デュピクセントとは?効果や副作用、正しい使い方をわかりやすく解説

デュピクセントは、既存の治療(ステロイド外用薬など)では十分な効果が得られなかった、中等症〜重症のアトピー性皮膚炎などに使われる最新の「生物学的製剤(注射薬)」です。
これまでの体内全体を抑制するお薬とは異なり、アレルギーを引き起こす特定の原因(物質)だけをピンポイントでブロックするため、高い効果と安全性が期待できます。
ここでは、デュピクセントの効果や使い方、気をつけるべき副作用についてわかりやすく解説します。
デュピクセントはどんなお薬?
デュピクセントは、体内のアレルギー反応や皮膚の炎症に深く関わっている「IL-4」と「IL-13」という物質(サイトカイン)の働きを直接抑える注射薬です。 かゆみの原因を根本からブロックするため、つらいかゆみを速やかにしずめ、バリア機能が低下した皮膚を健康な状態へと導きます。
アトピー性皮膚炎以外にも、同じアレルギー性の仕組み(2型炎症)が原因で起こるさまざまな病気に対して、優れた治療効果を発揮します。
どんな病気に使うの?(適応がある疾患)
「これまでの一般的な治療を行っても、十分な効果が得られない重症の患者様」を対象に、以下のような病気に処方されます。
- 皮膚の病気: 中等症〜重症のアトピー性皮膚炎、結節性痒疹(けっせつせいようしん)、特発性慢性蕁麻疹
- 呼吸器・鼻の病気: 気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、鼻茸(はなたけ:鼻のポリープ)を伴う慢性副鼻腔炎
※アトピー性皮膚炎の場合、生後6ヶ月以上の小さなお子様から大人の患者様まで幅広く使用可能です。
正しい使い方と「自己注射」について
デュピクセントは、定期的に使い続けることで効果が安定するお薬です。
【投与スケジュール(アトピー性皮膚炎・成人の場合)】
- 初回: 2本(600mg)を同時に注射します。
- 2回目以降: 2週間に1回、1本(300mg)ずつ注射を継続します。
- 効果の目安: 早ければ数日〜1週間以内に改善を実感される方もいます。通常、16週(約4ヶ月)までにはしっかりとした効果があらわれます。
【自宅での「自己注射」が可能です】 毎回通院することなく、患者様ご自身(またはご家族)が自宅で皮下注射を行うことができます。
- 注射する場所: お腹(へその周り5cmを避ける)、太もも、または上腕部(正常な皮膚の部位に注射します)。
- 事前の準備: 使う前にお薬を冷蔵庫から出し、45分以上かけて室温に戻しておきます(冷たいまま注射すると痛みが強くなります)。
- 医療機関での指導: 最初は必ず院内で医師や看護師から直接指導を受け、安全に打てるようになるまで丁寧に練習を行いますのでご安心ください。
注意が必要な人・使ってはいけない人
治療を安全に進めるため、以下に当てはまる方は必ず事前に医師へご相談ください。
- 現在、ステロイドの内服薬などを使っている方: デュピクセントを始めたからといって、これまで使っていたステロイドの飲み薬などを急にやめてはいけません。医師の管理のもと、徐々に減らしていく必要があります。また、塗り薬や保湿剤はデュピクセント開始後も継続して併用するのが原則です。
- 生ワクチンを接種する予定がある方: デュピクセントを使用している期間は、安全性が確立されていないため生ワクチンの接種は避けてください。
- 寄生虫感染のある方: 体の免疫バランスが変わるため、本剤を始める前に寄生虫の治療を完了させる必要があります。
- 妊娠中・授乳中の方: 安全性に関するデータがまだ限られているため、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合に使用します。妊娠を希望されている方も、必ず事前にご相談ください。
気をつけたい副作用
デュピクセントはピンポイントに作用するため重い副作用は少ないですが、以下のような症状があらわれることがあります。
- 注射した場所の反応(高頻度): 注射した部位の赤み(紅斑)、腫れ、かゆみ、痛みなど。同一箇所への連続した注射を避け、場所をずらしながら打つことで軽減できます。
- 目への影響: 結膜炎(目の赤み、かゆみ、目やに)、アレルギー性結膜炎、目の乾燥など。特にアトピー性皮膚炎の患者様にあらわれやすい傾向があります。
- 感染症: 口元などにヘルペス(口腔ヘルペス・単純ヘルペス)が出ることがあります。
- 重大な副作用(ごく稀): アナフィラキシーなどの重篤な過敏症(血圧低下、息苦しさ、めまい、激しい吐き気など)。
お薬の保管についての注意点 デュピクセントは**「冷蔵庫(2〜8℃)」**で保管し、凍結させないでください。冷蔵庫から取り出した後は、外箱に入れたまま25℃以下で保存し、14日以内に使用する必要があります。また、絶対に容器を強く振らないでください。
デュピクセントの治療中に「目がひどく充血する・かゆい」「口元に水ぶくれができた」「自己注射の進め方で不安がある」といった場合は、いつでもお気軽に当院までご相談ください。
医師
山田 貴博 Yamada Takahiro
略歴
- 2010年:名古屋市立大学医学部 卒業
- 2010年:NTT西日本大阪病院、阪南中央病院にて研修
- 同年:大阪大学大学院医学系研究科 神経細胞生物学講座にて基礎医学研究に従事
- 2015年:阪南中央病院皮膚科 勤務
- 2017年:天下茶屋あみ皮フ科クリニック 開業
- 2024年:AMI SKIN CLINIC 開設
- 2025年:東京駒込皮膚科クリニック 開業
私はこれまで、大学病院や地域の中核病院、そしてクリニックにおいて、アトピー性皮膚炎や湿疹といった一般的な皮膚疾患から、皮膚腫瘍の手術、難治性疾患、さらには褥瘡(床ずれ)の管理まで、幅広く研鑽を積んで参りました。
皮膚のトラブルは、見た目の悩みだけでなく、痒みや痛みによって日常生活の質(QOL)を大きく下げてしまうものです。「こんな些細なことで相談してもいいのかな?」とためらわず、ぜひお気軽にご相談ください。
丁寧な診察と分かりやすい説明を心がけ、地域の皆さまの「肌のホームドクター」として、健やかな毎日を全力でサポートさせていただきます。
皮膚のトラブルは、見た目の悩みだけでなく、痒みや痛みによって日常生活の質(QOL)を大きく下げてしまうものです。「こんな些細なことで相談してもいいのかな?」とためらわず、ぜひお気軽にご相談ください。
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