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【医師監修】汗に色がつく「色汗症(しきかんしょう)」の原因と対策|服の変色に悩む方へ

「お気に入りの白いTシャツの脇が青くなっている」「拭いたタオルが黄色くなった」 そんな驚きの経験をしたことはありませんか? 汗に色がつく現象は「色汗症(しきかんしょう)」と呼ばれます。 非常に珍しい症状であるため、「自分だけ変な病気かも」と一人で抱え込んでしまう高校生も少なくありません。しかし、原因を知れば正しく対処できます。皮膚科専門サイト「ヒフメド」が、医師の知見と患者さんの声を交えて詳しく解説します。

1. 色汗症(Chromhidrosis)とは何か?

医師による解説

通常、汗は無色透明ですが、汗腺の中で色素が混ざったり、皮膚表面で化学反応が起きたりすることで色がつきます。 色汗症は大きく分けて、汗そのものに色がついている「真性(しんせい)色汗症」と、皮膚に出てから色がつく「偽性(ぎせい)色汗症」の2種類があります。 身体への直接的な害はありませんが、衣類が汚れるストレスや精神的な不安が大きいため、適切な診断が必要です。


2. 症状別:なぜ汗に色がつくのか?

① アポクリン色汗症(真性)

脇の下やデリケートゾーンにある「アポクリン腺」から出る汗に色がつきます。原因は、アポクリン腺内に存在する「リポフスチン」という色素です。この色素の酸化状態によって、黄色、青色、緑色、茶色、黒色など、さまざまな色の汗が出ます。

② エクリン色汗症(真性)

全身にある「エクリン腺」から出る汗に色がつきます。これは非常に稀ですが、特定の染料、重金属、薬品などを摂取した際に、それらが汗として排出されることで起こります。

③ 偽性(ぎせい)色汗症

汗自体は無色ですが、皮膚の表面で以下のものと混ざって変色します。

  • 細菌: 皮膚の常在菌(コリネバクテリウム属など)が作り出す色素。
  • 外部物質: 衣類の染料、化粧品、金属粉、薬品。

3. 【事例】現場で起きている「色汗症」の悩み

実際に「ヒフメド」に相談に訪れた方のリアルな声をご紹介します。

ケース①:白い制服が青く染まったAさん(高校1年生)

「夏休み明け、学校の白いワイシャツの脇がうっすら青くなっているのに気づきました。洗濯しても落ちなくて……。友達に見られるのが怖くて、ずっと上着が脱げませんでした。病院に行くと『アポクリン色汗症』と診断された。脇汗を抑える治療を始めたら、徐々に色が薄くなり、今では気にせず過ごせています。」

ケース②:特定のサプリで汗が赤くなったB君(高校3年生)

「部活で大量に汗をかいた後、タオルで顔を拭いたら赤っぽくなったんです。驚いて受診したところ、最近飲み始めた海外製のサプリメントに含まれる着色料が原因かもしれないと言われました。サプリを中止したら、数日で汗の色は元に戻りました。」


4. 色汗症の診断と治療法

【医師からのアドバイス】 「色汗症の治療で最も大切なのは『原因の切り分け』です。体質的なものか、外部の刺激によるものかで対策が全く異なります。」

医療機関で行うこと

  1. 視診・問診: どんな時に、何色の汗が出るかを確認します。
  2. ウッド灯検査: 特殊な光を当てて、色素の種類を特定します。
  3. 細菌培養検査: 偽性色汗症(細菌が原因)の疑いがある場合に行います。

主な治療法の一例

  • 塩化アルミニウム液: 汗の出口を塞ぎ、色素の排出を抑えます。
  • ボツリヌス療法(ボトックス): 脇の汗そのものを減らすことで、衣類への着色を防ぎます。
  • 抗生物質: 細菌が原因の「偽性」の場合、塗り薬で菌を抑えると改善します。

5.  今日からできるセルフケア

  1. 清潔を保つ: 汗をかいたらこまめに拭き取るか、シャワーで流すことで、皮膚上での変色を防ぎます。
  2. インナーの工夫: 脇パット付きのインナーや、吸汗速乾素材の肌着を着用し、制服に直接色がつくのをガードします。
  3. 食生活の確認: 飲んでいる薬やサプリメント、特定の食べ物(着色料の多いもの)を控えて様子を見ます。

6. まとめ

色汗症とは、汗に色がつく(または皮膚上で色がつく)稀な皮膚疾患です。

  • 種類: 体質的な「アポクリン色汗症」と、外部刺激による「偽性色汗症」がある。
  • 主な色: 黄、青、緑、赤、黒など、原因物質により多様。
  • 対処法: 制汗剤でのコントロールや、細菌の殺菌、原因物質の除去が有効。

「汗に色がつくのは、体が発しているサインです。」 恥ずかしがる必要はありません。一人で悩まずに、皮膚科専門医に相談して、心も肌もスッキリさせましょう。

執筆・監修:ヒフメド編集部(皮膚科専門医協力)

 

 ※この記事は疾患の啓発を目的としています。症状がある場合は、自己判断せず医療機関を受診してください。

医師

山田 貴博 Yamada Takahiro

略歴
  • 2010年:名古屋市立大学医学部 卒業
  • 2010年:NTT西日本大阪病院、阪南中央病院にて研修
  • 同年:大阪大学大学院医学系研究科 神経細胞生物学講座にて基礎医学研究に従事
  • 2015年:阪南中央病院皮膚科 勤務
  • 2017年:天下茶屋あみ皮フ科クリニック 開業
  • 2024年:AMI SKIN CLINIC 開設
  • 2025年:東京駒込皮膚科クリニック 開業
私はこれまで、大学病院や地域の中核病院、そしてクリニックにおいて、アトピー性皮膚炎や湿疹といった一般的な皮膚疾患から、皮膚腫瘍の手術、難治性疾患、さらには褥瘡(床ずれ)の管理まで、幅広く研鑽を積んで参りました。皮膚のトラブルは、見た目の悩みだけでなく、痒みや痛みによって日常生活の質(QOL)を大きく下げてしまうものです。「こんな些細なことで相談してもいいのかな?」とためらわず、ぜひお気軽にご相談ください。丁寧な診察と分かりやすい説明を心がけ、地域の皆さまの「肌のホームドクター」として、健やかな毎日を全力でサポートさせていただきます。