ミチーガの基本情報

基本情報
効能・効果
- アトピー性皮膚炎のそう痒
- 結節性痒疹
注意すべき副作用
湿疹 、 紅斑 、 貨幣状湿疹 、 丘疹 、 アトピー性皮膚炎 、 皮膚炎 、 皮膚感染症 、 膿痂疹 、 ヘルペス感染 、 蜂巣炎
用法・用量(主なもの)
- 〈アトピー性皮膚炎に伴うそう痒〉通常、6歳以上13歳未満の小児にはネモリズマブ(遺伝子組換え)として1回30mgを4週間の間隔で皮下投与する
- 〈結節性痒疹〉通常、成人及び13歳以上の小児にはネモリズマブ(遺伝子組換え)として初回に60mgを皮下投与し、以降1回30mgを4週間の間隔で皮下投与する
- (用法及び用量に関連する注意)7.1. 本剤投与後に浮腫性紅斑、湿疹等の発現を含む、皮膚症状の悪化が認められているので、皮膚症状が悪化した場合には、本剤の継続の可否について慎重に検討すること
- 7.2. 本剤とミチーガ皮下注用60mgシリンジの生物学的同等性は示されていないことから、互換使用を行わないこと
使用する部位について
ミチーガ®(ネモリズマブ)は、アトピー性皮膚炎に伴うつらい「かゆみ」を抑えるための注射薬です。
かゆみに関わるIL-31(インターロイキン-31)という物質の働きをブロックすることで、皮膚をかく行動(掻破)を減らし、症状の悪化を防ぎます。
中等症~重症アトピー性皮膚炎で、かゆみが特に強い人に使われます
他の治療(ステロイド、保湿など)と併用して使うことが基本です
湿疹そのものを直接治す薬ではありません(“かゆみ”に特化した治療薬です)
使う期間と量について
ミチーガは月に1回の注射で効果が持続するタイプの薬です。
通常は初回60mg皮下注射、その後は4週間ごとに30mgずつ注射
効果は1週間以内にかゆみの軽減を実感する人も多く、夜の睡眠改善も報告されています
注射の間隔や量は医師の判断で調整されることもあります
副作用
湿疹 、 紅斑 、 貨幣状湿疹 、 丘疹 、 アトピー性皮膚炎 、 皮膚炎 、 皮膚感染症 、 膿痂疹 、 ヘルペス感染 、 蜂巣炎 、 注射部位反応
重大な副作用
重篤な感染症 、 重篤な過敏症 、 アナフィラキシー 、 血圧低下 、 呼吸困難 、 蕁麻疹 、 類天疱瘡 、 水疱 、 びらん
上記以外の副作用
そう痒感 、 腫脹 、 血清TARC上昇 、 下痢 、 肝機能検査値異常 、 脱毛症 、 中毒疹 、 ざ瘡 、 尋常性疣贅 、 自家感作性皮膚炎 、 落屑 、 上気道炎 、 胃腸炎 、 結膜炎 、 好酸球増加 、 頭痛 、 末梢性浮腫 、 アレルギー性結膜炎 、 咳嗽 、 腹痛 、 倦怠感 、 回転性めまい 、 血中CPK増加 、 高尿酸血症 、 発熱
注意事項
病気や症状に応じた注意事項
- 禁止
- 過敏症
- 注意
- 長期ステロイド内服療法
- 投与に際する指示
- 長期ステロイド内服療法
患者の属性に応じた注意事項
- 相対禁止
- 妊婦・産婦
- 注意
- 授乳婦
- 新生児(低出生体重児を含む)
- 乳児
- 幼児・小児
年齢や性別に応じた注意事項
- 注意
- 結節性痒疹の13歳未満(0歳〜12歳)
- アトピー性皮膚炎に伴うそう痒の6歳未満(0歳〜5歳)
妊娠中の使用について
ミチーガも生物学的製剤のひとつであり、妊娠中・授乳中の安全性は確立されていません。
・動物実験では大きなリスクは報告されていませんが、人でのデータは非常に限られています
・妊娠中の使用を希望する場合は、必ず医師に相談し、リスクとメリットを検討する必要があります
小児や未成年の使用について
ミチーガは成人(18歳以上)での使用が基本です。2024年時点では10代への適応はまだ確立されていません。
・ただし、臨床試験が進んでおり、今後若年者への適応拡大が期待されています
・15~17歳であっても、治験や特例的な使用が検討されることはあります(要医師相談)
添付文書
効果・効能(添付文書全文)
既存治療で効果不十分な次記疾患:
1). *アトピー性皮膚炎に伴うそう痒。
2). 結節性痒疹。
*)最適使用推進ガイドライン対象。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈アトピー性皮膚炎に伴うそう痒〉ステロイド外用剤やタクロリムス外用剤等の抗炎症外用剤及び抗ヒスタミン剤等の抗アレルギー剤による適切な治療を一定期間施行しても、そう痒を十分にコントロールできない患者に投与すること〔17.1.1参照〕。
5.2. 〈アトピー性皮膚炎に伴うそう痒〉本剤はそう痒を治療する薬剤であり、そう痒が改善した場合も含め、本剤投与中はアトピー性皮膚炎に対して必要な治療を継続すること〔8.2参照〕。
5.3. 〈アトピー性皮膚炎に伴うそう痒〉原則として、本剤投与時にはアトピー性皮膚炎の病変部位の状態に応じて抗炎症外用剤を併用すること〔8.2参照〕。
5.4. 〈アトピー性皮膚炎に伴うそう痒〉アトピー性皮膚炎に伴うそう痒の場合、本剤投与時も保湿外用剤を継続使用すること〔8.2参照〕。
5.5. 〈結節性痒疹〉「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景を十分理解した上でステロイド外用剤等の抗炎症外用剤及び抗ヒスタミン剤等の抗アレルギー剤による適切な治療を一定期間施行しても痒疹結節を主体とする病変が多発し複数部位に及ぶ患者に投与すること〔17.1.2参照〕。
5.6. 〈結節性痒疹〉最新の診療ガイドライン等を参考に、臨床症状及び全身検索に基づいて他の皮膚疾患との鑑別を行うこと。
用法・用量(添付文書全文)
〈アトピー性皮膚炎に伴うそう痒〉
通常、6歳以上13歳未満の小児にはネモリズマブ(遺伝子組換え)として1回30mgを4週間の間隔で皮下投与する。
〈結節性痒疹〉
通常、成人及び13歳以上の小児にはネモリズマブ(遺伝子組換え)として初回に60mgを皮下投与し、以降1回30mgを4週間の間隔で皮下投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤投与後に浮腫性紅斑、湿疹等の発現を含む、皮膚症状の悪化が認められているので、皮膚症状が悪化した場合には、本剤の継続の可否について慎重に検討すること。
7.2. 本剤とミチーガ皮下注用60mgシリンジの生物学的同等性は示されていないことから、互換使用を行わないこと。
副作用(添付文書全文)
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 重篤な感染症(頻度不明):ウイルス、細菌、真菌等による重篤な感染症があらわれることがある。
11.1.2. 重篤な過敏症(頻度不明):アナフィラキシー(血圧低下、呼吸困難、蕁麻疹等)などの重篤な過敏症があらわれることがある。
11.1.3. 類天疱瘡(頻度不明):水疱、びらん等があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 皮膚:(5%以上)湿疹、紅斑、貨幣状湿疹、(5%未満)丘疹、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、皮膚炎、(頻度不明)脱毛症、中毒疹、ざ瘡、尋常性疣贅、自家感作性皮膚炎、落屑。
2). 感染症:(5%未満)皮膚感染症(膿痂疹、ヘルペス感染、蜂巣炎等)、(頻度不明)上気道炎、胃腸炎、結膜炎。
3). 注射部位:(5%未満)注射部位反応(紅斑、そう痒感、腫脹等)。
4). その他:(5%未満)血清TARC上昇、下痢、肝機能検査値異常、(頻度不明)好酸球増加、頭痛、末梢性浮腫、アレルギー性結膜炎、咳嗽、腹痛、倦怠感、回転性めまい、血中CPK増加、高尿酸血症、発熱。
使用上の注意(添付文書全文)
(警告)
本剤についての十分な知識と適応疾患の治療の知識・経験をもつ医師が使用すること。
(禁忌)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
(重要な基本的注意)
8.1. 〈効能共通〉本剤投与中の患者に生ワクチンを接種する場合は、患者の状態を慎重に確認し、十分な注意を払うこと。
8.2. 〈アトピー性皮膚炎に伴うそう痒〉次の点について患者に説明し、理解したことを確認したうえで投与すること〔5.2−5.4参照〕。
・ アトピー性皮膚炎に伴うそう痒の場合、本剤はそう痒を治療する薬剤であることから、アトピー性皮膚炎に対する治療を継続すること。
・ アトピー性皮膚炎に伴うそう痒の場合、そう痒が改善した場合もアトピー性皮膚炎に対する治療を怠らないこと。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 長期ステロイド内服療法を受けている患者:本剤投与開始後に経口ステロイド剤を急に中止しないこと(経口ステロイド剤の減量が必要な場合には、医師の管理の下徐々に行うこと)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(カニクイザル)において本剤の胎盤通過性を示唆する報告がある)。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(カニクイザル)において本剤の乳汁移行がわずかに認められている)。
(小児等)
〈アトピー性皮膚炎に伴うそう痒〉アトピー性皮膚炎に伴うそう痒の6歳未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない。
〈結節性痒疹〉結節性痒疹の13歳未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない。
(臨床検査結果に及ぼす影響)
12.1. 〈アトピー性皮膚炎に伴うそう痒〉本剤の投与により、アトピー性皮膚炎の炎症症状とは一致しない一過性の血清TARC値の上昇が認められている(本剤投与開始から一定期間は血清TARC値をアトピー性皮膚炎の短期病勢マーカーとして使用できないことに留意すること)。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
14.1.1. バイアル1本に対して日局注射用水0.9mLを注入する。
14.1.2. 静かにバイアルを回転させ、完全に溶解すること。
14.1.3. 溶解後、直ちに投与すること(直ちに投与できない場合は、室温で保存し、24時間以内に投与すること)。
14.2. 薬剤投与時の注意
14.2.1. 調製後の薬液は無色〜微黄色の液となる(変色や不溶物を認めた場合には使用しないこと)。
14.2.2. 次に従い、必要な液量を注射筒に採取すること。
1). 用量(ネモリズマブ(遺伝子組換え)として)30mg:投与する液量0.6mL。
2). 用量(ネモリズマブ(遺伝子組換え)として)60mg:投与する液量1.2mL。
14.2.3. 投与部位は腹部、大腿部又は上腕部とすること。同一箇所へ繰り返し注射することは避けること。
14.2.4. 正常な皮膚の部位に注射すること。皮膚が敏感な部位、皮膚に損傷・打撲や傷のある部位、強い炎症のある部位には注射しないこと。
14.2.5. 本剤の使用は1回限りとし、使用後は廃棄すること。
(取扱い上の注意)
外箱開封後は遮光して保存すること。
(保管上の注意)
2〜8℃に保存。