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防風通聖散エキス錠(ぼうふうつうしょうさん)ってどんな薬?

防風通聖散エキス錠(ぼうふうつうしょうさん)の基本情報

基本情報

漢方製剤(概論)

自然由来の生薬(しょうやく)から構成され、日本で独自に発展を遂げた伝統医学である漢方医学による治療などに使われる薬

漢方製剤(概論)
  • 葛根湯(カッコントウ):ツムラ葛根湯、クラシエ葛根湯など
  • 大建中湯(ダイケンチュウトウ):ツムラ大建中湯、コタロー大建中湯
  • 芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ):ツムラ芍薬甘草湯、クラシエ芍薬甘草湯など
  • 補中益気湯(ホチュウエッキトウ):ツムラ補中益気湯、クラシエ補中益気湯など
  • 六君子湯(リックンシトウ):ツムラ六君子湯、クラシエ六君子湯など
  • 抑肝散(ヨクカンサン):ツムラ抑肝散、オースギ抑肝散料など
  • 牛車腎気丸(ゴシャジンキガン):ツムラ牛車腎気丸など
  • 加味逍遙散(カミショウヨウサン):ツムラ加味逍遙散、クラシエ加味逍遙散料など
  • 小青竜湯(ショウセイリュウトウ):ツムラ小青竜湯、クラシエ小青竜湯など
  • 麦門冬湯(バクモンドウトウ):ツムラ麦門冬湯、クラシエ麦門冬湯など

効能・効果

  • 便秘
  • むくみ
  • 肥満症
  • 高血圧の随伴症状
  • 高血圧ののぼせ
  • 高血圧の肩こり
  • 高血圧のどうき

注意すべき副作用

間質性肺炎 、 咳嗽 、 呼吸困難 、 発熱 、 肺音異常 、 偽アルドステロン症 、 低カリウム血症 、 血圧上昇 、 ナトリウム貯留 、 体液貯留

用法・用量(主なもの)

  • 通常、成人1日27錠を2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する
    • なお、年齢、体重、症状により適宜増減する

使用する症状について

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)は、体に余分な熱・脂肪・水分がたまっているタイプの人に使われる漢方薬です。
皮膚の赤み・かゆみ・にきび・脂漏性湿疹・便秘・肥満傾向など、代謝の乱れが皮膚に出ている状態に向いています。

 赤くて脂っぽいにきび、脂漏性皮膚炎、肥満ぎみで体が重いと感じる人に向いています
 アトピー性皮膚炎でも、体が熱っぽくて汗かき・便秘がちなタイプに使われます
 皮膚が乾燥している人・虚弱体質の人には合わないことがあります

使う期間と量について

防風通聖散は代謝を促して熱や毒素を出す薬なので、体質と体調の見極めが重要です。

 目安:1日2~3回、食前または食間に内服(OTCでも処方薬でも販売あり)
 比較的早く(1〜2週間以内)体の変化を感じることもあります
 下痢・腹痛・脱力感が出ることがあります。やせ型や胃腸が弱い人には注意が必要です

副作用

腹痛 、 下痢 、 過敏症 、 発疹 、 そう痒 、 不眠 、 発汗過多 、 頻脈 、 動悸 、 全身脱力感 、 精神興奮

重大な副作用

間質性肺炎 、 咳嗽 、 呼吸困難 、 発熱 、 肺音異常 、 偽アルドステロン症 、 低カリウム血症 、 血圧上昇 、 ナトリウム貯留 、 体液貯留 、 浮腫 、 体重増加 、 ミオパチー 、 脱力感 、 四肢痙攣 、 四肢麻痺 、 肝機能障害 、 黄疸 、 著しいAST上昇 、 著しいALT上昇 、 著しいAl−P上昇 、 著しいγ−GTP上昇 、 腸間膜静脈硬化症 、 繰り返し腹痛 、 繰り返し下痢 、 繰り返し便秘 、 繰り返し腹部膨満 、 便潜血陽性

上記以外の副作用

食欲不振 、 胃部不快感 、 悪心 、 嘔吐 、 軟便 、 排尿障害

注意事項

病気や症状に応じた注意事項

  • 注意
    • 悪心
    • 嘔吐
    • 狭心症
    • 下痢
    • 甲状腺機能亢進症
    • 高度腎障害
    • 重症高血圧症
    • 食塩制限
    • 食欲不振
    • 心筋梗塞
    • 軟便
    • 排尿障害
    • 胃腸虚弱
    • 循環器系障害
    • 発汗傾向の著しい

患者の属性に応じた注意事項

  • 希望禁止
    • 妊婦・産婦
  • 注意
    • 授乳婦
    • 新生児(低出生体重児を含む)
    • 乳児
    • 幼児・小児
    • 高齢者
    • 虚弱者(衰弱者を含む)
  • 投与に際する指示
    • 高齢者

年齢や性別に応じた注意事項

  • 注意
    • 小児等(0歳〜14歳)
    • 乳児(0日〜364日)

妊娠中の使用について

防風通聖散は、妊娠中は原則使用しない方がよいとされる漢方薬です。

・強い利尿・下剤作用があり、子宮の収縮や栄養の吸収に影響を及ぼす可能性があります
・妊娠を希望している方や産後間もない方も、必ず医師に相談のうえで使用を

小児や未成年の使用について

防風通聖散は、皮脂が多く赤いにきびができやすい思春期の人に使われることもあります。

・「汗かき」「脂っぽい」「便秘気味」「顔や背中ににきびが出やすい」タイプの人に向いています
・体を冷やす性質があるので、冷え性の人は体調に注意
・使い始めはお腹の調子に変化が出やすいので、様子を見ながら少量から始めることもあります

添付文書

効果・効能(添付文書全文)

腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:高血圧の随伴症状(高血圧のどうき、高血圧の肩こり、高血圧ののぼせ)、肥満症、むくみ、便秘。

用法・用量(添付文書全文)

通常、成人1日27錠を2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。
なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

副作用(添付文書全文)

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 間質性肺炎(頻度不明):咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音異常等があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線、速やかに胸部CT等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、咳嗽、呼吸困難、発熱等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、ただちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと。
11.1.2. 偽アルドステロン症(頻度不明):低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム貯留・体液貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれることがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと〔8.2、10.2参照〕。
11.1.3. ミオパチー(頻度不明):低カリウム血症の結果としてミオパチーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、脱力感、四肢痙攣・四肢麻痺等の異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと〔8.2、10.2参照〕。
11.1.4. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):著しいAST上昇、著しいALT上昇、著しいAl−P上昇、著しいγ−GTP上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.1.5. 腸間膜静脈硬化症(頻度不明):長期投与により、腸間膜静脈硬化症があらわれることがあるので、繰り返し腹痛、繰り返し下痢、繰り返し便秘、繰り返し腹部膨満等があらわれた場合、又は便潜血陽性になった場合には投与を中止し、CT、大腸内視鏡等の検査を実施するとともに、適切な処置を行うこと(なお、腸管切除術に至った症例も報告されている)〔8.3参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)発疹、そう痒等。
2). 自律神経系:(頻度不明)不眠、発汗過多、頻脈、動悸、全身脱力感、精神興奮等。
3). 消化器:(頻度不明)食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、軟便、下痢等。
4). 泌尿器:(頻度不明)排尿障害等。

使用上の注意(添付文書全文)

(重要な基本的注意)
8.1. 本剤の使用にあたっては、患者の証(体質・症状)を考慮して投与すること。なお、経過を十分に観察し、症状・所見の改善が認められない場合には、継続投与を避けること。
8.2. 本剤にはカンゾウが含まれているので、血清カリウム値や血圧値等に十分留意すること〔10.2、11.1.2、11.1.3参照〕。
8.3. サンシシ含有製剤の長期投与(多くは5年以上)により、大腸の色調異常、大腸浮腫、大腸びらん、大腸潰瘍、大腸狭窄を伴う腸間膜静脈硬化症があらわれるおそれがあるので、長期投与する場合にあっては、定期的にCT、大腸内視鏡等の検査を行うことが望ましい〔11.1.5参照〕。
8.4. 他の漢方製剤等を併用する場合は、含有生薬の重複に注意し、ダイオウを含む製剤との併用には、特に注意すること。
8.5. ダイオウの瀉下作用には個人差が認められるので、用法及び用量に注意すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 下痢、軟便のある患者:これらの症状が悪化するおそれがある。
9.1.2. 胃腸虚弱な患者:食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、軟便、下痢等があらわれることがある。
9.1.3. 食欲不振、悪心、嘔吐のある患者:これらの症状が悪化するおそれがある。
9.1.4. 病後の衰弱期、著しく体力の衰えている患者:副作用があらわれやすくなり、その症状が増強されるおそれがある。
9.1.5. 発汗傾向の著しい患者:発汗過多、全身脱力感等があらわれるおそれがある。
9.1.6. 狭心症、心筋梗塞等の循環器系障害のある患者、又はその既往歴のある患者:当該疾患及びその症状が悪化するおそれがある。
9.1.7. 重症高血圧症の患者:当該疾患及びその症状が悪化するおそれがある。
9.1.8. 排尿障害のある患者:当該疾患及びその症状が悪化するおそれがある。
9.1.9. 甲状腺機能亢進症の患者:当該疾患及びその症状が悪化するおそれがある。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 高度腎障害のある患者:当該疾患及びその症状が悪化するおそれがある。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい(本剤に含まれるダイオウ(子宮収縮作用及び骨盤内臓器の充血作用)、無水ボウショウ(子宮収縮作用)により流早産の危険性がある)。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤に含まれるダイオウ中のアントラキノン誘導体が母乳中に移行し、乳児の下痢を起こすことがある)。
(小児等)
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(高齢者)
減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下している)。
(相互作用)
10.2. 併用注意:
1). マオウ含有製剤(葛根湯、小青竜湯、麻黄湯等)、エフェドリン類含有製剤(エフェドリン塩酸塩、dl−メチルエフェドリン塩酸塩、フェキソフェナジン塩酸塩・塩酸プソイドエフェドリン等)、モノアミン酸化酵素<MAO>阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩等)、甲状腺製剤(チロキシン、リオチロニン等)、カテコールアミン製剤(アドレナリン、イソプレナリン等)、キサンチン系製剤(テオフィリン、ジプロフィリン等)[不眠、発汗過多、頻脈、動悸、全身脱力感、精神興奮等があらわれやすくなるので、減量するなど慎重に投与すること(交感神経刺激作用が増強されることが考えられる)]。
2). カンゾウ含有製剤(芍薬甘草湯、補中益気湯、抑肝散等)、グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤(グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・L−システイン、グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・DL−メチオニン配合錠等)〔8.2、11.1.2、11.1.3参照〕[偽アルドステロン症があらわれやすくなり、また、低カリウム血症の結果として、ミオパチーがあらわれやすくなる(グリチルリチン酸は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が促進されることが考えられる)]。
(その他の注意)
15.1. 臨床使用に基づく情報
本剤には無水ボウショウが含まれているので、治療上食塩制限が必要な患者に継続投与する場合は注意すること。
(取扱い上の注意)
20.1. 本剤の品質を保つため、できるだけ湿気を避け、直射日光の当たらない涼しい所に保管すること。
20.2. 開封後は特に湿気を避け、取扱いに注意すること。
20.3. 本剤は生薬を原料としているので、色調等が異なることがある。
(保管上の注意)
室温保存。