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40代 女性のご相談

体部白癬【ぜにたむし】ってどんな病気?

医師の回答

体部白癬は、白癬菌(はくせんきん)というカビ(真菌)の一種がからだの皮膚に感染する病気で、一般的に「ぜにたむし」とも呼ばれています。

〜体にできる“まるいかゆみ”は、白癬菌のしわざかも!?〜
体部白癬は、白癬菌(はくせんきん)というカビ(真菌)の一種がからだの皮膚に感染する病気で、
一般的に「ぜにたむし」とも呼ばれています。
主に白癬菌に感染した自らの足(水虫)や白癬菌に感染した人や動物などに直接触れることで感染します。
感染すると、からだ、腕や脚に赤い小さめのブツブツ[小丘疹(しょうきゅうしん)]があらわれ、感染した場所を
中心に広がります。また、かゆみを伴う場合があります。

体部白癬(たいぶはくせん)は、白癬菌(はくせんきん)と呼ばれるカビ(真菌)が皮膚の角質に感染して起こる皮膚疾患です。一般には「ぜにたむし」とも呼ばれ、体幹や腕、太もも、背中などに、円形または楕円形の赤くかゆい発疹が現れるのが特徴です。発疹は周囲が盛り上がり、中心部がやや枯れたように見えることが多く、境界がはっきりしてリング状や地図状になることもあります。水虫の仲間であり、足白癬や爪白癬から自己感染する場合や、家族やペットからうつる場合もあります。

たとえば、首・脇・下腹部などの体部白癬は、湿気がこもる部位に生じやすく、汗をかきやすい季節やスポーツをする人に多く見られます。ぜにたむしのほかに、股部にできる「股部白癬(いんきんたむし)」、足にできる「足白癬(水虫)」、爪にできる「爪白癬」などが同じ白癬菌による感染症として知られています。

【主な原因】

  • 白癬菌(トリコフィトン属など)の角質感染

  • 汗や蒸れによる高温多湿環境

  • 足白癬・爪白癬からの自己感染

  • 家族やペットとの接触感染

  • 共有物(タオル・寝具・マット等)からの感染

好発部位は首、脇、腕、太もも、下腹部、背中、お尻など、摩擦や湿気の多い場所です。かかりやすい人としては、水虫や爪白癬を持っている人、スポーツや作業で汗をかきやすい人、家族やペットに白癬がある人、また免疫力が低下している人などが挙げられます。

初期には小さな赤い発疹として出現し、次第にリング状に拡大します。かゆみのために掻き壊すと滲出液や二次感染を伴い、慢性化すると皮膚が厚く硬くなる苔癬化〔たいせんか〕を起こすこともあります。悪化因子としては汗、摩擦、誤ってステロイド外用薬を塗布することなどがあり、早期に正しく診断・治療を受けることで再発や拡大を防ぎ、生活の質を保ちやすくなります。

✅ 治療に使われる薬
🔸 治療の中心は「抗真菌薬の外用」
🔸 広範囲または頑固な症例では「内服薬」が使われます。

◆ ①【外用薬(第一選択)】
アリルアミン系 ラミシール®(テルビナフィン) 幅広い抗真菌スペクトル。1日1回でOK
イミダゾール系 ルリコン®(ルリコナゾール)
ラシミール®(ラノコナゾール)
ニゾラール®(ケトコナゾール) 真菌+一部の細菌にも効果あり
モルホリン系 ペキロン®(アモロルフィン) 主に爪白癬に使用されるが、外用で皮膚にも可

📌 使用方法:1日1〜2回、病変よりやや広めに塗布し、2〜4週間継続。
※かゆみが治っても目に見えない菌の残存があるため、指示通り使い切ることが重要です。

◆ ②【内服薬(外用で治りにくい場合)】
テルビナフィン ラミシール®錠 通常1日1回 125mgを2〜4週間程度
イトラコナゾール イトリゾール® 通常1日1回 100mg(または200mg分割)を2〜4週間程度

🔸 保険適用あり。
🔸 多発例・慢性化・爪白癬を合併している場合に使用されます。

◆ ③【補助薬(かゆみ対策など)】
抗ヒスタミン薬 アレグラ®、タリオン®、ザイザル®など かゆみが強いときに一時的に併用
ステロイド外用薬 ロコイド®軟膏など 基本的には単独での使用NG(白癬悪化のリスク)
→「ステロイド単独使用で悪化した白癬」は**タニシ様白癬(tinea incognito)**と呼ばれる

 ◆ 病院で何を調べるの?

  • 視診・問診:皮疹の形態・分布・経過を確認し、白癬に特徴的なリング状発疹かどうかを見分けます。かゆみの経過や既往歴(家族・ペットの有無)も併せて聴取します。
  • 真菌鏡検(KOH直接鏡検):皮膚の角質を少量採取し、カビを溶かす薬剤で処理して顕微鏡で観察します。数分で菌糸の有無が分かるため、診断の第一選択となります。
  • 真菌培養検査:採取した角質を培地で培養し、数日から数週間かけて菌の種類を特定します。再発例や動物由来感染が疑われる場合に有用です。
  • 皮膚生検:発疹が典型的でない場合や湿疹などとの鑑別が難しいときに行われます。局所麻酔下で小片を切除し、組織学的に真菌の存在を確認します。
  • 血液検査:通常は不要ですが、内服抗真菌薬を使用する前に肝機能・腎機能を確認します。持病のある方や長期投与が必要な場合に特に重要です。

🔍 体部白癬と間違えやすい疾患(類似疾患)

 ジベルばら色粃糠疹

⇒胸や背中に赤い楕円形の発疹/かさかさ・非対称に広がる 春先に多い/かゆみは軽く、自然に治ることが多い 

貨幣状湿疹

⇒丸くて赤くかゆい湿疹/じゅくじゅくすることも 真菌がいない/治りにくい/かさぶた・液体が出る

 乾癬(かんせん)

⇒赤くて盛り上がった発疹+白いカサカサした皮むけ 円形だが真菌なし/肘・ひざ・頭などに出やすい

 接触皮膚炎(かぶれ)

⇒かゆみの強い赤い湿疹/薬や金属などが原因 原因に心当たりあり/真菌検査は陰性

 多形滲出性紅斑(EM)

⇒丸い赤い発疹が突然いくつも出現/中央がやや白くなる ウイルス感染後や薬が原因/かゆみは軽い

 皮膚T細胞リンパ腫(菌状息肉症)

⇒長く治らない赤い皮疹/じわじわ広がる 慢性でかゆみ強く、真菌なし/生検で診断される

 カンジダ性間擦疹

⇒湿った部分(わき・股・下乳)に赤い発疹 輪郭が不明瞭でジクジク/サテライト疹が特徴的

予防のポイント
毎日シャワーや入浴で皮膚を清潔にする
汗をかいたら速やかに拭き取り、衣服を着替える
通気性の良い衣服や下着を選ぶ
タオルや衣類を家族と共有しない
足白癬や爪白癬も同時に治療する
ペットの皮膚病があれば早めに受診させる
掻き壊さないよう薬でかゆみをコントロールする
睡眠・食生活を整えて免疫力を保つ

<参考資料>

新潟薬科大学卒業。筑波大学大学院 公衆衛生学学位プログラム修了(修士)
ウエルシア薬局にて在宅医療マネージャーとして従事し、薬剤師教育のほか、医師やケアマネジャーなど多職種との連携支援に注力。在宅医療の現場における実践的な薬学支援体制の構築をリード。2023年より株式会社アスト執行役員に就任。薬剤師業務に加え、管理業務、人材採用、営業企画、経営企画まで幅広い領域を担当し、事業の成長と組織づくりに貢献している。さらに、株式会社Genonの医療チームメンバーとして、オンライン服薬指導の提供とその品質改善にも取り組むとともに、医療・薬学領域のコンテンツ制作において専門的なアドバイスを行っている。経済産業省主催「始動 Next Innovator 2022」採択、Knot Program 2022 最優秀賞を受賞。

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