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20代 男性のご相談

梅毒(扁平コンジローム)ってどんな病気?
症状チェックと対処法を皮膚科医が解説

⚠️まずは緊急度をチェック

◻︎ 陰部・肛門まわり、わき・乳房下など擦れる部位に、平たく盛り上がるブツブツが出ている
◻︎ 全身の赤い発疹、脱毛、口内の白斑、倦怠感など第2期を疑う症状がある
◻︎ 妊娠中に発疹やしこり・潰瘍がある、または梅毒感染の心配がある
◻︎ 痛みや出血を伴う硬い病変が長く変わらない/徐々に悪化している
◻︎ パートナーの感染が疑われる、または性行為後に症状が出た

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医師の回答

扁平コンジローマは、肛門周囲、外陰部、わきの下、乳房の下などの皮膚が擦れ合う場所でみられる浸潤した平らに盛り上がったブツブツ[丘疹(きゅうしん)]で、多くの梅毒トレポネーマが存在し、感染性が高い病気です。

皮膚や粘膜にできる“しこりや湿疹”…
それ性感染症のサインかも!?

第Ⅰ期梅毒の症状が改善して4~10週間ほど経過した後に、粘膜や皮膚から体内に侵入した梅毒トレポネーマが血液によって全身に運ばれることで、第Ⅱ期に分類される扁平コンジローマを発症します。 扁平コンジローマは、肛門周囲、外陰部、わきの下、乳房の下などの皮膚が擦れ合う場所でみられる浸潤した平らに盛り上がったブツブツ[丘疹(きゅうしん)]で、多くの梅毒トレポネーマが存在し、感染性が高い病気です。

R.Rさん

お風呂で肛門まわりに平たいブツブツを見つけ、かぶれと思っていました。数日で数が増え、下着に擦れて違和感も。検索すると梅毒の可能性が出て不安になり、皮膚科を受診しました。 血液検査で梅毒が判明し、抗菌薬を処方。1〜2週間でブツブツは目立たなくなり、パートナーにも検査を勧めました。湿疹に似ていても感染症のサインがあると学び、早く相談して良かったです。

30秒セルフチェック/診断チャート

01

症状の出方・強さ

擦れる湿潤部位に、浸潤した平たいブツブツ(丘疹)がある

全身に赤い発疹(ばら疹)が出た/口内に白い斑がある

初期に硬いしこり・潰瘍があった(その後に出現)

02

経過・持続

第1期症状の改善後、4〜10週ほどで出てきた

発疹が体の広い範囲に増えてきた

03

随伴症状・背景

倦怠感がある、発熱やストレスで悪化しやすい

性交渉歴がある/複数パートナーがいる、パートナーの感染が疑わしい

妊娠中である、または妊娠の可能性がある

結論

該当が多い:要受診
該当が少ない:迷う場合も早めに相談

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梅毒(扁平コンジローム)とは?

梅毒(ばいどく)とは、「トレポネーマ・パリダム」という細菌に感染することで、皮膚や粘膜に潰瘍や発疹など多彩な症状を引き起こす性感染症です。感染の初期には性器や口にしこりや潰瘍が生じ、その後、時間の経過とともに全身に湿疹様の皮疹やリンパ節の腫れ、発熱などを呈します。妊婦に感染があると胎児に先天梅毒を起こす危険があるため、早期発見と治療が極めて重要です。

たとえば、第2期梅毒では、全身の赤い発疹(ばら疹)、脱毛、口腔内の白斑、倦怠感などが現れます。扁平コンジロームはこの時期にみられる代表的な皮膚症状で、肛門周囲や外陰部などに湿疹やいぼ状の病変が出現します。これらは尋常性疣贅(いぼ)や湿疹と紛らわしく、誤認されやすい点に注意が必要です。

【主な原因】

  • トレポネーマ・パリダムという細菌の感染

  • 性交渉による接触感染

  • 妊娠中に母体から胎児への母子感染

  • 潰瘍や皮疹からの体液接触

梅毒は性器・肛門周囲・口腔内など粘膜や皮膚の薄い部位に初発しやすく、若年者や複数のパートナーをもつ方、また妊婦に多くみられます。特に湿潤部位である外陰部や肛門部に扁平コンジロームが出現しやすい傾向があります。

経過は、初期の硬いしこりや潰瘍から始まり、第2期では全身性の発疹や扁平コンジロームが出現します。放置すると神経や臓器に障害を及ぼす後期梅毒へ進行することがあります。掻破や摩擦、発熱やストレスは悪化因子となり得ます。早期に受診し、抗菌薬治療を受けることで生活の質を保ちながら再感染や合併症を防ぐことが可能です。

応急処置(今日できること)

応急対応は疾患により異なります。自己判断での処置は避け、症状が強い/拡大する/痛む場合は医師に相談してください。

一般的な梅毒(扁平コンジローム)治療に使われる薬

梅毒の標準的な抗菌薬治療で扁平コンジローマも消失します。

アモキシシリン(サワシリン®)+プロベネシド 第一選択/2g/日×2〜4週間(病期に応じて)
ドキシサイクリン ペニシリンアレルギー例に使用(100mg×2/日)
セフトリアキソン静注 神経梅毒や重症例/日帰り治療では難しい

📌 皮膚病変は治療後1〜2週間で改善しはじめ、完全に消失します。

病院で何を調べるの?

  • 視診・問診:皮疹の形態や分布、発症時期、性交歴などを確認し、梅毒の可能性を推測します。皮膚や粘膜の潰瘍や扁平コンジロームの特徴を直接観察します。

  • 血液検査(抗体検査):RPRやTPHAなどの検査で感染の有無や活動性を判定します。初診時と治療後に繰り返し測定し、抗体価の推移を追跡します。

  • ダーモスコピー:皮膚の病変を拡大して観察し、疣贅や湿疹などとの鑑別を行います。非侵襲的で迅速に確認できる利点があります。

  • 皮膚生検:診断が不明瞭な場合に実施され、病理組織で梅毒性変化を確認します。局所麻酔下で一部を切除し、結果は数日後に判明します。

  • 病原菌検出(暗視野顕微鏡法など):潰瘍や病変部から直接トレポネーマ・パリダムを確認する方法です。迅速に菌体を証明できる一方で、特殊な設備が必要です。

  • パートナー検査:患者の性行為相手も血液検査を受けることが推奨され、感染連鎖を防ぐ目的で重要です。

「梅毒(扁平コンジローム)」と似ている症状の病気(鑑別疾患)

尖圭コンジローマ HPVによる性感染症

イボ/ツブツブが連なる カリフラワー状/乾いている/かゆみがあることも

尋常性疣贅(ふつうのいぼ)

手足・陰部にできる硬いいぼ 盛り上がりがしっかり/感染力は低い/ウイルス性

カンジダ性間擦疹

股・陰部の赤くジュクジュクした湿疹 抗真菌薬で改善/白いカス/強いかゆみ

接触皮膚炎・湿疹

下着・ナプキンなどでかぶれる 原因に心当たりあり/左右対称のことが多い

有棘細胞がん(皮膚のがん)

硬くてただれる・出血を伴う 痛み・出血/長く変わらない or 徐々に悪化

伝染性軟属腫(みずいぼ)

子どもや免疫力低下時に/光沢あるポツポツ 中央が凹んでいる/押すと白い芯が出る

梅毒(扁平コンジローム)の特徴をチェック!

◻︎ 陰部・肛門まわり、わき・乳房下など擦れる部位に、平たく盛り上がるブツブツが出ている
◻︎ 全身の赤い発疹、脱毛、口内の白斑、倦怠感など第2期を疑う症状がある
◻︎ 妊娠中に発疹やしこり・潰瘍がある、または梅毒感染の心配がある
◻︎ 痛みや出血を伴う硬い病変が長く変わらない/徐々に悪化している
◻︎ パートナーの感染が疑われる、または性行為後に症状が出た

▶︎ これらに当てはまれば、「梅毒(扁平コンジローム)」や関連する疾患の可能性があります

⚠️緊急度をチェック!

◻︎ 湿潤部位に平たいブツブツが出て感染性が疑われる
◻︎ 全身発疹・脱毛・口内白斑・倦怠感など第2期の兆候
◻︎ 妊娠中で発疹やしこり・潰瘍がある/感染の不安がある
◻︎ 痛み・出血を伴う硬い病変が長く不変または悪化
 

▶︎ 1つでも当てはまれば受診/オンライン相談を

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受診の目安(タイムライン)

当日〜翌日:妊娠中の発疹やしこり・潰瘍、感染性が高い病変を疑う場合、痛み・出血を伴う硬い病変

早めに受診:全身の赤い発疹、脱毛、口内白斑、倦怠感、陰部・肛門周囲のいぼ状/湿疹様病変

様子見可:本文に明確な記載はありません。自己判断での様子見は推奨されません。

予防のポイント

  • 性交渉時はコンドームを正しく使用する

  • 定期的に性感染症検査を受ける

  • 陰部や肛門まわりの発疹・しこりを放置しない

  • パートナーの感染が疑われる場合は一緒に受診する

  • 妊娠中は必ず梅毒検査を受ける

  • 十分な睡眠・栄養・ストレス対策で体調を整える

FAQ

Q1. 扁平コンジロームは人にうつりますか?

梅毒第2期の病変で感染性が高いとされています。接触を避け、速やかに検査と治療を受けてください。

Q2. どんな検査をしますか?

視診・問診に加え、RPR/TPHAなどの血液検査を行います。必要に応じてダーモスコピー、皮膚生検、暗視野顕微鏡法を用います。

Q3. どのくらいで治りますか?

標準的な抗菌薬治療で多くは1〜2週間で皮疹が改善し始めます。医師の指示に従い最後まで内服してください。

Q4. パートナーは受診が必要ですか?

感染連鎖を防ぐため、性行為の相手も血液検査を受けることが推奨されます。

監修薬剤師/公衆衛生学修士

畔原 篤 Atsushi Azehara

新潟薬科大学卒業。筑波大学大学院 公衆衛生学学位プログラム修了(修士)
ウエルシア薬局にて在宅医療マネージャーとして従事し、薬剤師教育のほか、医師やケアマネジャーなど多職種との連携支援に注力。在宅医療の現場における実践的な薬学支援体制の構築をリード。2023年より株式会社アスト執行役員に就任。薬剤師業務に加え、管理業務、人材採用、営業企画、経営企画まで幅広い領域を担当し、事業の成長と組織づくりに貢献している。さらに、株式会社Genonの医療チームメンバーとして、オンライン服薬指導の提供とその品質改善にも取り組むとともに、医療・薬学領域のコンテンツ制作において専門的なアドバイスを行っている。経済産業省主催「始動 Next Innovator 2022」採択、Knot Program 2022 最優秀賞を受賞。

執筆者

ヒフメドの編集チームは、皮膚疾患で悩む方に向けて専門的かつ最新の情報を分かりやすく届けることを目指しています。アトピーや皮膚感染症といった疾患の基礎知識から、治療・生活管理の実用的なコツ、最新の治療事情まで幅広くカバー。読者が記事を読むことで「すぐに役立てられる」情報提供を心がけています。