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40代 男性のご相談

男性型脱毛症【AGA(えーじーえー)】ってどんな病気?
症状チェックと対処法を皮膚科医が解説

⚠️まずは緊急度をチェック

◻︎ 短期間で急に円形に抜ける(円形脱毛症が疑われる)
◻︎ フケ・かゆみ・赤みが強く皮膚症状が目立つ(脂漏性皮膚炎の可能性)
◻︎ 抗がん剤など内服薬後に全体的に一気に抜ける(薬剤性脱毛症)
◻︎ 強い牽引のある髪型で生え際が薄くなる(牽引性脱毛症)
◻︎ 体毛も含め全身の毛が薄くなる/体調不良を伴う(甲状腺疾患・栄養不足)

▶︎ 1つでも当てはまれば受診/オンライン相談

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医師の回答

AGAは「皮ふの病気」ではなく、「毛の生え変わりサイクル(ヘアサイクル)の異常」なんです。

男性型脱毛症(AGA)とは?
早めの対策がカギ

「最近、おでこが広くなった気がする…」 「頭頂部の地肌が透けて見える…」 それ、もしかすると AGA(男性型脱毛症) のはじまりかもしれません。

S.Aさん

数年前から生え際が少しずつ後退し、最近は頭頂部の地肌まで透けて見えるように。家族にも指摘され、写真で見比べると確かに進んでいました。自然に止まらない進行だと知って不安に。

オンラインで相談し、進行を抑える内服と外用の併用を提案されました。生活面の見直しもセットで続ける方針に。数か月単位で評価すること、自己判断で増減しないことを学び、腰を据えて取り組む気持ちになれました。

30秒セルフチェック/診断チャート

01

症状の出方・強さ

生え際がM字型に後退してきた

頭頂部(O字)が薄く地肌が透ける

髪が細く短くなり抜け毛が増える

02

経過・持続

思春期以降にゆっくり進む

自然に止まらず数年単位で進行する

03

随伴症状・背景

家族に薄毛がいる

ストレス/不規則な生活が重なる

フケ・かゆみ・赤みが強い/急に円形に抜ける場合は別の病気を考える

結論

該当が多い:要受診
該当が少ない:迷う場合も早めに相談

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男性型脱毛症【AGA(えーじーえー)】とは?

男性型脱毛症(AGA/エージーエー)とは、思春期以降の男性に発症する進行性の脱毛症で、日本人男性の約3人に1人、特に20代~30代以降の成人男性の多くが経験すると言われています。

額の生え際(M字型)や頭頂部(O字型)から髪が徐々に細くなり、抜け毛が増えていくのが特徴で、進行すると全体的な薄毛へとつながるケースもあります。

AGAの主な原因は、男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)によって毛髪の成長サイクルが乱れ、髪の毛が十分に育たず細く・短く・抜けやすくなることです。特に、父親や祖父など家族に薄毛の人がいる場合、遺伝的に同じような脱毛パターンになることが多く、さらにストレスや不規則な生活習慣も発症や進行に影響します。

AGAは自然に止まることがなく、数年単位でゆっくりと進行するため、自覚症状が出る頃にはある程度進んでいるケースも少なくありません。そのため、「最近、おでこが広くなってきた」「頭頂部の地肌が透けて見える」といった初期症状を感じた段階で早期に対策することが非常に重要です。

現在のAGA治療は、脱毛の進行を抑える「フィナステリド」や「デュタステリド」などの抗男性ホルモン薬と、発毛を促進する「ミノキシジル(内服・外用)」の2ステップが基本です。これらの治療は継続的に行うことで効果を発揮し、多くの方が薄毛の進行抑制や発毛の改善を実感しています。さらに、日常生活においても、頭皮を清潔に保つ・バランスの取れた食事(たんぱく質、亜鉛、鉄分など)・十分な睡眠・ストレスの軽減・禁煙などが、毛髪の健康を保つうえで大切です。ただし、サプリメントや市販の育毛剤だけでは効果が限定的なことが多く、医師の診断に基づいた適切な治療が推奨されます。

応急処置(今日できること)

  • 頭皮を清潔に保つ

  • 質の高い睡眠を確保する

  • ストレスをためない工夫をする

  • 禁煙・節酒を心がける

  • 紫外線対策を行う

  • 「気づいたときに始める」を意識して早めに相談

一般的な 男性型脱毛症【AGA(えーじーえー)】治療

① 【内服薬(進行抑制・予防)】
▶ 男性ホルモン(DHT)の働きをブロックする薬

フィナステリド プロペシア、フィナステリド錠 DHTの生成を阻害。進行抑制に有効。保険適用外。
デュタステリド ザガーロ、デュタステリド錠 フィナステリドよりDHT抑制力が強く、効果も高いとされる。

🔸 髪を生やすというより「抜け毛を止める」目的の薬
🔸 1日1回内服、効果判定は6ヶ月~1年必要

② 【外用薬(発毛促進)】
▶ 血流促進・成長因子刺激による発毛作用

ミノキシジル外用 リアップX5(市販)
ミノキシジル外用液5%(処方) 売上No.1。頭皮に1日2回塗布。毛母細胞を活性化。
ピディオキシジル(類似成分) 市販の発毛剤に含まれることあり ミノキシジルより低刺激と言われることもある

🔸 産毛を太くするタイプの発毛剤
🔸 初期脱毛が一時的に起こることも(2〜4週目)

③ 【ミノキシジル内服(ミノタブ)】※国内未承認薬
ミノキシジルタブレット(ミノタブ):海外では使用されるが、日本では保険未承認・副作用リスクあり(血圧低下、むくみ、心拍数増加など)

医師の監視下で慎重に処方されることがあります(自己使用は非推奨)

④ 【補助的な治療薬・サプリ】

亜鉛(Zn) 毛母細胞の成長をサポート
ビオチン 髪や爪の成長を支えるビタミン
ノコギリヤシ DHTを抑える天然素材(エビデンスは限定的)

🔸 これらは単独での効果は弱く、あくまで補助的な位置づけです。

AGAは進行する前に対策を!

  • AGAは男性に多くみられる進行性の脱毛症

  • 原因はDHTによるヘアサイクルの乱れ

  • 治療は早ければ早いほど効果的

「 男性型脱毛症【AGA(えーじーえー)】」と似ている症状の病気(鑑別疾患)

円形脱毛症

突然円形に脱毛/自己免疫が関与 短期間で急に脱毛/丸い形/眉毛やひげにも出ることあり

脂漏性皮膚炎

フケ・かゆみ・赤みがあり脱毛を伴うことも 炎症+かゆみあり/皮膚症状が目立つ

薬剤性脱毛症

抗がん剤などの副作用で脱毛 全体的に一気に抜ける/内服薬の影響が明確

牽引性脱毛症

髪を強く引っ張る習慣(ポニーテール等) 髪型や習慣によるもの/前頭部生え際に多い

女性型脱毛症(FAGA)

全体的に髪が細く・分け目が広がる 男性とパターンが異なる/閉経後に増える

甲状腺疾患・栄養不足

全身の毛が薄くなる/体調不良も伴うことあり 血液検査で診断可能/体毛も一緒に減る場合あり

男性型脱毛症【AGA(えーじーえー)】の特徴をチェック!

◻︎ 短期間で急に円形に抜ける(円形脱毛症が疑われる)
◻︎ フケ・かゆみ・赤みが強く皮膚症状が目立つ(脂漏性皮膚炎の可能性)
◻︎ 抗がん剤など内服薬後に全体的に一気に抜ける(薬剤性脱毛症)
◻︎ 強い牽引のある髪型で生え際が薄くなる(牽引性脱毛症)
◻︎ 体毛も含め全身の毛が薄くなる/体調不良を伴う(甲状腺疾患・栄養不足)

▶︎ これらに当てはまれば、「男性型脱毛症【AGA(えーじーえー)】」や関連する疾患の可能性があります

⚠️緊急度をチェック!

◻︎ 短期間で急に円形に抜ける
◻︎ フケ・かゆみ・赤みが強い
◻︎ 薬の影響が明確で一気に抜ける
◻︎ 全身の毛が薄くなる/体調不良を伴う
 

▶︎ 1つでも当てはまれば受診/オンライン相談を

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受診の目安(タイムライン)

当日〜翌日:急な円形の脱毛、強い炎症症状、薬剤による一気の脱毛、体調不良を伴う脱毛

早めに受診:生え際や頭頂部の地肌が透けるなど初期サインを感じた段階(進行は自然に止まらないため)

様子見可:生活習慣の見直しを始めつつ、数か月単位で経過と写真を確認。迷う場合も相談を

予防のポイント

  • 頭皮を清潔に保つ

  • 質の高い睡眠を確保する

  • ストレスをためない

  • 禁煙・節酒を心がける

  • 紫外線対策を忘れない

  • 気づいたときに始める(早めの対策)

FAQ

Q1. まずは何から治療を始めますか?

進行抑制の フィナステリド/デュタステリド と、発毛促進の ミノキシジル外用 が基本です。併用し、継続して評価します。

Q2. 効果はどれくらいで分かりますか?

目安は 6か月〜1年 で効果判定します。写真で経過を比較し、医師と調整します。

Q3. ミノキシジル外用で「初期脱毛」が出ると聞きました

導入後 2〜4週目 に一時的に抜け毛が増えることがありますが、多くは想定内の反応です。継続可否は医師と確認してください。

Q4. ミノキシジル内服(ミノタブ)は使えますか?

国内では 未承認 で、副作用(血圧低下、むくみ、心拍数増加など)に注意が必要です。自己判断の使用は避け、必要時は医師の監視下で。

Q4. サプリは効果がありますか?

亜鉛・ビオチン・ノコギリヤシは位置づけとして 補助的 です。単独での効果は限定的と考え、基本治療と併用しつつ医師へ相談してください。

監修薬剤師/公衆衛生学修士

畔原 篤 Atsushi Azehara

新潟薬科大学卒業。筑波大学大学院 公衆衛生学学位プログラム修了(修士)
ウエルシア薬局にて在宅医療マネージャーとして従事し、薬剤師教育のほか、医師やケアマネジャーなど多職種との連携支援に注力。在宅医療の現場における実践的な薬学支援体制の構築をリード。2023年より株式会社アスト執行役員に就任。薬剤師業務に加え、管理業務、人材採用、営業企画、経営企画まで幅広い領域を担当し、事業の成長と組織づくりに貢献している。さらに、株式会社Genonの医療チームメンバーとして、オンライン服薬指導の提供とその品質改善にも取り組むとともに、医療・薬学領域のコンテンツ制作において専門的なアドバイスを行っている。経済産業省主催「始動 Next Innovator 2022」採択、Knot Program 2022 最優秀賞を受賞。

執筆者

ヒフメドの編集チームは、皮膚疾患で悩む方に向けて専門的かつ最新の情報を分かりやすく届けることを目指しています。アトピーや皮膚感染症といった疾患の基礎知識から、治療・生活管理の実用的なコツ、最新の治療事情まで幅広くカバー。読者が記事を読むことで「すぐに役立てられる」情報提供を心がけています。