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股や脇の赤茶色のシミ「紅色陰癬(こうしょくいんせん)」とは?水虫との違いと見分け方

「股の付け根や脇の下が赤茶色くなっている」「かゆくはないけど、全然消えない…」 そんな悩み、友達には言いにくいし、一人で不安になりますよね。 それは放置されがちな「紅色陰癬(こうしょくいんせん)」という細菌感染かもしれません。 実はこれ、水虫(いんきんたむし)と見た目がそっくりなのに、使うべき薬は正反対なんです。間違ったセルフケアで長引かせないために、正しい知識を身につけましょう!

1. 「紅色陰癬」ってどんな病気?

「紅色陰癬」という難しい名前ですが、その正体を紐解くと、実は身近な「菌」のいたずらであることがわかります。

まず、主に汗っかきな部活生や、スポーツを頻繁にする高校生です。また、少しふくよかな体型の人や、糖尿病などで肌のバリア機能が落ちている人も、菌が繁殖しやすいため注意が必要です。

これは圧倒的に湿度が上がり、汗で皮膚が常に湿って蒸れやすくなる夏に発症のピークを迎えます。皮膚と皮膚がこすれ合う場所にできます。具体的には「股の付け根(鼠径部)」や「脇の下」、意外なところでは「足の指の間」など、通気性が悪くなりやすい場所に現れます。

その正体は、カビ(真菌)ではなく「コリネバクテリウム」という細菌が爆発的に増殖した状態です。見た目は、境界線がはっきりした「赤茶色〜レンガ色」ののっぺりとしたシミのような湿疹で、表面が少しカサカサしたり、薄くシワが寄ったように見えたりします。

原因は「湿気」と「摩擦」のセットです。高温多湿な環境で皮膚が常に湿った状態になると、この細菌にとって最高の住処になり、一気に増えてしまうのです。

最後に。
この病気の最大の注意点は、「水虫の薬(抗真菌薬)が効かない」ということです。カビではなく「細菌」が原因なので、皮膚科で処方される「抗生物質」の塗り薬(ダラシンなど)や飲み薬を使うことで、驚くほどスッキリ治すことができます。


2. 【体験談】現場のリアルな悩みを聞いてみた

「水虫だと思って薬を塗ったら悪化した」S君(18歳・テニス部)

「夏の大会の後、股の付け根が赤茶色くなっているのに気づきました。『いんきんたむし(水虫)』だと思い込んで、薬局で強い水虫薬を買って塗ったんです。でも、全然治らないどころか、皮膚がヒリヒリして赤みが広がってしまって……。怖くなって皮膚科へ行くと、『紅色陰癬だから水虫の薬は逆効果だよ』と言われ、抗生物質の軟膏をもらったら3日で良くなりました。」

医師からのメッセージ:水虫との「決定的な違い」

「紅色陰癬と水虫を見分けるポイントは、『かゆみの少なさ』と『色の変化』です。水虫は激しいかゆみがあり、縁取りが堤防のように盛り上がりますが、紅色陰癬はかゆみがほとんどなく、全体的に平らな赤茶色です。 皮膚科では、『ウッド灯』という特殊な光を当てる検査をします。紅色陰癬ならサンゴのような鮮やかな赤色(コーラルレッド)に光るので、すぐに診断がつきますよ。」


3. 皮膚科で処方される薬

細菌を根こそぎ退治するために、専用の「抗生物質」が使われます。

① 塗り薬(外用抗生物質)

  • ダラシン(クリンダマイシン): 菌を殺す力が強く、紅色陰癬治療のメインキャラです。
  • アクアチム(ナジフロキサシン): ニキビ治療でも有名ですが、この細菌の増殖も抑えてくれます。
  • テラコートリル: かき壊して炎症がひどい時に使われることがあります。

② 飲み薬(内服抗生物質)

  • エリスロマイシン: 塗り薬だけで治りにくい場合や、範囲が広すぎる時に出される標準的な飲み薬です。

4. 信頼できるデータ:もっと詳しく知りたい方へ


 

  • 自己判断で「水虫薬」を使わない!:見た目が似ていても、カビと細菌では戦い方が違います。
  • 「清潔」と「乾燥」が最強の予防:お風呂上がりは指の間までしっかり拭いて、通気性の良い下着を選びましょう。
  • 恥ずかしがらずに皮膚科へ:ウッド灯検査を受ければ、一瞬で正体がわかって安心できます。

「そのシミ、カビじゃなくて『菌』のせいかもしれません。」 股や脇の変色が気になったら、ヒフメドでお近くの皮膚科を探して相談してみましょう。正しい薬を使えば、驚くほど早く綺麗になりますよ!

執筆・監修:ヒフメド編集部(皮膚科専門医協力) 

 

※この記事は疾患の啓発を目的としています。個別の診断については、必ず医師の診察を受けてください。



医師

山田 貴博 Yamada Takahiro

略歴
  • 2010年:名古屋市立大学医学部 卒業
  • 2010年:NTT西日本大阪病院、阪南中央病院にて研修
  • 同年:大阪大学大学院医学系研究科 神経細胞生物学講座にて基礎医学研究に従事
  • 2015年:阪南中央病院皮膚科 勤務
  • 2017年:天下茶屋あみ皮フ科クリニック 開業
  • 2024年:AMI SKIN CLINIC 開設
  • 2025年:東京駒込皮膚科クリニック 開業
私はこれまで、大学病院や地域の中核病院、そしてクリニックにおいて、アトピー性皮膚炎や湿疹といった一般的な皮膚疾患から、皮膚腫瘍の手術、難治性疾患、さらには褥瘡(床ずれ)の管理まで、幅広く研鑽を積んで参りました。皮膚のトラブルは、見た目の悩みだけでなく、痒みや痛みによって日常生活の質(QOL)を大きく下げてしまうものです。「こんな些細なことで相談してもいいのかな?」とためらわず、ぜひお気軽にご相談ください。丁寧な診察と分かりやすい説明を心がけ、地域の皆さまの「肌のホームドクター」として、健やかな毎日を全力でサポートさせていただきます。