
40代 女性のご相談
軟性線維腫(アクロコルドン、スキンタッグ)ってどんな病気?

医師の回答
軟性線維腫は、首やわきの下などにみられる良性のイボ状の突起物 です。 原因は不明ですが、加齢、紫外線、衣服やアクセサリーとの摩擦などと関連があると考えられています。
〜「小さなイボ」が首やわきにポツポツ…それ、“軟性線維腫”かも!〜 軟性線維腫は、首やわきの下などにみられる良性のイボ状の突起物 です。
原因は不明ですが、加齢、紫外線、衣服やアクセサリーとの摩擦などと関連があると考えられています。
大きさは1~3mm程度で、盛り上がってみえます。
少しずつ大きくなっていき、皮膚にぶら下がったような形状に変化する場合もあり、大きくなると摩擦で痛くなる場合があります。
30歳以降の女性や肥満の方に多くみられます。
軟性線維腫(なんせいせんいしゅ)は、首やわきの下などにできる柔らかいイボ状の良性腫瘍で、「スキンタッグ」「アクロコルドン」「懸垂性線維腫」とも呼ばれます。
肌色〜茶色の小さな突起が皮膚にぶら下がるようにできるのが特徴で、特に30代後半以降の女性や肥満体型の方によく見られます。
大きさは1〜3mm程度のものが多いですが、時間の経過とともに少しずつ大きくなったり、数が増えたりすることもあります。
摩擦によって炎症を起こしたり、ネックレスや下着に引っかかって痛みやかゆみを伴うケースもあるため、見た目だけでなく生活の不快感につながることも少なくありません。
発生の原因は明確にはわかっていませんが、加齢や皮膚のたるみ、衣類やアクセサリーによる摩擦、紫外線、ホルモンバランスの変化、そして遺伝的な体質などが複合的に関係していると考えられています。
特に、皮膚と皮膚がこすれやすい首まわり・わきの下・胸の下・足の付け根(股)・まぶたなどにできやすく、肥満傾向の方や妊娠中・更年期の女性にも多くみられます。
鏡を見たときに「首に小さなイボができている」と気づくケースが多く、スキンケアや化粧の際に手に触れて気づくこともあります。軟性線維腫は皮膚科での治療により除去が可能で、市販薬やスキンケアでは改善できません。
主な治療法としては、ハサミやメスでの切除、電気焼灼、炭酸ガスレーザーによる除去などがあり、小さなものであれば数分の処置で日帰りで対応できます。
痛みが心配な場合は麻酔クリームを使用することもあり、安心して治療を受けられます。また、予防や再発防止のためには、ネックレスやタートルネックなどの摩擦を減らすこと、肌を清潔に保ち保湿ケアを行うことが大切です。
自分で引っ張ったり、ハサミや糸などで取り除く行為は出血や感染のリスクがあるため絶対に避けましょう。もし「見た目が気になる」「最近数が増えてきた」「引っかかって痛い」といったお悩みがある場合は、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。
✅軟性線維腫に効く薬はありません
軟性線維腫は皮膚が物理的に盛り上がった構造物(良性腫瘍)なので、
外用薬や内服薬で消すことはできません。
✅ 標準的な治療法(=除去が必要な場合)
① 【医療機関での物理的除去】
はさみで切除 小さくて茎のあるものに。麻酔不要なことも多い
炭酸ガス(CO₂)レーザー 焼灼して止血しながら除去。跡が残りにくい
電気焼灼(高周波) 小さなタグを焼き切る。局所麻酔が必要な場合も
液体窒素(凍結療法) 水ぶくれ・色素沈着が出ることがあるためやや慎重に使用される
「もしかして軟性線維腫かも…」と思ったら?
自分で判断せずに皮ふ科へ相談を!
当院では、スマホで受けられるオンライン診療も対応しています
症状の確認からお薬の処方まで、自宅から気軽にご相談ください
🔬 病院で何を調べるの?
足白癬かどうかを調べるには「KOH検査(顕微鏡検査)」を行います🧪
皮膚の表面のカケラを取って、白癬菌(カビ)がいるかをチェックします。
数分で結果がわかりますので、気軽にご相談ください
🩺 間違えやすい他の皮膚疾患(鑑別疾患)
尋常性疣贅(ウイルス性いぼ)⇒表面ザラザラ/手足によくできる ウイルス感染/液体窒素が有効/感染力あり
伝染性軟属腫(みずいぼ)
⇒子どもに多い/中央がへこんだ柔らかいブツブツ 光沢あり・ウイルス感染/自然に治ることも
色素性母斑(ほくろ)
⇒黒~茶色/平ら or 盛り上がる 毛が生える/色が濃い/出血・変形に注意
皮膚がん(基底細胞がんなど)
⇒高齢者の顔や体幹に出ることも 盛り上がり+出血・潰瘍・急激な拡大があると要検査
軟性線維腫(大きめタイプ)⇒首にしわのように垂れ下がる/2~10mm超えることも 基本は良性/美容目的で除去されることも多い
予防のポイント
1. 摩擦を減らす
2. 皮ふを清潔に保ち、保湿する
3. 体重・体型管理
4. ホルモンバランスに注意
5. 紫外線対策
6. 自己処理はしない
<参考資料>
新潟薬科大学卒業。筑波大学大学院 公衆衛生学学位プログラム修了(修士)
ウエルシア薬局にて在宅医療マネージャーとして従事し、薬剤師教育のほか、医師やケアマネジャーなど多職種との連携支援に注力。在宅医療の現場における実践的な薬学支援体制の構築をリード。2023年より株式会社アスト執行役員に就任。薬剤師業務に加え、管理業務、人材採用、営業企画、経営企画まで幅広い領域を担当し、事業の成長と組織づくりに貢献している。さらに、株式会社Genonの医療チームメンバーとして、オンライン服薬指導の提供とその品質改善にも取り組むとともに、医療・薬学領域のコンテンツ制作において専門的なアドバイスを行っている。経済産業省主催「始動 Next Innovator 2022」採択、Knot Program 2022 最優秀賞を受賞。
ヒフメドの編集チームは、皮膚疾患で悩む方に向けて専門的かつ最新の情報を分かりやすく届けることを目指しています。
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