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20代 女性のご相談

結節性紅斑ってどんな病気?
症状チェックと対処法を皮膚科医が解説

⚠️まずは緊急度をチェック

◻︎ 発熱や関節痛、強いだるさなどの全身症状を伴う
◻︎ 足の痛みで歩行がつらい/日常生活に支障がある
◻︎ 症状を繰り返している(再発している)
◻︎ すね以外(太もも・腕・顔)にも広がってきた

▶︎ 1つでも当てはまれば受診/オンライン相談

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医師の回答

結節性紅斑は、脚の両側に硬いしこりがいくつもできる病気です。原因が不明なものと、感染症や炎症性腸疾患などの病気、妊娠や医薬品によって生じるものがあります。

すねに赤くて痛いしこり?
それ、「結節性紅斑」かもかも!?

結節性紅斑は、脚の両側に硬いしこりがいくつもできる病気です。 原因が不明なものと、感染症や炎症性腸疾患などの病気、妊娠や医薬品によって生じるものがあります。しこりは赤く熱感があり、押すと痛みがあります。発熱を伴うことがあります。20~40代の女性に多くみられます。

W.Eさん

数日前から両足のすねに赤くて硬いしこりがいくつも出て、押すとズキッと痛みます。熱っぽさや関節のだるさもあり、打撲の覚えはありません。見た目はあざのように変わっていき、歩くと響く感じが続きました。両すねに痛む赤いしこりに不安が募りました。

オンラインで相談し、結節性紅斑の可能性を指摘されました。安静にして足を高く保ち、サポーターで軽く圧迫し、熱感が強い時は一時的に冷やすよう助言を受けました。原因検索の必要性を知り、後日対面受診で検査を受ける流れになったのが学びでした。

30秒セルフチェック/診断チャート

01

症状の出方・強さ

両方のすねに赤く硬いしこりが複数ある

押すと痛み、触れると熱っぽい

打撲の覚えがないのにあざのように見える

02

経過・持続

1〜2週間で紫色へ変化しやすい

3〜6週間で自然に消えることが多い

03

随伴症状・背景

発熱・関節痛・だるさが先行または随伴する

風邪や咽頭炎などの感染後に出現した

妊娠中/特定の薬を内服中、または炎症性腸疾患・ベーチェット病・サルコイドーシスの既往がある

結論

該当が多い:要受診
該当が少ない:迷う場合も早めに相談

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結節性紅斑とは?

結節性紅斑(けっせつせいこうはん)とは、すねを中心に赤くて痛みのあるしこりが複数できる皮膚の炎症性疾患です。皮下の脂肪組織が炎症を起こすことで、皮膚の表面に赤〜紫色の結節(硬くて触れるふくらみ)が現れ、触ると熱をもっていて痛みがあるのが特徴です。見た目はあざや打撲のように見えることも多く、左右対称にすねの両側へ同時に出現するケースが多くみられます。

主な好発部位はすね(下腿前面)で、重症の場合には太ももや腕、顔に出ることもあります。10〜40代の女性に多く、特に20〜30代の若年女性に頻繁にみられる病気ですが、誰にでも起こる可能性があります。

この病気は、原因がはっきりしない“特発性”のものと、何らかの背景疾患に伴って起こる“二次性”のものがあります。二次性の原因としては、扁桃炎(溶連菌感染)やマイコプラズマ感染、結核などの感染症、潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患、ベーチェット病、サルコイドーシスなどの全身性疾患が知られています。また、抗菌薬やピル(経口避妊薬)などの薬剤が引き金になることもあります。感染症や内服薬が関与していない場合でも、月経異常やホルモンバランスの変化、体質的な要因などが関係していると考えられています。

症状としては、発熱や関節の痛み、だるさなどの全身症状が先に出ることもあり、その後にすねに赤くて押すと痛い硬いしこりが出現します。これらのしこりは1〜2週間ほどで紫色に変化し、3〜6週間で自然に消えることが多く、跡が残ることは稀です。しかし、再発を繰り返すことがあるため、初回であってもしっかりと診断と原因の検索を行うことが重要です。

治療は、まず原因となる疾患があればその治療を行います。例えば、溶連菌感染がある場合は抗菌薬、薬剤性と判断された場合は該当薬を中止します。原因が特定できない場合や軽症の場合には、安静と痛み止め(NSAIDs)の内服、必要に応じてステロイド治療が行われます。皮膚の腫れや痛みを和らげるために、弾性包帯での圧迫や冷湿布などを併用することもあります。

診断にあたっては、血液検査で炎症の程度や自己免疫の異常を調べるほか、胸部レントゲンで結核やサルコイドーシスの有無を確認、便検査や感染症のチェックなどが行われます。皮膚の見た目だけでなく、全身の病気が隠れている可能性を見逃さないことが大切です。

もし、「すねに赤くて痛いしこりができた」「風邪のあとに足が痛くなってきた」「熱やだるさと同時に皮膚症状が出た」「1回治ったのにまた同じ症状が出てきた」というような症状がある場合には、放置せず早めに皮膚科や内科を受診することが勧められます。「打撲のような見た目だけどぶつけた覚えがない」「歩くとズキズキするけれど関節や筋肉の痛みではない」といった違和感から始まることもあるため、自己判断せず医師に相談することが重要です。

応急処置(今日できること)

  • 安静と足の挙上(腫れ・痛みの軽減)

  • 圧迫包帯やサポーターの併用(疼痛・浮腫の軽減)

  • 熱感が強いときは一時的な冷却

一般的な結節性紅斑治療に使われる薬

✅ 結節性紅斑に使われる主な治療薬
🔍 治療は 原因の除去・対症療法が中心です。
多くは1〜2ヶ月で自然軽快しますが、症状が強い場合には薬が使われます。

① 【消炎鎮痛薬(NSAIDs)】★第一選択

ロキソプロフェン ロキソニン 痛み・腫れの軽減
ナプロキセン ナイキサン 比較的長時間作用型
インドメタシン インダシン 効果強めだが副作用に注意

🔸 軽症〜中等症の第一選択薬
🔸 長期使用は胃腸障害などの副作用に注意

② 【ステロイド薬】
▶ 内服ステロイド(中〜重症例)

プレドニゾロン プレドニン NSAIDsが無効、症状が強い場合に短期使用

🔸 原因がベーチェット病・サルコイドーシスなどの全身性疾患であれば、全身治療の一環として使用されることも。

③ 【抗菌薬(感染が原因の場合)】
原因が溶連菌感染(咽頭炎など)の場合は、抗生物質が有効

アモキシシリン サワシリンなど ペニシリン系。第一選択
クラリスロマイシン クラリスなど マクロライド系。ペニシリンアレルギー時

④ 【原因疾患がある場合の治療】
潰瘍性大腸炎 / クローン病 5-ASA、ステロイドなど腸管治療薬
サルコイドーシス ステロイド治療
ベーチェット病 コルヒチン、ステロイドなど免疫抑制薬

⑤ 【補助的治療】
安静と足の挙上(腫れ・痛みの軽減)
圧迫包帯やサポーター(疼痛・浮腫軽減に有効)
冷却(熱感がある場合に一時的)

病院で何を調べるの?

結節性紅斑は、単なる皮膚症状のように見えても、内科的な病気が関係していることもあるため、早期に医師の診察と検査を受けることが大切です。特に「繰り返す」「熱がある」「足が痛くて歩けない」といった症状がある場合は、放置せず早めの受診をおすすめします。

「結節性紅斑」と似ている症状の病気(鑑別疾患)

蜂窩織炎(ほうかしきえん)

細菌感染で皮ふが赤くはれて熱を持つ 高熱・片側に出る/抗菌薬が必要

打撲や打ち身

明確な外傷のあとにアザができる 原因が明確/数日で変色しやすい

薬疹

薬の副作用で皮ふに赤みや発疹 全身に広がることも/しこりにはならないことが多い

血管炎

血管に炎症が起きて紫斑が出る 点状の出血や潰瘍に進行することも

結節性紅斑の特徴をチェック!

◻︎ 発熱や関節痛、強いだるさなどの全身症状を伴う
◻︎ 足の痛みで歩行がつらい/日常生活に支障がある
◻︎ 症状を繰り返している(再発している)
◻︎ すね以外(太もも・腕・顔)にも広がってきた

▶︎ これらに当てはまれば、「結節性紅斑」や関連する疾患の可能性があります

⚠️緊急度をチェック!

◻︎ 発熱や関節痛などの全身症状を伴う
◻︎ 足の痛みで歩行がつらい
◻︎ 症状を繰り返している
◻︎ すね以外にも広がってきた
 

▶︎ 1つでも当てはまれば受診/オンライン相談を

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受診の目安(タイムライン)

当日〜翌日:発熱がある、足の痛みが強く歩行がつらい

早めに受診:両すねに痛むしこりが出た/再発している/感染(咽頭炎など)の後に出現した

様子見可:軽症で安静等で改善傾向がある。ただし初回は原因検索が大切なので、迷う場合は早めに相談

予防のポイント

予防・セルフケアは疾患により異なります。次回受診時に医師へ相談し、指示に従ってください。

FAQ

Q1. 病院ではどんな検査をしますか?

血液検査で炎症や自己免疫の異常を確認し、胸部レントゲンで結核やサルコイドーシスを評価、必要に応じて感染のチェックを行います。血液検査胸部レントゲン が中心です。

Q2. どれくらいで治りますか?

結節は1〜2週間で紫色へ変化し、3〜6週間で自然に消えることが多い とされています。再発することもあるため、経過を見ながら受診のタイミングを調整します。

Q3. 痛みが強いときはどうすればよいですか?

まずは安静と足の挙上、圧迫包帯やサポーターの併用、熱感が強い場合は一時的な冷却が勧められます。医師の判断で 消炎鎮痛薬(NSAIDs) を用いることがあります。

Q4. 原因として何が考えられますか?

原因不明のほか、感染症炎症性腸疾患・ベーチェット病・サルコイドーシス、妊娠や一部薬剤が知られています。医師とともに背景疾患の有無を確認します。

監修薬剤師/公衆衛生学修士

畔原 篤 Atsushi Azehara

新潟薬科大学卒業。筑波大学大学院 公衆衛生学学位プログラム修了(修士)
ウエルシア薬局にて在宅医療マネージャーとして従事し、薬剤師教育のほか、医師やケアマネジャーなど多職種との連携支援に注力。在宅医療の現場における実践的な薬学支援体制の構築をリード。2023年より株式会社アスト執行役員に就任。薬剤師業務に加え、管理業務、人材採用、営業企画、経営企画まで幅広い領域を担当し、事業の成長と組織づくりに貢献している。さらに、株式会社Genonの医療チームメンバーとして、オンライン服薬指導の提供とその品質改善にも取り組むとともに、医療・薬学領域のコンテンツ制作において専門的なアドバイスを行っている。経済産業省主催「始動 Next Innovator 2022」採択、Knot Program 2022 最優秀賞を受賞。

執筆者

ヒフメドの編集チームは、皮膚疾患で悩む方に向けて専門的かつ最新の情報を分かりやすく届けることを目指しています。アトピーや皮膚感染症といった疾患の基礎知識から、治療・生活管理の実用的なコツ、最新の治療事情まで幅広くカバー。読者が記事を読むことで「すぐに役立てられる」情報提供を心がけています。