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イブグリースとは?効果や副作用、正しい使い方をわかりやすく解説

イブグリースは、これまでの治療(ステロイドの塗り薬など)では十分な効果が得られなかった、中等症〜重症のアトピー性皮膚炎に対して使われる新しい「生物学的製剤(注射薬)」です。 かゆみや炎症の根本原因をピンポイントでブロックし、状態が安定すれば「4週間に1回(月に1回)」の注射で済むようになるため、通院や治療の負担を減らしやすいという特徴があります。
ここでは、イブグリースの効果や使い方、気をつけるべき副作用についてわかりやすく解説します。

 イブグリースはどんなお薬?

イブグリースは、アトピー性皮膚炎の「かゆみ」「皮膚の炎症」「バリア機能の低下」を直接的に引き起こしている「IL-13(インターロイキン-13)」という免疫物質の働きだけを狙ってブロックする注射薬です。 原因物質をピンポイントで抑え込むため、高い効果が期待できるとともに、全身の免疫を下げてしまうような重い副作用が少ないというメリットがあります。


 どんな人に使うの?(対象となる患者様)

「ステロイド外用薬や保湿剤などで適切な治療を行っても、強い炎症やかゆみが広範囲に残ってしまう重症のアトピー性皮膚炎の患者様」が対象となります。

  • 対象年齢・体重: 成人、および12歳以上かつ体重40kg以上の小児の方に使用可能です。

 正しい使い方と「自己注射」について

イブグリースは、定期的に使い続けることで皮膚を健康な状態に導き、維持するお薬です。

【投与スケジュールの目安】

  • 初回 と 2週間後: 2本(500mg)を皮下注射します。
  • 4週間後以降: 2週間に1回、1本(250mg)を皮下注射します。
  • 症状が安定してきたら: 医師の判断により、「4週間に1回(月に1回)」へと注射の間隔を延ばすことができます。

【自宅での「自己注射」が可能です】 毎回通院することなく、患者様ご自身(またはご家族)がご自宅で注射を行うことができます。

  • 注射する場所: お腹(へその周りを避ける)、太もも、または上腕部(傷や強い炎症がない正常な皮膚に打ちます)。
  • 事前の準備: 冷蔵庫で保管し、打つ45分前に箱のまま取り出して直射日光を避け、室温に戻しておきます。
  • 医療機関での指導: 最初は必ず院内で医師や看護師から直接指導を受け、安全に打てるようになるまで練習を行いますのでご安心ください。

 注意が必要な人・【治療の超重要ポイント】

治療を安全に進めるため、以下に当てはまる方は必ず事前に医師へご相談ください。

【超重要!】塗り薬は絶対に自己判断でやめないでください イブグリースを使用している間も、これまで通りステロイド外用薬や保湿剤の塗布を必ず続けてください。 お薬が疾病を完全に治しきる(完治させる)魔法の薬というわけではないため、塗り薬による日々のスキンケアの継続が非常に重要です。

  • 現在、ステロイドの飲み薬を使っている方: 注射を始めたからといって、内服薬を急にやめてはいけません。医師の管理のもと、徐々に減らしていく必要があります。
  • 生ワクチンを接種する予定がある方: 安全性が確認されていないため、治療中の生ワクチン接種は避けてください。
  • 寄生虫感染のある方: 本剤を始める前に寄生虫の治療を行う必要があります。
  • 妊娠中・授乳中の方: 妊娠中の安全性に関するデータが非常に限られているため、原則として使用は避けるべきとされています。どうしても必要な場合は、メリットとデメリットを慎重に相談して判断します。

 気をつけたい副作用

イブグリースは重篤な副作用が比較的少ないお薬ですが、以下のような症状があらわれることがあります。

  • 目への影響(高頻度): 結膜炎、アレルギー性結膜炎(目の赤み、かゆみ、目やに)など。
  • 注射した場所の反応: 注射した部位の赤み、痛み、かゆみ、腫れなど。毎回少しずつ打つ場所をずらすことで負担を軽減できます。
  • 感染症: 帯状疱疹など。
  • 重大な副作用(ごく稀): アナフィラキシーなどの重篤な過敏症(血圧低下、息苦しさ、じん麻疹など)。

治療中に「目がひどく充血する・かゆい」「自己注射のやり方で不安がある」などの異常や疑問を感じた場合は、次回の診察を待たずにいつでも当院へご相談ください。

 

医師

山田 貴博 Yamada Takahiro

略歴
  • 2010年:名古屋市立大学医学部 卒業
  • 2010年:NTT西日本大阪病院、阪南中央病院にて研修
  • 同年:大阪大学大学院医学系研究科 神経細胞生物学講座にて基礎医学研究に従事
  • 2015年:阪南中央病院皮膚科 勤務
  • 2017年:天下茶屋あみ皮フ科クリニック 開業
  • 2024年:AMI SKIN CLINIC 開設
  • 2025年:東京駒込皮膚科クリニック 開業
私はこれまで、大学病院や地域の中核病院、そしてクリニックにおいて、アトピー性皮膚炎や湿疹といった一般的な皮膚疾患から、皮膚腫瘍の手術、難治性疾患、さらには褥瘡(床ずれ)の管理まで、幅広く研鑽を積んで参りました。皮膚のトラブルは、見た目の悩みだけでなく、痒みや痛みによって日常生活の質(QOL)を大きく下げてしまうものです。「こんな些細なことで相談してもいいのかな?」とためらわず、ぜひお気軽にご相談ください。丁寧な診察と分かりやすい説明を心がけ、地域の皆さまの「肌のホームドクター」として、健やかな毎日を全力でサポートさせていただきます。