消風散(しょうふうさん)の基本情報

基本情報
漢方製剤(概論)
自然由来の生薬(しょうやく)から構成され、日本で独自に発展を遂げた伝統医学である漢方医学による治療などに使われる薬
- 葛根湯(カッコントウ):ツムラ葛根湯、クラシエ葛根湯など
- 大建中湯(ダイケンチュウトウ):ツムラ大建中湯、コタロー大建中湯
- 芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ):ツムラ芍薬甘草湯、クラシエ芍薬甘草湯など
- 補中益気湯(ホチュウエッキトウ):ツムラ補中益気湯、クラシエ補中益気湯など
- 六君子湯(リックンシトウ):ツムラ六君子湯、クラシエ六君子湯など
- 抑肝散(ヨクカンサン):ツムラ抑肝散、オースギ抑肝散料など
- 牛車腎気丸(ゴシャジンキガン):ツムラ牛車腎気丸など
- 加味逍遙散(カミショウヨウサン):ツムラ加味逍遙散、クラシエ加味逍遙散料など
- 小青竜湯(ショウセイリュウトウ):ツムラ小青竜湯、クラシエ小青竜湯など
- 麦門冬湯(バクモンドウトウ):ツムラ麦門冬湯、クラシエ麦門冬湯など
効能・効果
- 湿疹の分泌物が多くかゆみ
- 蕁麻疹の分泌物が多くかゆみ
- 皮膚そう痒症の分泌物が多くかゆみ
- あせもの分泌物が多くかゆみ
- 水虫の分泌物が多くかゆみ
- 慢性の皮膚病の分泌物が多くかゆみ
注意すべき副作用
偽アルドステロン症 、 低カリウム血症 、 血圧上昇 、 ナトリウム貯留 、 体液貯留 、 浮腫 、 体重増加 、 ミオパチー 、 脱力感 、 四肢痙攣
用法・用量(主なもの)
- 通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する
- なお、年齢、体重、症状により適宜増減する
使用する症状について
消風散は、皮膚のかゆみや湿疹、じんましん、あせもなどに使われる漢方薬です。体の内側からアプローチして、「熱(ほてり)」「かゆみ」「湿気」を和らげる効果があります。
アトピー性皮膚炎、かゆみの強い湿疹、汗かき体質の人に使われることがあります
「赤くてかゆい」「ジュクジュクしている」「汗をかきやすい」といったタイプの皮膚トラブルに向いています
皮膚に直接塗るのではなく、飲み薬(内服)として使います
使う期間と量について
消風散は体質に合わせて使う必要があります。基本的には漢方医や医師の指導のもとで飲むのが安心です。
目安:1日2~3回、食前または食間に内服(製品や年齢により異なる)
漢方薬なので効果がゆっくり現れることもあります(2〜4週間ほど様子を見ることが多い)
下痢や胃の不快感が出たら使用を中止し、医師に相談しましょう
副作用
重大な副作用
偽アルドステロン症 、 低カリウム血症 、 血圧上昇 、 ナトリウム貯留 、 体液貯留 、 浮腫 、 体重増加 、 ミオパチー 、 脱力感 、 四肢痙攣 、 四肢麻痺
注意事項
病気や症状に応じた注意事項
- 注意
- 悪心
- 嘔吐
- 食欲不振
- 胃腸虚弱
- 患部が乾燥
患者の属性に応じた注意事項
- 相対禁止
- 妊婦・産婦
- 注意
- 授乳婦
- 新生児(低出生体重児を含む)
- 乳児
- 幼児・小児
- 高齢者
- 虚弱者(衰弱者を含む)
- 投与に際する指示
- 高齢者
妊娠中の使用について
消風散に含まれる生薬には体を冷やす作用や利尿作用の強いものがあるため、慎重に使う必要があります
・自己判断で使わず、必ず医師や薬剤師に相談してから飲んでください
・妊娠中の方には、他の漢方薬がすすめられることもあります
小児や未成年の使用について
消風散は体の熱がこもって汗をかきやすく、かゆみが出やすいタイプの人に合いやすいです
・「夜にかゆくて眠れない」「汗をかいたあとにかゆくなる」などの症状がある人におすすめ
・体質に合わないと効きづらいことがあるので、漢方に詳しい医師に相談を
・にきびや乾燥タイプの湿疹には向いていないことがあります
添付文書
効果・効能(添付文書全文)
分泌物が多くかゆみの強い慢性の皮膚病(湿疹、蕁麻疹、水虫、あせも、皮膚そう痒症)。
用法・用量(添付文書全文)
通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
副作用(添付文書全文)
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 偽アルドステロン症(頻度不明):低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム貯留・体液貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれることがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと〔8.2、10.2参照〕。
11.1.2. ミオパチー(頻度不明):低カリウム血症の結果としてミオパチーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、脱力感、四肢痙攣・四肢麻痺等の異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと〔8.2、10.2参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)発疹、発赤、そう痒、蕁麻疹等。
2). 消化器:(頻度不明)食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、軟便、下痢等。
使用上の注意(添付文書全文)
(重要な基本的注意)
8.1. 本剤の使用にあたっては、患者の証(体質・症状)を考慮して投与すること。なお、経過を十分に観察し、症状・所見の改善が認められない場合には、継続投与を避けること。
8.2. 本剤にはカンゾウが含まれているので、血清カリウム値や血圧値等に十分留意すること〔10.2、11.1.1、11.1.2参照〕。
8.3. 他の漢方製剤等を併用する場合は、含有生薬の重複に注意すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 胃腸虚弱な患者:食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、軟便、下痢等があらわれることがある。
9.1.2. 食欲不振、悪心、嘔吐のある患者:これらの症状が悪化するおそれがある。
9.1.3. 著しく体力の衰えている患者:副作用があらわれやすくなり、その症状が増強されるおそれがある。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
(小児等)
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(高齢者)
減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下している)。
(相互作用)
10.2. 併用注意:
カンゾウ含有製剤(芍薬甘草湯、補中益気湯、抑肝散等)、グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤(グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・L−システイン、グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・DL−メチオニン配合錠等)〔8.2、11.1.1、11.1.2参照〕[偽アルドステロン症があらわれやすくなり、また、低カリウム血症の結果として、ミオパチーがあらわれやすくなる(グリチルリチン酸は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が促進されることが考えられる)]。
(その他の注意)
15.1. 臨床使用に基づく情報
患部が乾燥している皮膚疾患では、症状が悪化することがある。
(取扱い上の注意)
20.1. 本剤の品質を保つため、できるだけ湿気を避け、直射日光の当たらない涼しい所に保管すること。
20.2. 開封後は特に湿気を避け、取扱いに注意すること。
20.3. 本剤は生薬を原料としているので、色調等が異なることがある。
(保管上の注意)
室温保存。