ベトネベートの基本情報


基本情報
副腎皮質ホルモン(ステロイド外用塗布剤・噴霧薬など)
抗炎症作用や免疫抑制作用などにより、皮膚炎などにおける湿疹、痒み、赤みなどを和らげる薬
- ロコイド
- リンデロン
- ネリゾナ
- アンテベート
- デルモベート
- ダイアコート
効能・効果
注意すべき副作用
眼圧亢進 、 緑内障 、 後嚢白内障 、 皮膚感染症 、 皮膚真菌症 、 皮膚カンジダ症 、 皮膚白癬 、 皮膚細菌感染症 、 伝染性膿痂疹 、 毛のう炎
用法・用量(主なもの)
- 通常1日1〜数回適量を患部に塗布する
- なお、症状により適宜増減する
使用する部位について
ベトネベートやリンデロンVGは、アトピー性皮膚炎、湿疹、かぶれ、虫さされ、化膿(ばい菌が入って赤くなった)した皮膚の炎症に使われるステロイド外用薬です。
体の皮膚(腕・脚・お腹・背中など)に使うことが多いです。
特にリンデロンVGには抗菌薬(ゲンタマイシン)も入っていて、細菌感染を伴う湿疹などに使われます。
顔や陰部、目のまわりなど皮膚が薄い部分には、原則使わない方がよいです。どうしても使うときは医師の指示に従ってください。
使う期間と量について
この薬は「strong(強い)クラスのステロイド」で、効果はしっかりしていますが、使いすぎには注意が必要です。
塗る量の目安は「1FTU(人差し指の先から第一関節まで出した量)=手のひら2枚分に塗れる量」です。
1日1〜2回までが一般的な使用方法です。
長期間使うと副作用(皮膚がうすくなる・毛が濃くなるなど)が出やすくなるので、良くなったら使用をやめるか、弱い薬へ変更します。
副作用
重大な副作用
眼圧亢進 、 緑内障 、 後嚢白内障
上記以外の副作用
注意事項
病気や症状に応じた注意事項
- 禁止
- ウイルス皮膚感染症
- 疥癬
- 過敏症
- けじらみ
- 鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎
- 第2度深在性以上の熱傷
- 動物性皮膚疾患
- スピロヘータ皮膚感染症
- 細菌皮膚感染症
- 真菌皮膚感染症
- 第2度深在性以上の凍傷
- 潰瘍<ベーチェット病は除く>
- 原則禁止
- 皮膚感染を伴う湿疹・皮膚炎
- 投与に際する指示
- 皮膚感染を伴う湿疹・皮膚炎
患者の属性に応じた注意事項
- 禁止
- 妊婦・産婦
- 注意
- 新生児(低出生体重児を含む)
- 乳児
- 幼児・小児
- 高齢者
妊娠中の使用について
妊娠中でも、どうしても必要な場合には短期間・限られた範囲のみ使用されることがあります。
・広い範囲や長期間の使用は避けるべきです
・抗菌薬が含まれるリンデロンVGは、妊娠中の使用は特に慎重に判断されます
・自己判断で使わず、必ず医師と相談したうえで使用してください
小児や未成年の使用について
ベトネベートやリンデロンVGは、強めのステロイドなので10代での使用は慎重に行います。
・使用は短期間にとどめるのが基本です
・顔や首には基本的に使わないようにします(特にリンデロンVG)
・ニキビには使わないでください(抗菌薬入りでも逆効果になることがあります)
・皮膚に赤みや化膿があるときのみ、医師の指示で使用します
添付文書
効果・効能(添付文書全文)
1). 湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、女子顔面黒皮症、ビダール苔癬、放射線皮膚炎、日光皮膚炎を含む)。
2). 皮膚そう痒症。
3). 痒疹群(じん麻疹様苔癬、ストロフルス、固定じん麻疹を含む)。
4). 虫さされ。
5). 乾癬。
6). 掌蹠膿疱症。
7). 扁平苔癬。
8). 光沢苔癬。
9). 毛孔性紅色粃糠疹。
10). ジベルバラ色粃糠疹。
11). 紅斑症(多形滲出性紅斑、結節性紅斑、ダリエ遠心性環状紅斑)。
12). 紅皮症(悪性リンパ腫による紅皮症を含む)。
13). 慢性円板状エリテマトーデス。
14). 薬疹・中毒疹。
15). 円形脱毛症(悪性円形脱毛症を含む)。
16). 熱傷(瘢痕、ケロイドを含む)。
17). 凍瘡。
18). 天疱瘡群。
19). ジューリング疱疹状皮膚炎(類天疱瘡を含む)。
20). 痔核。
21). 鼓室形成手術・内耳開窓術・中耳根治手術の術創。
(効能又は効果に関連する注意)
皮膚感染を伴う湿疹・皮膚炎には使用しないことを原則とするが、やむを得ず使用する必要がある場合には、あらかじめ適切な抗菌剤(全身適用)、抗真菌剤による治療を行うか、又はこれらとの併用を考慮すること。
用法・用量(添付文書全文)
通常1日1〜数回適量を患部に塗布する。
なお、症状により適宜増減する。
副作用(添付文書全文)
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障(いずれも頻度不明):眼瞼皮膚への使用に際し、あらわれることがある。大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により、緑内障、後嚢白内障等があらわれることがある〔8.1参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 皮膚感染症:(頻度不明)皮膚真菌症(皮膚カンジダ症、皮膚白癬等)、皮膚細菌感染症(伝染性膿痂疹、毛のう炎等)、皮膚ウイルス感染症[密封法(ODT)の場合に起こりやすいので、このような症状があらわれた場合には、適切な抗真菌剤、抗菌剤等を併用し、症状が速やかに改善しない場合には、使用を中止すること]。
2). 過敏症:(頻度不明)皮膚刺激感、接触性皮膚炎、発疹。
3). その他の皮膚症状:(頻度不明)ステロイドざ瘡[尋常性ざ瘡に似ているが、白色面皰が多発する傾向がある]、ステロイド酒さすなわち口囲皮膚炎(口囲紅斑、顔面全体紅斑、丘疹、毛細血管拡張、痂皮、鱗屑を生じる)、ステロイド皮膚(皮膚萎縮、毛細血管拡張)、魚鱗癬様皮膚変化、紫斑、多毛、皮膚色素脱失[長期連用によりあらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には徐々にその使用を差し控え、副腎皮質ステロイドを含有しない薬剤に切り替えること]。
4). その他:(頻度不明)下垂体・副腎皮質系機能抑制[大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)によりあらわれることがある。また、大量又は長期にわたる広範囲の使用において、使用中止、密封法(ODT)において、使用中止により急性副腎皮質機能不全に陥る危険性があるため、使用を中止する際は患者の状態を観察しながら徐々に減量すること]、中心性漿液性網脈絡膜症。
使用上の注意(添付文書全文)
(禁忌)
2.1. 細菌皮膚感染症・真菌皮膚感染症・スピロヘータ皮膚感染症・ウイルス皮膚感染症及び動物性皮膚疾患(疥癬、けじらみ等)[感染に伴う症状を悪化させるおそれがある]。
2.2. 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。
2.3. 鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎[穿孔部位の治癒が遅れるおそれがあり、また、感染するおそれがある]。
2.4. 潰瘍<ベーチェット病は除く>、第2度深在性以上の熱傷・第2度深在性以上の凍傷[皮膚の再生が抑制され、治癒が著しく遅れるおそれがある]。
(重要な基本的注意)
8.1. 大量又は長期にわたる広範囲の使用(特に密封法(ODT))により、副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様な症状があらわれることがあるので、特別な場合を除き長期大量使用や密封法(ODT)を極力避けること〔9.5妊婦、9.7小児等、9.8高齢者の項、11.1参照〕。
8.2. 本剤の使用により症状の改善がみられない場合又は症状の悪化をみる場合は使用を中止すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること(動物実験(妊娠ラット)で生存胎仔数低下が報告されている)〔8.1参照〕。
(小児等)
長期・大量使用又は密封法(ODT)により発育障害を来すとの報告がある。また、おむつは密封法(ODT)と同様の作用があるので注意すること〔8.1参照〕。
(高齢者)
大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)に際しては特に注意すること(一般に、副作用があらわれやすい)〔8.1参照〕。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
患者に治療以外の目的(化粧下、ひげそり後など)には使用しないよう注意する(化粧下として連用すると顔が赤くなったり、つっぱったり、皮がむけたりという症状があらわれることがある)。
14.2. 薬剤投与時の注意
眼科用として使用しないこと。
(保管上の注意)
室温保存。