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50代 男性のご相談

サルコイドーシスってどんな病気?

医師の回答

サルコイドーシスは、全身の臓器やさまざまな部位に炎症が生じ、肉芽腫という硬いブツブツしたもの[結節(けっせつ)]ができる病気です。

〜原因不明の免疫異常で、肺や皮膚に“しこり”や“炎症”ができる病気です〜
サルコイドーシスは、全身の臓器やさまざまな部位に炎症が生じ、肉芽腫という硬いブツブツしたもの[結節(けっせつ)]ができる病気です。 
原因は不明ですが、遺伝的素因、環境素因、免疫学的素因などが複雑に絡んで発症すると考えられています。
多くは自覚症状がなく、健康診断や別の理由で行った胸部X線検査でみつかることが多いです。
多くの場合、自然に治るため、臓器障害などがなく症状が軽微な場合には治療をせずに経過を観察しますが、必要に応じて全身検索をすべきです。
20歳代と50歳以上に多くみられます。

サルコイドーシスとは?肺や皮膚、目、心臓にしこりができる原因不明の免疫疾患
サルコイドーシスは、体の免疫システムが何らかの原因で異常に活性化し、自分の組織に炎症を起こしてしまうことで、肺や皮膚、目、心臓、神経などさまざまな臓器に「肉芽腫(にくげしゅ)」と呼ばれる硬いしこり(結節)ができる病気です。原因は明確には解明されていませんが、遺伝的素因、環境要因、免疫学的異常などが複雑に関係して発症すると考えられており、日本では難病指定もされている疾患です。特に20〜40代の女性に多く見られますが、50歳以降にも発症がみられることがあります。

肺にできた場合は咳や息切れなどの呼吸器症状、目にできた場合はぶどう膜炎による充血や視力障害、皮膚には赤く硬いしこり、心臓では不整脈や失神、神経に及ぶと顔面神経麻痺などが現れます。ただし、初期は無症状のことが多く、健康診断などで偶然胸部X線異常として発見されるケースも少なくありません。多くの場合、数ヶ月〜数年で自然に改善することもあり、軽症で臓器障害がない場合には治療せず経過を観察します。

一方で、心臓・神経・眼病変がある場合は早期治療が必要であり、ステロイド内服(プレドニゾロン)を中心に、必要に応じて免疫抑制薬や生物学的製剤が使用されます。視覚障害や心機能障害につながることもあるため、定期的な眼科・循環器科の精査も非常に重要です。診断には胸部X線やCT、血液検査(ACE・可溶性IL-2受容体など)、眼科検査、皮膚生検など多角的な評価が行われ、臓器障害の有無を調べる全身検索も必要とされます。

症状がなくても臓器にダメージが進行することがあるため、「無症状だから大丈夫」と油断せず、発見後は定期的な検査とフォローアップが大切です。

 

 

✅ サルコイドーシスの治療に使われる主なお薬
🔍 治療方針は「症状のある臓器があるかどうか」で大きく異なります。
軽症の皮膚・肺型は無治療経過観察となることも多いです。

◆ 1. 【全身ステロイド薬】★第一選択薬
プレドニゾロン プレドニン錠 中等症以上の臓器病変(肺・心・中枢神経・目など)に対して使用。初期量は体重換算で15〜30 mg/日が多い
メチルプレドニゾロン ソル・メドロール 重症例では点滴静注パルス療法を行うことも

🔸 ステロイドは少量から始めて数ヶ月かけて漸減
🔸 長期使用による副作用(糖尿病・骨粗鬆症・感染症)に注意

◆ 2. 【局所ステロイド薬】★皮膚型・眼型などに
皮膚病変 ステロイド外用(デルモベートなど) 隆起性紅斑・皮下結節型などに対して
眼病変(ブドウ膜炎など) ステロイド点眼・眼軟膏 必ず眼科専門医が関与

◆ 3. 【免疫抑制薬】★ステロイド抵抗例・副作用回避に
メトトレキサート リウマトレックス ステロイド併用や離脱目的。週1回投与
アザチオプリン イムラン 肝機能や白血球数のモニタリングが必要
タクロリムス プログラフ 難治性眼病変・心サルコイドーシスに使用されることも

◆ 4. 【抗TNF-α抗体薬(生物学的製剤)】※難治例に
インフリキシマブ レミケード ステロイド無効な皮膚・神経・心病変など
アダリムマブ ヒュミラ 特にぶどう膜炎に対する保険適用あり(2021年〜)

◆ 5. 【その他の補助薬】
ヒドロキシクロロキン 皮膚型・高カルシウム血症に使用されることも(抗マラリア薬)
トリアムシノロン局注 限局性皮膚病変(結節)への注射治療
カルシウム・ビタミンD制限 高Ca血症対策(一部例)

 🔬 病院で何を調べるの?

1. 胸部レントゲン・CT検査

2. 血液検査

ACE(アンジオテンシン変換酵素):サルコイドーシスで上昇することがあります。

可溶性IL-2レセプター:活動性の評価に有用。

肝機能、腎機能、カルシウム、炎症反応(CRP)、免疫指標なども確認します。

3. 心電図・心エコー・ホルター心電図

心サルコイドーシスの有無を調べます。

不整脈や心筋の障害がないかを評価します。

4. 眼科検査(細隙灯検査など)

ぶどう膜炎(目の炎症)の有無を調べます。

無症状でも定期的な検査が必要です。

5. 皮膚生検・リンパ節生検

皮膚やリンパ節に病変があれば、肉芽腫の有無を確認するための生検(組織検査)を行います。

診断確定に重要な検査です。

6. 心臓MRI・PET検査

心臓に病変が疑われる場合、より精密な画像検査で炎症や線維化の有無を評価します。

7. 肺機能検査

肺のガス交換機能や容量の異常を確認します。

🔬 間違えやすい他の病気(鑑別)

 皮膚結核

⇒肺結核に合併/結節が硬く痛む 結核菌の検査が陽性/感染力あり
 ハンセン病

⇒神経の感覚低下を伴う しびれ・色素脱失・世界的にまれ
 

類乾癬/皮膚リンパ腫

⇒類似の赤いしこり 生検と免疫染色で鑑別

 膠原病(皮膚筋炎など)

⇒全身の皮疹と筋力低下など 血液検査と筋電図で確認

予防のポイント
定期的な健康診断の受診
粉じん・化学物質などの環境リスクを避けましょう
ストレスや過労のコントロール
目・心臓・神経の異変に早めに気づく

<参考資料>

新潟薬科大学卒業。筑波大学大学院 公衆衛生学学位プログラム修了(修士)
ウエルシア薬局にて在宅医療マネージャーとして従事し、薬剤師教育のほか、医師やケアマネジャーなど多職種との連携支援に注力。在宅医療の現場における実践的な薬学支援体制の構築をリード。2023年より株式会社アスト執行役員に就任。薬剤師業務に加え、管理業務、人材採用、営業企画、経営企画まで幅広い領域を担当し、事業の成長と組織づくりに貢献している。さらに、株式会社Genonの医療チームメンバーとして、オンライン服薬指導の提供とその品質改善にも取り組むとともに、医療・薬学領域のコンテンツ制作において専門的なアドバイスを行っている。経済産業省主催「始動 Next Innovator 2022」採択、Knot Program 2022 最優秀賞を受賞。

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