ムヒアルファEX ステロイド+抗ヒスタミン 市販で最も強めの処方、短期間使用
キンカン、ウナコーワクール メントール、アンモニアなど 一時的な清涼感とかゆみ抑制(軽症向け)
レスタミンコーワ軟膏 抗ヒスタミンのみ 小児にも使いやすいが効果はマイルド

🩺 「蚊アレルギー」と似ている症状の病気(鑑別疾患)

通常の蚊刺反応(正常)

⇒小さく赤くふくらみ、かゆみあり/数時間〜1日でおさまる 腫れは小さく一時的/全身症状なし

ノミ・ブヨ・ダニ刺症

⇒強いかゆみ・水ぶくれ・小さな赤い発疹 刺された数が多い/集団で出やすい/ペットや屋外で発生

蜂窩織炎(ほうかしきえん)

⇒急な発赤・腫脹・熱感・痛み/ときに発熱・だるさ 細菌感染/抗菌薬が必要/触れると痛い

薬疹(やくしん)

⇒飲み薬・注射薬後に出る発疹/広範囲に出やすい 左右対称・全身性/薬の服用歴がある

結節性痒疹

⇒かゆみの強い赤い硬い“しこり”が慢性化 数週間〜数か月かけて色素沈着・硬く残ることも

EBウイルス関連蚊刺過敏症

⇒子ども〜若年で重症/発熱・リンパ節腫脹・潰瘍も 血液疾患(NK/T細胞リンパ腫)に関連することもあり、注意が必要

血管炎(アレルギー性紫斑など)

⇒手足の赤紫の斑点・痛み・時に腎炎 点状出血や血尿を伴うことあり/全身性疾患の可能性あり

乳児湿疹/とびひ 夏に多い/かきこわしから細菌感染する 水ぶくれ〜かさぶたへ進行/接触感染・かゆみ強い

👀 蚊アレルギーの特徴をチェック!
✅ 刺されたところが「10cm以上腫れる」
✅ 水ぶくれ・じくじく・かさぶたになる
✅ 2日以上続く腫れや痛み
✅ ときにリンパ節が腫れたり、熱が出る
✅ 家族に同じような体質の人がいる

→ これらに当てはまれば、「蚊刺過敏症(アレルギー)」や関連する疾患の可能性があります。

⚠️緊急度をチェック!
◻︎腫れ10cm以上/2日超
◻︎水ぶくれ・潰瘍
◻︎発熱・リンパ節の腫れ
◻︎強い痛み

→ 1つでも当てはまれば受診/オンライン相談を。

受診の目安(タイムライン)

  • 当日〜翌日:発熱/リンパ節腫脹/潰瘍や強い痛み/腫れ10cm以上

  • 早めに受診:水ぶくれ・じくじく、2日以上持続、毎回強く腫れる体質

  • 様子見可:小さく赤く、数時間〜1日で軽快する通常反応(悪化時は相談)

予防のポイント
症状に応じて、抗ヒスタミン外用薬、ステロイド、
飲み薬などで治療します。蚊の多い時期は虫よけ対策や早めの薬の使用が効果的です。

FAQ

Q1. 普通の蚊刺れと何が違う?
A. 腫れの大きさ・持続・随伴症状が違います。10cm以上に腫れ、数日〜1週間続き、水ぶくれや発熱を伴うことがあります。

Q2. 子どもでもなりますか?
A. はい。子ども(5〜15歳)は注意が必要です。強く出る場合は早めに受診を。

Q3. 市販薬は何を選べば良い?
A. ムヒアルファEX(短期間)やレスタミンコーワ軟膏キンカン/ウナコーワクールなど。効果が弱い・長引くときは受診を。

Q4. 病院ではどんな治療?
A. 症状に応じて外用ステロイド/抗ヒスタミン、必要に応じ内服(抗ヒスタミン、短期のステロイド)、発熱や痛みに解熱鎮痛薬を用います。

Q5. どれくらいで良くなる?
A. 軽症なら数日で軽快しますが、長引く・悪化する場合は評価が必要です。

<参考資料>

新潟薬科大学卒業。筑波大学大学院 公衆衛生学学位プログラム修了(修士)
ウエルシア薬局にて在宅医療マネージャーとして従事し、薬剤師教育のほか、医師やケアマネジャーなど多職種との連携支援に注力。在宅医療の現場における実践的な薬学支援体制の構築をリード。2023年より株式会社アスト執行役員に就任。薬剤師業務に加え、管理業務、人材採用、営業企画、経営企画まで幅広い領域を担当し、事業の成長と組織づくりに貢献している。さらに、株式会社Genonの医療チームメンバーとして、オンライン服薬指導の提供とその品質改善にも取り組むとともに、医療・薬学領域のコンテンツ制作において専門的なアドバイスを行っている。経済産業省主催「始動 Next Innovator 2022」採択、Knot Program 2022 最優秀賞を受賞。

ヒフメドの編集チームは、皮膚疾患で悩む方に向けて専門的かつ最新の情報を分かりやすく届けることを目指しています。アトピーや皮膚感染症といった疾患の基礎知識から、治療・生活管理の実用的なコツ、最新の治療事情まで幅広くカバー。読者が記事を読むことで「すぐに役立てられる」情報提供を心がけています。