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蚊アレルギーの概要と症状を深ぼり
皮膚科医が解説

⚠️概要と症状

蚊アレルギーとは、蚊に刺されたあとに、かゆみ・赤み・腫れが強く出たり長引いたりする反応をまとめて呼ぶ状態です。多くは蚊の唾液に対する体の反応で、刺された直後に出るタイプと、数時間〜翌日に強くなるタイプがあります。ごくまれに、発熱やリンパ節の腫れなど全身症状を伴う重いタイプもあり、その場合は背景にウイルス感染が関わることがあります。

たとえば、腕や脚の露出部にできる強い腫れ、刺されたところが水ぶくれや血ぶくれになってかさぶた化するもの、翌日以降に赤みと腫れが広がって数日続くもの、発熱・だるさ・リンパ節の腫れを伴うものなどです。後者の一部は、蚊刺過敏症〔ぶんしかびんしょう〕/重症蚊刺アレルギーと呼ばれ、エプスタイン・バーウイルス(EBウイルス)との関連が指摘されています。

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【主な原因】
それ、ただの虫刺されじゃないかも...

  • 蚊の唾液成分への体の反応で、かゆみや腫れが起こる(個人差があります)。

  • 刺された回数や年齢によって反応の出方が変わり、幼少期は腫れが目立つことがあります。

  • 掻いて傷ができると、炎症が長引いたり、とびひなど二次感染が起きたりします。

  • まれにEBウイルスが関わる重い病態で、強い皮膚症状に加えて発熱など全身症状が出ます。

どこにでやすい?経過は?対処法などについて

好発部位は、腕・脚・顔などの露出部が中心です。腫れやすい人は、子ども、アレルギー体質の人、汗をかきやすい環境で刺されやすい人などが目立ちます。全身症状を伴う重いタイプは頻度は高くありませんが、刺されたたびに高熱が出る、潰瘍のように深くえぐれる、リンパ節が腫れるといった経過がある場合は注意が必要です。

経過は、初期にかゆみと赤みが出て、腫れが広がる(掻くと悪化しやすい)→水ぶくれやかさぶた、色素沈着が残ることがある→繰り返すと皮膚が厚くなる(苔癬化〔たいせんか〕)という流れが典型です。悪化因子は、掻破、汗、摩擦、乾燥、寝不足やストレスなどです。早めに炎症とかゆみを抑えると、跡を残しにくく日常生活の負担も減らせます。

病院で行われる検査

  • 問診・視診:目的は「普通の蚊刺されの反応」なのか「ほかの病気が混ざっているか」を見分けることです。刺された時期、腫れ始めるまでの時間(直後か翌日か)、毎回の強さ、発熱の有無、薬の使用歴を確認し、皮疹の形や広がりを診ます。

  • 血液検査(炎症の程度・体質の確認):目的は全身の炎症やアレルギー傾向を把握することです。白血球、好酸球、炎症反応などを見て、強い腫れが「感染を伴っていないか」の判断材料にもします(結果は採血後に判定します)。

  • 血液検査(EBウイルス関連の評価):目的は、発熱やリンパ節腫脹を伴う重いタイプで、背景にEBウイルスが関わる可能性を検討することです。血中のEBウイルスDNA量やNK細胞(エヌケー細胞)の増加などを確認し、疑いが強い場合は血液内科と連携して評価します。

  • 細菌培養(じくじく・膿があるとき):目的は二次感染の原因菌を調べ、必要な抗菌薬を選ぶことです。滲出液や膿を綿棒でぬぐって提出し、数日で結果が出ます。

  • 皮膚生検(皮膚の一部を調べる検査):目的は、深い潰瘍や水疱が繰り返す場合に、炎症の型や特殊な細胞浸潤を確認することです。局所麻酔で小さく採取し、結果まで日数がかかり、体質によっては小さな傷跡が残ることがあります。重症蚊刺アレルギーが疑われる場合に検討されます。
    (必要に応じて、発熱や臓器障害が疑われる場合は肝機能などの追加検査を行います。 )

予防のポイント

  • 外出時は長袖・長ズボンで露出を減らし、足首や手首も守る

  • 虫よけを使い、汗をかいたら塗り直す

  • 刺されたら早めに洗い、冷やして腫れを広げにくくする

  • かゆみが強い日は掻かない工夫をし、必要なら薬でかゆみを抑える

  • じくじく・痛み・熱感が強いときは二次感染を疑い、早めに受診する

  • 刺され跡は紫外線で色が残りやすいので、日焼け止めや衣類で守る

  • 刺されるたびに高熱が出る、潰瘍のように深くなる、リンパ節が腫れる場合は早めに医療機関へ(重いタイプの可能性があります)

一般的な蚊アレルギー治療に使われる薬

① 外用薬(塗り薬)
ステロイド外用薬 ロコイド、リンデロンV、フルメタなど 炎症・腫れ・かゆみを抑える
抗ヒスタミン外用薬 オイラックス、レスタミン軟膏など 軽症や補助的なかゆみ止め

② 内服薬(かゆみ・腫れが強いとき)
抗ヒスタミン薬 ザイザル、アレロック、アレグラ、タリオンなど 全身的なかゆみ・アレルギー反応を抑える
ステロイド内服 プレドニゾロンなど 強い腫れや炎症があるときに短期使用(医師判断)
解熱鎮痛薬 アセトアミノフェン、ロキソプロフェンなど 発熱や痛みの緩和に

市販薬で使えるもの(軽症の場合)

ムヒアルファEX ステロイド+抗ヒスタミン 市販で最も強めの処方、短期間使用
キンカン、ウナコーワクール メントール、アンモニアなど 一時的な清涼感とかゆみ抑制(軽症向け)
レスタミンコーワ軟膏 抗ヒスタミンのみ 小児にも使いやすいが効果はマイルド

蚊アレルギーの特徴をチェック!

◻︎刺されたところが「10cm以上腫れる」
◻︎水ぶくれ・じくじく・かさぶたになる
◻︎2日以上続く腫れや痛み
◻︎ときにリンパ節が腫れたり、熱が出る
◻︎家族に同じような体質の人がいる

▶︎ これらに当てはまれば、「蚊刺過敏症(アレルギー)」や関連する疾患の可能性があります

受診の目安(タイムライン)

当日〜翌日:発熱/リンパ節腫脹/潰瘍や強い痛み/腫れ10cm以上

早めに受診:水ぶくれ・じくじく、2日以上持続、毎回強く腫れる体質

様子見可:小さく赤く、数時間〜1日で軽快する通常反応(悪化時は相談)

FAQ

Q1. 普通の蚊刺れと何が違う?

腫れの大きさ・持続・随伴症状が違います。10cm以上に腫れ、数日〜1週間続き、水ぶくれや発熱を伴うことがあります。

Q2. 子どもでもなりますか?

はい。子ども(5〜15歳)は注意が必要です。強く出る場合は早めに受診を。

Q3. 市販薬は何を選べば良い?

ムヒアルファEX(短期間)やレスタミンコーワ軟膏キンカン/ウナコーワクールなど。効果が弱い・長引くときは受診を。

Q4. 病院ではどんな治療?

症状に応じて外用ステロイド/抗ヒスタミン、必要に応じ内服(抗ヒスタミン、短期のステロイド)、発熱や痛みに解熱鎮痛薬を用います。

Q3. どれくらいで良くなる?

軽症なら数日で軽快しますが、長引く・悪化する場合は評価が必要です。

医師

山田 貴博 Yamada Takahiro

略歴
  • 2010年:名古屋市立大学医学部 卒業
  • 2010年:NTT西日本大阪病院、阪南中央病院にて研修
  • 同年:大阪大学大学院医学系研究科 神経細胞生物学講座にて基礎医学研究に従事
  • 2015年:阪南中央病院皮膚科 勤務
  • 2017年:天下茶屋あみ皮フ科クリニック 開業
  • 2024年:AMI SKIN CLINIC 開設
  • 2025年:東京駒込皮膚科クリニック 開業
私はこれまで、大学病院や地域の中核病院、そしてクリニックにおいて、アトピー性皮膚炎や湿疹といった一般的な皮膚疾患から、皮膚腫瘍の手術、難治性疾患、さらには褥瘡(床ずれ)の管理まで、幅広く研鑽を積んで参りました。皮膚のトラブルは、見た目の悩みだけでなく、痒みや痛みによって日常生活の質(QOL)を大きく下げてしまうものです。「こんな些細なことで相談してもいいのかな?」とためらわず、ぜひお気軽にご相談ください。丁寧な診察と分かりやすい説明を心がけ、地域の皆さまの「肌のホームドクター」として、健やかな毎日を全力でサポートさせていただきます。
 

監修薬剤師/公衆衛生学修士

畔原 篤 Atsushi Azehara

新潟薬科大学卒業。筑波大学大学院 公衆衛生学学位プログラム修了(修士)
ウエルシア薬局にて在宅医療マネージャーとして従事し、薬剤師教育のほか、医師やケアマネジャーなど多職種との連携支援に注力。在宅医療の現場における実践的な薬学支援体制の構築をリード。2023年より株式会社アスト執行役員に就任。薬剤師業務に加え、管理業務、人材採用、営業企画、経営企画まで幅広い領域を担当し、事業の成長と組織づくりに貢献している。さらに、株式会社Genonの医療チームメンバーとして、オンライン服薬指導の提供とその品質改善にも取り組むとともに、医療・薬学領域のコンテンツ制作において専門的なアドバイスを行っている。経済産業省主催「始動 Next Innovator 2022」採択、Knot Program 2022 最優秀賞を受賞。

執筆者

ヒフメドの編集チームは、皮膚疾患で悩む方に向けて専門的かつ最新の情報を分かりやすく届けることを目指しています。アトピーや皮膚感染症といった疾患の基礎知識から、治療・生活管理の実用的なコツ、最新の治療事情まで幅広くカバー。読者が記事を読むことで「すぐに役立てられる」情報提供を心がけています。